「アイデンティティ」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、「自分とは何者か」や「どう生きていくか(いるか)」を示す言葉です。
「自我同一性」とも言われる心理学の概念で、エリクソンという学者が提唱しました。
今回はこの「アイデンティティ」に注目して、思春期の子どもとの関わり方について考えてみたいと思います。
心理学で言う「アイデンティティ」とは?
冒頭で紹介した「自我同一性」は、エリク・H・エリクソン(1902-1994、アメリカ)という発達心理学者が提唱した概念です。
一般的には
- 自分は自分であると自覚すること
- 連続性のある自己認識を維持すること
- 自分の価値を認められること
といったふうに理解され、確立した「アイデンティティ」こそ不変の自己認識ととらえられています。
が、実は「アイデンティティ」という言葉、そして自己と自己に関する概念そのものは、心理学のあらゆる領域で用いられ、扱われる現象も広範囲に渡ります。
またエリクソン自身も、アイデンティティの流動性と多角性を認めていたと言われています。
つまり、心理学の中でも幅広い概念が存在するのが「アイデンティティ」。
学者によって「自分とは何か」という捉え方が違うから、心理学上の幅広い解釈があるともいえますね。
幼い頃に、周りにいる大人たちがたくさん遊んでくれた記憶や、見守ってくれていたという経験がありますか? 「たくさんある!」という方は、大人との親密な絆を築ける良い環境にいた、と言えます。 この記事では、周りの人々が子どもへ与える影[…]
アイデンティティの発達
「アイデンティティ」の発達は、幼児期から老年期まで生涯に渡り行われます。
思春期、大学生時代、養育者となった時など、それぞれの時期の社会での関わりなどによって変わってくるのです。
例えば、大学生の期間は「モラトリアム(猶予)」であると言われています。
これは責務の支払いを猶予するという意味の経済学用語から、エリクソンにより使われるようになった言葉です。
大学時代こそ、まさにアイデンティティの模索を行っている最中で、その達成を遅らせることが許され、社会的責任や義務が猶予されている状態。
特に「青年期」のことを示し、社会に出ることでその猶予期間が終わるのです。
もちろん、「アイデンティティ」が大学卒業と同時に確立する、というわけではありません。
ただ、生涯に渡る「アイデンティティ」の発達の中で、最初におとずれる混乱の時期が「青年期」なら、とても重要な時期と言えるでしょう。
子どもの頃、勉強は好きでしたか? 「大好きだった」という人もいれば、「勉強も授業も大嫌いだった」という人もいるでしょう。 この記事では、教育心理学的側面から見た、子どもが勉強嫌いにならないためのアプローチについて紹介します。 […]
思春期のアイデンティティと教育
「青年期」に先立つ「思春期」は、自立したいという気持ちや、「自分がこうありたい」という考えが強く芽生え出す時期です。
ちなみに、エリクソンの考えた8つの発達段階では、思春期は12歳~18歳を指しています。
この時に、大人が子どもに対して、「あなたはこうあるべきだ」と押し付けることは良いとされていません。
例として、「勉強しなさい」「するべきだ」と言いすぎるとどうなるでしょう?
押し付けに対して嫌だなと思ったことから、「勉強をしたくない」と感じ、「勉強はしない」という選択に至る可能性があるのです。
「思春期」には、もちろん学校での勉強は推奨すべきです。
ただ、「学校でなんとなくやる勉強」よりも、もっと興味に基づいた「自分が好きだと思う学問を探すための勉強」をしてもいいかもしれません。
子どもに対しては、「将来自分が学びたいと思う学問を、スムーズに学べるように今勉強しているのだよ」ということを伝えられると良いでしょう。
まとめ
提唱した学者によって意見もさまざまな「アイデンティティ」。
子ども時代はもちろん、大人になってからも発達するため、誰にもに関係があるトピックですよね。
アイデンティティ形成過程の子どもと関わる際は、圧力をかけるのではなく、子どもたちがどうすれば楽しく生きていけるかを一緒に考えることが重要です。
親子でたくさんの会話をして、お子さんの思春期をより良く過ごせますように。
マタイク編集部【厳選】おすすめ記事
⇒【知育玩具】幼児用かるたが人気沸騰!口コミでおすすめのかるた10選!
⇒渡辺直美さんおすすめで大反響!「ナイトキャップ」で翌朝のお手入れが楽チンに♪
マタイク編集部【女性・ママへ】おすすめ記事
⇒オールインシャンプー「haru」は女性に優しくツヤ髪に!白髪や抜け毛の効果は?口コミは?