恐ろしい禁足地、これらの場所には、ただの観光では味わえない独特の歴史と背景があります。
今回は、その魅力と恐怖、立ち入りが禁止されている理由を紹介します。
毛無峠
毛無峠は、長野県と群馬県の県境に位置する峠で、その荒涼とした風景から「毛無」という名前が付けられました。
この峠は、特に群馬県側が立ち入り禁止となっており、その理由は非常に現実的で危険です。
かつて、この地には小串鉱山という硫黄鉱山が存在していました。
鉱山の最盛期には多くの人々が住んでいましたが、硫黄の採掘と精錬過程で有毒ガスが発生し、周囲の木々は枯れ果ててしまいました。
このため、毛無峠はその名の通り、木々のない荒れた風景が広がっています。
さらに、1937年には大規模な地滑りと火災が発生し、貯蔵していた火薬が爆発する大惨事となりました。
この事故を機に鉱山は閉山となり、以来、この地は有毒ガスが発生し続ける危険な場所となります。
そのため、群馬県側の毛無峠は立ち入りが禁止されています。
しかし、この立ち入り禁止区域には、看板だけのため、入り込もうとする人もいます。
実際ネット上には、毛無峠の立ち入り禁止区域に入り遭難した人の遭難記が残されています。
立ち入り禁止区域に入ることは非常に危険であり、最悪の場合命を落とす可能性もあります。
毛無峠は、その荒涼とした風景と絶景が魅力である一方で、その背後に隠された危険と歴史を理解し、決して立ち入り禁止区域に足を踏み入れないようにしましょう。
※自転車キャンプツーリング 毛無峠と小串鉱山遭難記
八雲山
島根県出雲市の出雲大社の背後にそびえる八雲山。
この山は、一般の参拝者はもちろん、神職ですら立ち入ることが許されていない神聖な場所です。
出雲大社は日本一の縁結び神社として有名ですが、その御神体とされる八雲山は、特別な意味を持っています。
八雲山の麓に位置する素鵞社(そがのやしろ)は、ヤマタノオロチ討伐で知られるスサノオノミコトを祀っています。
この社の背後に佇む八雲山は、古来より磐座(いわくら)として神聖視されてきました。
磐座とは、神が降臨する場所とされる岩のことを指し、八雲山の岩肌がその役割を果たしていると考えられています。
また、八雲山はスサノオノミコトが大国主命に「宇迦の山の麓に宮殿を作って住め」と言った伝承もあり、宇迦の山とは現在の八雲山を含む山脈一帯を指すとされています。
このように、八雲山は出雲大社の歴史と神話に深く根付いているのです。
八雲山への立ち入りが厳しく制限されている理由は、神聖な御神体であることに起因しています。
古くからの信仰と伝統を守るため、また神罰を避けるためにも、一般の人々が近づくことは厳禁とされています。
出雲大社を訪れる際には、この山に対する敬意を忘れず、遠くからその神聖なパワーを感じ取るようにしましょう。
まとめ
これらの場所には、深い歴史と独特の背景があり、その理由を知ることで、さらに興味が湧いてくることでしょう。
しかし、いくら興味が湧いても、立ち入り禁止の理由を理解し、決して立ち入らないことが大切です。
自然の力や歴史的背景を尊重し、安全に楽しむことを心掛けましょう。
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