ケニア北部に位置し、女性が自立し、協力しながら生きるための地「ウモジャ村」。
男性中心の社会における性別の壁を乗り越えるための活動は、現在の世界にとっても大切な存在です。
今回は、そんな「ウモジャ村」の背景とその意義について 紹介します。
ウモジャ村の設立の背景
ウモジャ村は1990年に設立されました。
この村は、男性からの暴力や抗うすべがない性的な抵抗から逃げるために、サンブル族の女性たちが協力して設立したものです。
設立者であるレベッカ・ロロスリさんは、家庭内暴力や強制結婚といった、久しくつづいてきたケニアの問題に突入したいとの思いから、男性を排除した安全な環境を構築しました。
この村の主な大規模な問題は、以下のようなものに基づきます。
- 性的な暴力や抵抗
- 少女期の強制結婚
- 女性器切除(FGM)の慣習
このような問題は、サンブル族の文化に根ざしており、これを変えるために新たな試みが必要とされました。
経済活動と自立
ウモジャ村の女性たちは、自立した生活を続けるためにさまざまな経済活動を行っています。
主な収入源は次の通りです。
- ビーズアクセサリーの製作と販売
サンブル族の伝統に根ざしたデザインは観光客や市場で人気があり、村の収入源となっています。 - 観光業
ウモジャ村を訪れる観光客に、サンブル族の文化や歴史を紹介するガイドツアーを提供しています。 - 農業や家畜の飼育
小規模ながらも村の食料や収入源として役立っています。
これらの活動を通じて得られる収益は、子どもたちの教育や村の運営に使われています。
特に、女性や女の子が教育を受けられる環境を整えることが重要視されています。
ウモジャ村の意義
ウモジャ村は、女性の権利と自立を象徴する場所として国際的に注目されています。
- 女性の権利の保護
男性中心の社会における不平等に対抗し、女性が自らの生活をコントロールできる環境を提供しています。 - ジェンダー平等の象徴
ウモジャ村の成功は、他の地域でも女性の自立を促進するモデルケースとして評価されています。 - 文化と伝統の保護
サンブル族の文化や伝統を尊重しながらも、女性の権利を脅かす慣習に対しては変革を推進しています。
現在の課題と未来への展望
ウモジャ村は多くの成功を収めてきましたが、課題も残っています。
- 経済基盤の安定
収入源を多様化し、持続可能な運営体制を築く必要があります。 - 外部からの圧力
一部の男性たちからの妨害や偏見が報告されており、これらに対処する取り組みが求められています。
未来に向けて、ウモジャ村は女性の自立をさらに推進し、次世代に希望を繋ぐための活動を拡大していくでしょう。
その歩みは、世界中のジェンダー平等を目指す人々にとってインスピレーションとなっています。
まとめ
ウモジャ村は、女性が自らの権利を守り、協力しながら新しい未来を築いていくための象徴的な存在です。
男性中心の社会構造における問題に立ち向かい、女性たちが安心して生活できる場を作り上げるその姿勢は、多くの人々に勇気を与えています。
この村の活動と成功は、世界中でジェンダー平等を推進するための一歩として大きな意味を持っています。
ウモジャ村の挑戦は、私たちにとっても学びと挑戦と言えるでしょう。
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