飲むたびに後悔していませんか?「肝」にやさしい漢方的アプローチ

「楽しく飲んだはずなのに、翌日ぐったり……」そんな経験はありませんか?

年末年始や歓送迎会など、お酒の機会が増える時期は、つい飲みすぎてしまうこともあります。

もし、あとから疲れや不調があらわれて続くようなら、それはからだからの「SOS」かもしれません。

今回は、お酒とからだの関係、肝臓をいたわる生活習慣、そして漢方的なセルフケアについてご紹介します。

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アルコールのからだへの影響

お酒はほどほどに楽しめば心をほぐしてくれる存在ですが、飲みすぎるとさまざまな不調を引き起こします。

肝臓への負担

アルコールを分解する主な働きを担っているのが「肝臓」です。

体内に入ったアルコールは、まず肝臓でアセトアルデヒドという物質に変換され、さらに分解されて水や二酸化炭素として排出されます。

しかし、一度に多くのお酒を飲むと肝臓の処理能力を超えてしまい、アセトアルデヒドが体内に残ることに。

この物質は毒性が強く、頭痛・吐き気などを引き起こします。

また、肝臓はアルコールの処理だけでなく、栄養の代謝・解毒・胆汁の生成など多くの役割を担っているため、負担がかかると全身の不調にもつながっていきます。

からだ全体のバランスの乱れ

肝臓が疲れると、他の臓器にも影響が広がります。

たとえば、アルコールの利尿作用で水分やミネラルが失われると、脱水状態になり頭痛やのどの渇きにつながります。

さらに、アルコールは睡眠の質を下げるため「寝たのに疲れがとれない」「昼間ぼーっとする」といった状態になるのです。

お酒を飲んだ翌日に“後悔”を感じるのは、こうしたからだのバランスの乱れが影響しています。

肝臓をいたわる生活習慣とは?

飲酒によるダメージを減らすには、日ごろの習慣を少し見直すことが効果的です。

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飲酒量と頻度を見直す

まずは「飲みすぎない」ことが基本です。

次に大切なのは「どれだけ飲むか」よりも「どう飲むか」。

空腹で飲まず、必ず食事と一緒に摂るようにしましょう。

週に2日は「休肝日」をつくるのもおすすめです。

肝臓がしっかり回復する時間を確保することで、疲れにくくなります。

また、おつまみは脂っこいものよりも、豆腐や枝豆、お刺身などからだにやさしいものを選ぶと、アルコールの負担がやわらぎます。

睡眠とリラックス時間を大切にする

肝臓の回復には「睡眠の質」も大きく関わっています。

東洋医学では、深夜1時〜深夜3時の間は「肝の時間」とされ、この時間にしっかり眠れているかが回復力を左右します。

また、ストレスも肝の働きを乱す要因とされています。

深呼吸をする・ぬるめのお風呂に入る・音楽を聴くなど、自分なりのリラックス法を見つけて、心とからだの緊張をほぐしておきましょう。

肝を整える漢方的アプローチ

お酒の影響を受けた「肝」の疲れをやさしくケアしたいときは、漢方の考え方が役立ちます。

肝の巡りを整える漢方薬

東洋医学における「肝」は、気や血の流れ、感情の調整にも関わる存在です。

肝がうまく働かないと、「イライラする」「気持ちが不安定」「目が痛む」といった症状が出ることもあります。

そんなときは、「肝の働きを整える」漢方薬を使うと、内側からバランスを取り戻すサポートができます。

使われることのある漢方薬

お酒による不調が気になるときに、使われることの多い漢方薬には以下のようなものがあります。

  • 五苓散(ごれいさん)

水分代謝や水の偏りを整え、からだにたまった水分を排出する漢方薬です。

二日酔いの頭痛や吐き気、めまい、悪心、下痢などの症状に用いられます。

  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

からだにこもった熱を冷ますことで、炎症や出血を抑える漢方薬です。

のぼせ、心悸亢進、胃炎、悪心・嘔吐、頭痛など二日酔いの症状に用いられます。

これらは一例で、体質や不調の状態によって選ぶ薬は変わります。

自分に合った漢方薬を選ぶには

漢方薬は、「自分の体質に合ったものを選ぶこと」が大切です。

同じ症状でも、原因やからだの状態によって合う薬が異なるため、自己判断で選ぶより、専門家に相談するのがおすすめです。

最近では、スマホで簡単に体質チェックや相談ができるオンライン漢方サービスも登場しています。

たとえば「あんしん漢方」では、いくつかの質問に答えるだけで、専門家があなたに合った処方を提案し、自宅に郵送してくれる仕組みになっています。

通院が難しい方や、はじめての漢方薬に不安がある方にも、利用しやすいサービスです。

まとめ

お酒は、楽しい時間を演出してくれるものですが、飲み方を誤るとからだに負担をかけてしまいます。

とくに「最近お酒がからだに残りやすい」「気分が不安定になる」などの変化を感じたら、肝が疲れているサインかもしれません。

そんなときは、飲酒量や頻度を見直し、からだをいたわる生活を心がけましょう。

さらに、漢方薬の力を借りて「肝」の巡りを整えることで、からだの内側から元気を取り戻すことができます。

お酒を“後悔”にしないために、今できることから始めてみませんか?

からだの声に耳を傾け、自分らしく元気に過ごすためのセルフケアを、ぜひ日々の生活に取り入れてみてください。

この記事の監修者

あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

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