5月10日放送第30話、NHK連続テレビ小説「虎に翼」で猪爪寅子(伊藤沙莉)が放った演説に、多くの視聴者が心を揺さぶられました。
彼女の演説は、ドラマの一コマに留まらず、今も変わらない社会の実情を如実に浮き彫りにしているのではないでしょうか。
寅子の心揺さぶる演説
猪爪寅子の演説シーンは、ドラマのクライマックス以上のものでした。
彼女が口にした「私たち怒っています。法改正が進んでも、結局、女性は不利なまま」という言葉には、ただならぬ重みがあります。
ドラマの中で寅子が直面する困難は、視聴者にとっても遠くない話。
特に女性視聴者なら、「ああ、わかるな」と感じる瞬間が多いはずです。
例えば、同じ試験を受け、同じ努力をしても、性別で評価が変わるという現実。
これは劇中の演説で寅子が熱く語った点であり、多くの女性が共感する部分でもあります。
また、寅子の演説が社会に投げかける問いは大きいです。
「 以下、ネタバレ 」
「昔から私は自信過剰、負けず嫌い、一言多いと言われてきましたが…。この場に私が立っているのは、私が死ぬほど努力を重ねたから。でも、高等試験に合格しただけで、自分が女性の中で一番なんて、口が裂けても言えません。志半ばで諦めた友、そもそも学ぶことができなかった、その選択肢があることすら知らなかったご婦人方がいることを、私は知っているのですから。でも今、合格してからずっとモヤモヤとしていたものの答えが分かりました」
「私たち凄く怒っているんです。ですよね。法改正がなされても、結局、女は不利なまま。女は弁護士にはなれても、裁判官や検事にはなれない。男性と同じ試験を受けているのにですよ。女ってだけで、できないことばっかり。ま、そもそもがおかしいんですよ。元々の法律が、私たちを虐げているのですから。生い立ちや、信念や、格好で切り捨てられたりしない、男か女かでふるいにかけられない社会になることを、私は心から願います。いや、みんなでしませんか?しましょうよ。私はそんな社会で、何かの一番になりたい。そのために、良き弁護士になるよう、尽力します。困っている方を救い続けます。男女関係なく!」
彼女が述べるように、「男か女かでふるいにかけられない社会」を目指すことは、単なる公平を求めること以上の意味を持ちます。
それは、個々の能力を正当に評価し、それぞれが持つ可能性を最大限に引き出すことではないでしょうか。
SNSの声
私がとある面接にパンツスーツで行こうとして、周りに心配されたのは2000年代のことでした。
よねさんの時代だけじゃないんだぜ。— Annattui (/・ω・)/ (@annattui) May 10, 2024
今朝の寅ちゃんの祝賀会での怒りや言葉は、わたしの怒りであり言葉だった。大泣きした。真っ当な主張をしても、私が女性であるだけで下に見られ、バカにされる。同じ言葉を言ったのが男なら受け入れたんだろうと何度悔しい思いをしたか。いい加減変われ、社会。#虎に翼
— 𝓡𝓨𝓞𝓚𝓞 𓅪 (@ecrindesimone) May 10, 2024
まとめ
時代背景と現在を比較することで、私たちは進んだと思われる多くの側面が、実はそれほど変わっていないことに気付かされます。
社会全体として、性別に関わらずすべての人が平等に扱われ、それぞれの能力を最大限に発揮できる環境を作ることが、私たちの目指すべき目標ではないでしょうか。
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