私たちの歴史は、小さなミスや誤解が大きな影響を及ぼすことがあることがあります。
そこで、凡ミスが大惨事を引き起こした世界の事件を3つ紹介します。
凡ミス起こした世界の大惨事事件
サラエボ事件
1914年6月28日、サラエボの街は歴史的な一日を迎えました。
オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子フランツ・フェルディナントとその妻ゾフィーが公式訪問のためにこの街を訪れていました。
しかし、彼らの訪問は、セルビアの独立を求めるナショナリストたちの目には、挑発と映った。
その日の午前中、一連の暗殺者が皇太子の車列に向かって手榴弾を投げましたが、目標を外れ、多数の市民が負傷しました。
フェルディナントは事件後、病院を訪れることを決意しました。
しかし、運命的なミスが発生しました。
運転手が誤って間違った道を選び、車はガヴリロ・プリンツィプという19歳のセルビア人青年の前に停まりました。
プリンツィプは即座に銃を取り出し、皇太子とゾフィーを射殺しました。
この暗殺は、ヨーロッパ全土に衝撃を与えました。
オーストリア=ハンガリー帝国はセルビアに宣戦布告し、これが第一次世界大戦の火蓋を切ったのです。
サラエボ事件は、小さな火花がどれほどの大惨事を引き起こすかを示す歴史的な瞬間として、今日まで語り継がれています。
ニューヨークの大停電
1977年7月13日、ニューヨーク市は歴史的な大停電に見舞われました。
この停電は、雷による初期のトラブルが引き金となりましたが、実際の大規模な停電の原因はヒューマンエラーにありました。
雷の影響で一部の電力供給が断たれた際、バックアップシステムを起動するための手順が存在していました。
しかし、施設職員がこの手順の中で、スイッチを押す順番を間違えるという致命的なミスを犯しました。
このヒューマンエラーが、ニューヨーク市全体の電力供給を停止させる大惨事を引き起こすこととなりました。
停電が始まると、市のあらゆる部分で混乱が生じました。
地下鉄や信号機が停止し、市民の生活は一変しました。
しかし、最も深刻だったのは、犯罪の急増でした。
暗闇を利用して、略奪、放火、暴動が発生し、多くの商店は窓ガラスを割られ、商品が盗まれ、火事で全焼するなどの被害を受けました。
この約10時間の停電の間に、被害総額は驚異の330億円に達しました。
警察や消防署は、異常な状況に迅速に対応しようとしましたが、その規模と速度には手をこまねいてしまいました。
一晩で4,000人以上の逮捕者が出るなど、市の治安は一時的に崩壊状態となりました。
この1977年の大停電は、技術的な問題や自然災害だけでなく、ヒューマンエラーがもたらす深刻な影響を示す事例として、今日まで多くの人々に語り継がれています。
この事件は、都市の脆弱性や、人間のミスの重大性、そして社会の不安定さを如実に示しています。
ジェイコム株大量誤発注事件
2005年12月8日、日本の金融界は前代未聞の大事件に見舞われました。
その舞台となったのは、アウトソーシング会社「ジェイコム」の株式取引でした。
この日、みずほ証券はジェイコムの株を61万株、1円で売るという注文を東京証券取引所に出しました。
しかし、実際の意図は「1株を61万円で売る」であったため、この注文は明らかな誤発注であることがすぐに明らかとなりました。
しかし、この誤発注を取り消すことができず、結果としてみずほ証券は407億円の損失を被ることとなりました。
この事件の背後には、取引システムの入力ミスが原因として浮上しました。
通常、このような明らかな誤発注は、取引システムが自動的に検出して防ぐはずでしたが、この日はそれが機能しなかったのです。
この事件は、日本の金融界に大きな衝撃を与えました。
多くの投資家や市場関係者が、システムの信頼性や、取引所の対応能力に疑問を持つようになりました。
また、この事件は、ヒューマンエラーがもたらす深刻な結果を示す事例として、今日まで語り継がれています。
みずほ証券は、この事件を受けて内部のシステムや手順の見直しを行い、再発防止策を講じました。
しかし、この事件は、技術の進化とともに増大するリスクや、人間のミスの重大性を改めて浮き彫りにしたものであり、金融業界全体にとって大きな教訓となりました。
まとめ
これらの事件は、小さなミスや誤解が大きな影響を及ぼすことがあることを示しています。
私たちが学ぶべき教訓は、注意深く行動し、常に最善の判断を下すことの重要性です。
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