世界には、入ることが禁じられている危険な島がいくつか存在します。
単なる観光禁止ではなく、そこに入れば本当に「命の保証がない」と言われる場所です。
その背景には、恐ろしい自然環境や人間が残した負の遺産が関係しています。
今回は、そんな危険な島として知られる2つの島を紹介します。
ケイマーダ・グランデ島 – 世界一危険な蛇の島
ケイマーダ・グランデ島は、ブラジルのサンパウロ州の沖合約35kmに位置する小さな島です。
面積はわずか0.43平方キロメートル(東京ドーム約9個分)で、鬱蒼とした森林が広がる無人島。
この島は別名「スネークアイランド」として知られ、その名前通り、危険な毒蛇が島中に生息しています。
なぜ危険なのか?
ケイマーダ・グランデ島は「世界一危険な島」として知られています。
その理由は、この島に生息する「ゴールデン・ランスヘッド・バイパー」という猛毒を持つ蛇の存在です。
この蛇の毒は非常に強力で、人間に噛みつけば短時間で死亡する可能性があります。
島の面積はわずか0.43平方キロメートルにも関わらず、1平方メートルあたり1~5匹の蛇がいると言われています。
入るとどうなるのか?
万が一島に足を踏み入れると、猛毒の蛇たちがすぐさま命を脅かします。
さらに、島には病院や救助設備がなく、ブラジル政府が一般市民の立ち入りを禁止しているため、命を落とす危険性は非常に高いです。
歴史的背景
約11,000年前、海面上昇によってこの島が本土から分離されました。
その結果、島の動植物は孤立した環境で独自の進化を遂げました。
捕食者のいない環境で繁殖したゴールデン・ランスヘッド・バイパーは、鳥を効率的に仕留めるため毒性を高めたのです。
一方で、この島には灯台が建てられていた時期もありましたが、蛇による被害が多発し、最終的には無人化されました。
ヴォズロジデニヤ島 – 生物兵器の負の遺産
ヴォズロジデニヤ島は、かつて中央アジアのカザフスタンとウズベキスタンの間に広がるアラル海の中央に浮かぶ島でした。
現在では、アラル海の干上がりによって本土と陸続きになっています。
この島は約200平方キロメートルと比較的大きな面積を持ち、ソ連時代には秘密の生物兵器研究施設が設置されていました。
現在では無人島となっており、廃墟と化した施設が残されています。
なぜ危険なのか?
ヴォズロジデニヤ島は、かつてソ連が生物兵器の研究・実験に使用していた場所です。
この島には、炭疽菌や天然痘などの極めて危険な病原体が放置されており、現在でもその痕跡が残っています。
特に炭疽菌の胞子は非常に耐久性が高く、数十年経った今でも生存している可能性が高いとされています。
入るとどうなるのか?
島に足を踏み入れた場合、残留している炭疽菌や他の病原体に曝露されるリスクがあります。
防護なしで接触すれば、感染症にかかる可能性が非常に高く、場合によっては致命的です。
また、島内には化学実験で使用された機器や汚染された廃棄物も残されており、それらも危険を増幅しています。
歴史的背景
1948年から1991年までの冷戦時代、ソ連はこの島を極秘の生物兵器研究施設として利用していました。
研究には動物や菌株が使用され、大規模な実験が行われました。
しかし、ソ連崩壊後、施設は放棄され、炭疽菌を含む廃棄物がそのまま島の地下に埋められました。
一部は除染作業が行われましたが、完全に安全な状態には至っていません。
さらに、アラル海の干上がりにより、島が本土と陸続きになり、危険性が拡大しています。
まとめ
ケイマーダ・グランデ島とヴォズロジデニヤ島は、それぞれ自然と人間の歴史が作り出した危険な島です。
これらの島が私たちに教えてくれるのは、自然や科学技術の力がいかに恐ろしい結果をもたらすかということです。
これらの島に足を踏み入れることは命に関わりますが、その背景には興味深い歴史や教訓が隠されています。
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)