高市早苗首相も経験するリウマチ|体質を整える東洋医学的ケアとは

「朝、手がこわばる」「関節がじんじん痛む」そんな症状を「年のせいかな」と見過ごしていませんか?

実は2025年11月7日、衆院予算委員会で高市早苗首相自身が「関節リウマチの患者である」と発言し、薬で進行を抑えていると明かしました。

リウマチは誰にでも起こりうる病気であり、早期からのケアが大切です。

今回は、東洋医学の視点からリウマチの原因と対策をわかりやすく紹介します。

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リウマチとはどんな病気?

リウマチは、関節に炎症が起こる病気です。

放置すると関節の変形や痛みが強くなり、日常生活にも影響します。

関節の炎症によって痛みやこわばりが起こる

関節の内側には「滑膜(かつまく)」と呼ばれる膜があり、関節をなめらかに動かすための潤滑液を分泌しています。

リウマチは、この滑膜が炎症を起こして関節を攻撃してしまう「自己免疫疾患」と考えられています。

炎症によって関節が腫れ、痛みや熱っぽさを感じるようになり、朝方には手指がこわばって動かしづらくなるのが特徴です。

症状は手指から始まり、足首やひざ、ひじなど全身に広がることもあります。

中高年の女性に多い

リウマチは30〜60代の女性に多くみられます。

女性ホルモンの変化や喫煙、感染症などが影響しているといわれています。

初期のうちは「少しむくむ」「朝だけ痛む」といった軽い不調にとどまることもあり、気づかれにくいのが特徴です。

しかし、進行すると関節の変形や内臓への影響を引き起こすおそれもあるため、早めに医師へ相談することが大切です。

東洋医学では「血の巡り」や「冷え」に注目

東洋医学では、リウマチのような関節の痛みを「外から入り込んだ邪気(じゃき)」がからだの巡りを妨げている状態ととらえます。

とくに冷えや湿気、風、熱などの邪気が、関節にとどまってしまうことで“痛み・腫れ・こわばり”が出るとされています。

こうした巡りの滞りを改善することで、痛みがやわらぐと考えるのです。

また、邪気が入りやすい背景には、体質の乱れがあるとされており、自分に合った体質改善が大切とされています。

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体質による痛みの種類

さらに詳しく中医学では、痛みのタイプごとに次のような“体質”に分けて原因を見極めます。

  • 風邪(ふうじゃ)タイプ:痛む場所が移動する/上半身に痛みが出やすい
  • 湿邪(しつじゃ)タイプ:関節が重だるい/下半身に症状が出やすい
  • 熱邪(ねつじゃ)タイプ:赤く腫れる/熱っぽくズキズキする
  • 寒邪(かんじゃ)タイプ:冷えによって痛む/固定した強い痛み

痛みの出方や感じ方で体質を見極め、巡りを整えることで根本からの改善を目指します。

リウマチは冷えに注意

リウマチの人に多くみられるのが、「寒邪(かんじゃ)」による冷えタイプです。

冷えは血の流れを鈍らせ、関節周りの組織をこわばらせてしまいます。

とくに高齢の人や冷え性の人は、このタイプの痛みが出やすいとされます。

また、冷たい飲食物の摂りすぎや、冷房による冷え、薄着なども症状悪化の要因になるため注意が必要です。

からだを温め、血の巡りを助けることで、関節の痛みがやわらぐケースも多くあります。

東洋医学では、「体質に合った方法で、からだを温める」「血の巡りを整える」ことを大切にしています。

リウマチをやわらげる生活習慣

日々の生活のなかでできることを少しずつ取り入れるだけでも、症状の悪化を防ぐ助けになります。

からだを温める

冷えを防ぐには、首・手首・足首など「三首」を冷やさないことがポイントです。

室内でも靴下を履き、朝晩は温かい飲み物を摂るようにしましょう。

シャワーだけで済ませず、湯船につかってからだの芯から温めることも大切です。

さらに、食事でも温め食材を意識してみましょう。

しょうが、にんにく、ねぎ、かぼちゃなど、からだを中から温める食材を積極的に摂るのがおすすめです。

無理のない範囲で軽く動かす

関節の痛みがあると動かすのが怖くなりますが、完全に動かさないと筋肉が固まり、かえって症状が悪化することもあります。

痛みが強くない日は、手首や指先をゆっくり回したり、ウォーキングをしたりして関節の可動域を保ちましょう

痛みがあるときは無理せず、医師や理学療法士の指示に従ってください。

リウマチには漢方薬という選択肢も

リウマチ治療は基本的には西洋薬が中心ですが、症状の緩和や体質改善を目的に漢方薬が使われることもあります。

具体的には、「からだを温めて冷えによる痛みを改善する」「血流をよくする」「関節に停滞した余分な水分を取り除く」といった漢方薬が選ばれます。

リウマチに使われることのある漢方薬

  • 疎経活血湯(そけいかっけつとう)

こもった熱を冷まして炎症を抑えるとともに、筋肉に栄養を与えることで痛みや麻痺を取り去ります。関節痛、腰痛、筋肉痛などに用いられます。

  • 桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

からだを温めて体内部の新陳代謝をよくすることで、頭、背中、首から肩にかけての重だるい痛みや痙攣、しびれを取り去ります。

慢性の関節リウマチや関節痛、神経痛などにも用いられます。

どの漢方薬が合うかは体質によって異なるため、専門家への相談が安心です。

スマホで体質チェックができるオンラインサービス「あんしん漢方」などを利用すれば、自宅で気軽に相談することもできます。

まとめ

高市早苗首相が公表したように、リウマチは誰にでも起こりうる病気です。

早期に気づき、からだを温めて巡りを整える意識を持つことが、痛みやこわばりをやわらげる第一歩になります。

東洋医学では、体質を改善することで、関節の不調を根本から整えると考えられています。

無理なくできる温活や軽い運動、そして体質に合ったケアを続けながら、毎日を少しでも楽に、前向きに過ごしていきましょう。

この記事の監修者

医師|木村 眞樹子(きむらまきこ)

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。

自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。

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