登山者たちが恐れる「クレバス」。
巨大な氷の裂け目に落ちると、一体どうなってしまうのでしょうか？
今回は、氷の壁に挟まれたあなたの運命について、詳しくお話しします。
クレバスに落ちたら…？
エベレスト登山の難所とされる「クンブ・アイスフォール」。
氷河が日々変化するこの場所は、熟練のシェルパでも気を抜けない危険地帯です。
特に、氷河にできる巨大なヒビ「クレバス」は、見えないトラップとなり多くの命を奪っています。
クレバスに落ちると
氷河の流れや地形の影響で形成されるクレバスは、深さ数十メートルから数百メートルにも及ぶことがあります。
表面が雪で覆われているため、踏み抜くまで気づかないことも多いです。
もしもあなたがクレバスに落ちたら、どうなるのでしょうか？
落下の瞬間とその後
クレバスの大きさは大小様々ですが、深さ50m、長さ数kmにもなることがあります。
さらに、穴がほぼ垂直に空いていることがほとんどです。
氷の壁にぶつかりながら、あっという間に深みに吸い込まれていきます。
生還できるかどうかは、まず落下により即死しないかどうか、という運次第にもなります。
クレパスの幅が狭く、運よく途中で落下が止まったり、クレバスの中に積もった雪がクッションの役割りを果たしたことで、運良く生き延びたケースもあります。
アメリカでは過去72年間で65名がクレバスに落ち、そのうち34名が命を落としています。
運よく生き延びた場合でも、クレバスの中で動けないことが多いです。
脱臼や骨折、すり傷や切り傷は避けられません。
また、氷の冷たさが体温を奪い「低体温症」になるリスクが高まります。
救助が来るまでの時間との戦いが始まります。
救助の難しさ
クレバスからの救助は困難を極めます。
深さや幅、地形によっては救助隊が到達するまでに数時間から数十時間かかることも。
低体温症にかかる前に、自力で脱出するか、救助隊が迅速に駆けつけるか、運に任せるしかありません。
クレバスに落ちた後の遺体
もしもクレバス内で命を落とした場合、遺体はほとんど腐敗しないまま氷河と共にゆっくりと移動します。
実際に、1981年にクレバスに落下した女性の遺体が、42年後に発見された事例があります。
その遺体は、ほぼ生前のままの姿で発見されました。
まとめ
クレバスに落ちると、激しい衝撃と冷たい氷の中での生死を彷徨うことになります。
生還する確率は低く、救助が来るまでの間、極度の冷えと怪我に耐えなければなりません。
登山を楽しむためには、クレバスの危険性を理解し、事前の訓練と準備が不可欠です。
次に山に登るときは、この恐ろしい現実を心に留めて、安全第一で挑んでくださいね。
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