「病院で検査を受けたけれど、異常は見つからなかった」「数値は問題ないのに、なかなか妊娠しない」そんな原因不明の不妊に悩んでいませんか?
妊活中のカップルのなかには、病院での検査でとくに問題が見つからず、どう対処していいかわからないと悩んでいるケースがあります。
東洋医学では、妊娠をからだ全体のバランスの問題と捉え、冷えや血の不足、気の滞りといった“見えにくい不調”を整えていくことで、授かりやすい状態へ近づけていきます。
検査では異常がないのに妊娠しにくい原因

「異常なし」と言われても妊娠に至らないとき、そこには体質レベルのサインが隠れていることがあります。
からだが冷えている
手足が冷たい、下腹部が冷えている――
そんな自覚がある方は、からだの「冷え」が妊娠力に影響しているかもしれません。
東洋医学には、冷えが強いと血流が悪くなり、子宮の働きにも影響が出やすいという考えがあります。
さらに、妊娠に関わる大切なエネルギー源である「腎(じん)」のはたらきも、冷えによって弱まりやすいとされています。
「腎」とは、東洋医学で生命力やホルモンのはたらきを支える源のような存在。
成長・発育・生殖をつかさどり、妊娠するためのエネルギー(腎気)を蓄える役割があると考えられています。
「血」が足りていない・巡っていない
生理の量が少ない、顔色が青白い、疲れやすい――
こうした症状がある場合、「血(けつ)」の不足や巡りの悪さが考えられます。
東洋医学における「血」は、全身に栄養を届ける役割があります。
血が足りていなかったり、滞っていたりすると、子宮や卵巣などにも栄養が滞ることになり、妊娠につながりにくくなってしまうのです。
ストレスや生活リズムの乱れで「気」が滞っている
「毎日イライラしやすい」「気分が落ち込む」
こうした心身の不調は、「気(き)」の巡りの悪さによるものかもしれません。
東洋医学でいう「気」は、生命活動を支えるエネルギーのようなもの。
ストレスや過労、不規則な生活が続くと気が滞り、ホルモンバランスや自律神経の乱れにもつながります。
妊活中のストレスがそのまま体調不良にあらわれてしまうこともあり、心とからだの両面から整えることが大切です。
東洋医学では「妊娠しやすい体質」に整える
東洋医学の特徴は、「結果」ではなく「土台」にアプローチすること。
冷えや血流の悪さ、ストレスなど、からだの内側にあるバランスの乱れを整えることで、妊娠しやすい体質へ導きます。
「腎」を補うことが大切
妊娠に関わるエネルギーの源「腎(じん)」は、無理を重ねたり年齢を重ねたりすることで弱まりやすいとされています。
腎のはたらきを保つためには、まずはしっかりと休むこと。
バランスのいい食事と適度な運動も大切です。
また、冷えは腎を消耗させるため、下半身を温める工夫(腹巻き・湯たんぽなど)も妊活に役立ちます。
「血」を増やして子宮環境を整える
妊娠に必要な子宮環境を整えるためには、血を補うことが大切です。
まずは鉄分をしっかりと摂り、栄養をからだに満たすことが基本。
血流をよくするためには、軽いストレッチやウォーキングなど、リラックスしながら動ける運動も効果的です。
「気」の巡りをよくしてストレスを軽減
気は、からだ全体をめぐるエネルギーのような存在。
気の流れが滞ると、自律神経やホルモンバランスの乱れにつながるといわれています。
気を整えるには、まず「自分を追い詰めすぎないこと」が大切です。
妊活がプレッシャーになってしまっているときは、いったん立ち止まって深呼吸。
気持ちがほっとする時間(好きな音楽・アロマ・お茶の時間など)を毎日のなかに取り入れてみてください。
気の流れが整うことで、心にもからだにも余裕が生まれます。
ストレスに負けにくい状態をつくることが、妊娠しやすい体質への近道です。
妊娠しやすいからだに近づくための漢方薬
漢方薬は、その人の体質に合わせて使うことで、冷え・血の不足・ストレスといった妊娠の妨げとなる要因を根本から整えてくれます。
無理なく自然に妊娠しやすいからだの土台づくりをサポートしてくれるのが、漢方薬の魅力です。
代表的な処方をいくつかご紹介します。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷え性で疲れやすく、貧血傾向の人におすすめです。
血を補い、血の巡りをよくする働きがあります。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
ストレスやイライラ、不眠など、心身のバランスが乱れがちな人におすすめです。
気の巡りをよくして、血を産生したり血の巡りを整えたりします。
- 六君子湯(りっくんしとう)
胃腸が弱く、おなかが冷えやすい人におすすめです。
胃腸の働きをよくして、消化を助け、胃の排出機能を整えます。
漢方薬は、自分の体質に合ったものでなければ十分な効果が得られません。
だからこそ、専門家に相談しながら選ぶのが安心です。
オンラインで体質をチェックし、自分にぴったりの漢方薬を選んでもらえる「あんしん漢方」といったサービスを活用するのもひとつの方法です。
購入した漢方薬は自宅に届くため、忙しい方でも気軽に漢方薬を試すことができます。
体質改善のための一歩をぜひお試しください。
まとめ
「原因不明」といわれても、妊娠できない理由がないわけではありません。
東洋医学では、冷え・血の不足・気の滞り・腎の弱りなど、“見えにくい不調”が妊娠のしにくさにつながっていると考えます。
だからこそ、からだ全体を整えるという視点がとても大切です。
心とからだをいたわりながら、少しずつ授かりやすい体質へと近づけていきましょう。
不安や焦りを抱えすぎず、あなたらしいペースで妊活を続けていけますように。
<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師|中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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