社会では多くの子どもたちが、大人と一緒に過ごしています。
大人であるあなたは、自分もかつて子どもだったはずなのに、なぜか「子どもとの関わり方がわからなくなってしまった」という経験はありませんか?
この記事では、子どもとの関わりを求める時に必要な、「子どもとの信頼関係の築き方」についてご紹介していこうと思います。
親密な対人関係とそうではない関係の違いって?
まず、家族、友達、恋人など、親密な他者との関わりを思い出してください。
会社の特に関わりがない人などと比較して、親密な他者は、自分にとって大きな影響を持ちますよね。
そういった対人関係の中で私たちが示す行動は、一般的な交流で示す行動とは違うと言われています。
社会心理学を研究しているクラーク.Sとミルズ.Jは、その違いをこのように指摘しています。
- 親密ではない対人関係では、交換的関係の規範が優勢となる。
- 親密な人間関係では、共同的関係としての規範が優勢となる。
交換的関係、共同的関係については、次の章でご説明します。
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「交換的関係」と「共同的関係」
「交換的関係」とは、過去に相手から受けた利益への見返りとして、あるいは今後の見返りの期待のもとに、相手に対して利益を提供するような関係のことをいいます。
例えば、お誕生日のプレゼントを贈る時に、「自分が以前もらったから、お返しの意味を込めて渡そう」といったようなことを指します。
簡略的な表現をすると、相互利益を優先する関係です。
一方、「共同的関係」とは、同じお誕生日プレゼントを贈る場面でも、自分への見返りではなく相手の欲求や関心に応えよう、相手に利益を提供しようとする関係のことをいいます。
つまり、「相手が好きそうなものを、自分がプレゼントしたい・祝いたいから渡す」というようなことです。
相手の満足感や幸福を優先する関係、と言っていいでしょう。
子どもとの「共感的関係」をどう構築する?
さて、この「交換的関係」と「共同的関係」が、子どもとうまく関わることにどう関わってくるのでしょうか?
「交換的関係」は、言い方を変えると「利益がないと関係が続かない」といった関係です。
一方で「共同的関係」は、「相手の幸せを願う関係」であると言えます。
出会ったばかりの時は、子どもと仲良くなるための道具があっても良いでしょう。
例えば、興味を惹くお菓子やおもちゃなど、「子ども自身が好きなもの」です。
しかし、大人がこれを常に与えるだけの役割となってしまうと、子どもの中で「ただお菓子(利益)をくれる人」といった認識となってしまいます。
なので、持続的で親密な関係を築きたければ、「あなたがこのお菓子好きだと思ったから買ってきたよ。食べる?」という言い方をすると良いでしょう。
利害の関係ではなく、「喜んでくれると思ったから」という気持ちを言語化することにより、「共同的関係」となれるということですね。
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対人関係で大切な「類似性」と「近接性」とは?
対人関係が、大きくは「交換的関係」と「共同的関係」の2つに分かれることをご説明しました。
では、それらの対人関係の中で、強く影響する要因には何があるでしょう?
対人関係に影響する要因としては、自分と他者との「類似性」と「近接性」が挙げられます。
「類似性」とは、分かりやすく言うと「好きなものが似ている」というようなことです。
実際に似ていなくても、「似ている」と感じることもあるでしょう。
そして「近接性」とは、「物理的に距離が近いこと」を指します。
これは、実際に関わる場面や会う回数が多いことなどが言われています。
関連記事│心理学的側面から見た子育てにおける「共感」の重要さとは?│マタイク
子どもと良い関係を形成するには?
子どもへの接し方が分からない場合、対象となる子どもとの「類似性」「接近性」を意識してみると、解決策が見つかりやすくなります。
「類似性」から言うと、子どもの好きなものに対して「興味を示すこと」が有効であるとされています。
興味を示される子どもからすると、「自分が好きなものに興味を持ってくれて嬉しい!」と感じ、「自分が好きなものをこの人は好きなんだ!」と思えますよね。
また、「近接性」からいうと、「一緒に遊ぶ機会を増やす」ということなどが挙げられます。
子どもが興味を示す遊びに共感し、一緒に遊んで楽しい経験を重ねることで、信頼関係を築くことも期待できます。
子どもとの信頼関係を築くには、少々時間がかかっても、「類似性」と「近接性」を高める行動をとる方がきっと早道になるでしょう。
まとめ
以上、心理学的側面から、子どもと良い関係を築く方法についてご紹介しました。
これは子どもとの関わりだけでなく、普段の対人関係にも応用できることです。
職場や友人などの対人関係を改善したい際に、ぜひ意識してみてくださいね!
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