「季節の変わり目や、雨が降る前になると、必ず頭が痛くなる」「市販薬を飲んでも、頭痛がぶり返してしまう」このような天気や寒暖差で悪化する片頭痛に悩まされていませんか？
片頭痛は、ただの「頭の痛み」ではなく、日常生活に大きな支障をきたすつらい症状です。
この記事では、片頭痛が起こるメカニズムや、日常生活でのセルフケア、そして体質改善を目指す漢方薬について、わかりやすく解説します。
片頭痛の原因
片頭痛は、頭の神経が刺激されることで血管が急に広がり、その周りで炎症が起きるために、強い痛みを感じる現象です。
自律神経の乱れ
私たちのからだには、心臓の動きや血圧、体温などを無意識のうちにコントロールしている自律神経があります。
自律神経には、からだを活発にする交感神経と、からだを休ませる副交感神経があり、この2つがバランスを取りながら働いています。
しかし、ストレスや睡眠不足、そして気圧や気温の急な変化は、この自律神経のバランスを大きく崩すことに。
自律神経が乱れると、血管が収縮したり拡張したりするコントロールがうまくいかなくなり、片頭痛の引き金になりやすい状態になってしまうのです。
血流の滞り
頭痛がある人は、「肩こりがひどい」「手足が冷える」といった血の巡りの悪さを同時に抱えていることがあります。
血流が悪くなると、頭へ酸素が届きにくくなり、その結果、血管周りの神経が刺激されて痛みを感じやすくなると考えられています。
緊張状態が長く続いたり、寒さで筋肉が収縮したりするなど、血流が滞ることで片頭痛が引き起こされるのです。
特定の食べ物や刺激
片頭痛は、食べ物や周りの環境からの強い刺激がきっかけで始まることも。
これらは「トリガー（引き金）」とも呼ばれます。
たとえば、チーズや大豆製品、魚の干物や燻製などは、血管に影響を与える物質（チラミン）を含んでいるため、人によっては頭痛を引き起こすことがあります。
また、強い光やまぶしい光、大きな音、きついにおいなども、脳や神経を強く刺激してしまい、片頭痛のきっかけになることがあります。
これらの刺激は、人によって違うので、「自分は何がきっかけで頭が痛くなるか」を知っておくと、片頭痛を予防しやすくなるでしょう。
根本的なケアを目指す生活習慣
片頭痛の原因に対処するためには、日々の生活のなかで、からだを整えるセルフケアを意識することが大切です。
規則正しい生活で自律神経を整える
自律神経のバランスを整えるには、毎日決まった時間に寝起きするなど、規則正しい生活を送ることが重要です。
- 十分な睡眠： 自分の体調がいい睡眠時間を知り、質のいい睡眠をとる
- トリガーを避ける：特定の食べ物や刺激など、自分のトリガーを知り、避ける工夫をする
- 適度な運動： 痛みのないときはウォーキングや体操など軽い運動をする
無理のない範囲で、片頭痛の原因を避ける生活を意識しましょう。
冷え対策と血流改善
血流の滞りを改善し、冷えからからだを守ることも、片頭痛の予防につながります。
■からだを温める食事
生姜や唐辛子、根菜類など、からだを内側から温める食材を積極的に摂りましょう。
冷たい飲み物や食べ物はなるべく避けるのがおすすめです。
■首や肩を温める
痛みが起きる前に、温かいタオルなどで首の後ろや肩を温めると、筋肉の緊張がほぐれ、血流が改善されます。
漢方薬で片頭痛の体質を根本から見直す
生活習慣の見直しは大切ですが、「薬を飲んでもまた再発する」「天気の変化には太刀打ちできない」と悩む人もいるでしょう。
そこで、からだの内側から体質を整える漢方薬の力を借りてみるのもひとつの方法です。
漢方薬は、単に痛みを抑えるだけでなく、片頭痛が起きやすい体質そのものの改善を目指します。
片頭痛に使われる漢方薬
片頭痛対策には、次の働きの生薬を含む漢方薬を選び、根本改善を目指します。
- ホルモンバランスの乱れを整えて生理周期に伴う片頭痛を改善する
- 自律神経を整えてストレスによる片頭痛を改善する
- 水分の循環をよくして脳のむくみを解消する
- 血流をよくして脳に栄養や酸素を届ける
具体的には、以下のような漢方薬です。
- 呉茱萸湯（ごしゅゆとう）
胃腸を温め、頭痛や頭痛に伴う吐き気を改善する漢方薬です。
冷えると悪化する頭痛や片頭痛などに用いられます。
- 五苓散（ごれいさん）
体内の水分バランスを整え、気圧の変化による頭痛に用いられることの多い漢方薬です。
片頭痛、緊張性頭痛のほかメニエール症候群にも用いられます。
漢方薬の専門家への相談がおすすめ
漢方薬は、今の体質に合っているかどうかが大切です。
どの漢方薬がいいか迷う場合は、専門家に相談するといいでしょう。
最近では、オンライン漢方相談サービスを利用して、漢方薬に詳しい薬剤師に相談し、自宅にいながら自分に合った漢方薬を購入できる便利な方法もあります。
たとえば、「あんしん漢方」のようなサービスを利用すれば、専門的な知識がなくても、気軽に体質改善を始められます。
購入した漢方薬は自宅に届くため、忙しい人でも安心です。
まとめ
片頭痛は、寒暖差や天気の変化など、自分ではコントロールできない要因で悪化しやすい症状です。
根本原因を理解し、規則正しい生活や冷え対策といったケアでからだを整えることが、片頭痛を改善する第一歩。
そして、漢方薬は、痛みの出にくい体質への根本改善が期待できます。
片頭痛をあきらめず、生活習慣の見直しと漢方薬の力を借りて、痛みに振り回されない快適な毎日を目指しましょう。
＜この記事の監修者＞
あんしん漢方薬剤師
中田 早苗（なかだ さなえ）
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
あわせて読みたい｜マタイク（mataiku）
