娘の夢を、どうしても叶えてあげたかった…難病によって最愛の娘を失った夫婦が、遠く離れたイギリスから東京ディズニーランドを訪れました。
今回は、ディズニーランドにまつわる心温まるエピソードをご紹介します。
ディズニーランドに行きたい…少女が抱いた小さな夢
イギリスで暮らしていたシエナさんとレオさん夫妻には、オリビアちゃんという大切な娘がいました。
ある日、家族でテレビを見ていたオリビアちゃんが、突然こんなお願いをしたそうです。
「パパ、ママ、東京ディズニーランドのお子様ランチが食べたい!」
テレビに映った色鮮やかなお子様ランチに、すっかり心を奪われたオリビアちゃん、しかしイギリスから日本までは長い道のりです。
両親は娘の願いを聞きながらも、いつか別のことに興味が移るだろうと考えていましたが、そのささやかな願いを叶える機会は、突然奪われてしまいます。
ある日、オリビアちゃんが目の異常を訴え、病院で検査を受けると、診断された病名は「小児脳幹部グリオーマ」、脳幹部に発生する腫瘍で、種類によっては治療が極めて難しい病気です。
懸命な治療が続けられましたが、病状は次第に悪化、オリビアちゃんは、ほとんどの時間を病院のベッドで過ごすようになりました。
そして、家族にとって忘れられない日が訪れます。
オリビアちゃんは両親への感謝を伝え、「最後にあのときに見た東京ディズニーランドのお子様ランチをパパとママと一緒に食べたかったなぁ…」という思いを口にしました。
その願いが叶うことはなく、少女は静かに息を引き取りました。
今からでも遅くない、娘の夢を叶えるため日本へ
娘を亡くした悲しみは、簡単に癒えるものではありません。
シエナさんとレオさんの心には、オリビアちゃんをディズニーランドに連れて行ってあげられなかった後悔が残りました。
そんなある日、レオさんが妻に提案します。
「オリビアの夢を叶えるのは今からだって遅くないよ、一緒に東京ディズニーランドに行かないか?」
そう考えた夫婦は、日本へ向かうことを決意しました。
14時間以上の長旅を経て、ようやく東京ディズニーランドに到着、2人が真っ先に向かったのは、娘が憧れていたお子様ランチのあるレストランでした。
レストランの前に立つと、言葉にできない感情が込み上げてきます。
すると、レオさんが「今、きっとオリビアも一緒にいるはずだよ。さぁ、お子様ランチを食べに行こう」、レストランに入ると、シエナさんとレオさんは二名がけのテーブルに案内され、着席してすぐにメニューをオーダーしました。
「お子様ランチを2つお願いします」
大人2人によるお子様ランチの注文に、キャストは一瞬戸惑いながらも、すぐに笑顔で言いました。
「お客様、失礼いたします。お子様ランチでは、お客様には少し物足りないようです。よろしければ通常のランチはいかがでしょうか?」
通常のランチを勧められたシエナさんは、込み上げる涙を抑えられません。
不思議に思ったキャストが事情を尋ねると、レオさんは娘のことを話し始めました。
娘が東京ディズニーランドのお子様ランチに憧れていたこと、難病によって、その夢を叶えられないまま亡くなってしまったこと、せめて娘との約束を果たしたくてイギリスから日本へ来たこと、夫婦の話を静かに聞いていたキャストは、思いがけない行動に出ます。
すると、レストランのキャストは笑顔で「かしこまりました。それではこちらの席にご移動願います。」
案内されたのは、家族向けの広いテーブル席、さらにキャストは、夫婦の間に小さな子ども用の椅子を用意したのです。
そして、娘の名前を尋ねると、「オリビアちゃん、どうぞこちらに座ってくださいね」と、優しく席へ招きました。
夫婦は持参した娘の写真を椅子に置きました。
しばらくすると、テーブルに料理が運ばれてきました。
ところが、そこに並べられたのは、注文した2人分ではなく、3人分のお子様ランチ、シエナさんとレオさんの前にそれぞれ1つ、そしてもう1つはオリビアちゃんの写真が置かれた席の前に…「これはディズニーランドからのサービスです」、ご家族3人で楽しい時間をお過ごしくださいと言って、戻っていきました。
このエピソードは、どんなに辛い状況でも人々の優しさが心を救ってくれることを教えてくれます。
夢の国を本当に特別な場所にしているのは、豪華なアトラクションだけではなく、そこにいる人たちの温かな心なのかもしれません。
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)