「トイレットペーパーに血が付いていた」「排便時に強い痛みを感じる」などの症状で悩んでいませんか?
その症状、もしかすると痔かもしれません。
「病院を受診するのは恥ずかしい」と放置し、症状がひどくなってしまう方も多いようです。
本記事では痔の症状や予防方法について紹介します。
痔の症状と原因を種類ごとにチェック
痔とは、肛門に発生する病気の総称です。
いぼ痔、あな痔、切れ痔の大きく3種類に分類され、半数を占めるのがいぼ痔です。
いぼ痔
肛門の一部にいぼのようなふくらみができる痔で、慢性的な便秘や下痢、妊娠、長時間の座りっぱなし、過度の飲酒などもリスク要因になるとされています。
主な症状は排便時の痛みや出血で、進行すると痔核が肛門の外に出てきてしまいます。
あな痔
お尻の内側と外側の間にトンネルができるタイプの痔で、慢性的な下痢などにより肛門の周りにたまった膿が外に漏れ出すことで形成されます。
かゆみや痛み、腫れの初期症状に加え、肛門から膿が出てくるなどの症状があらわれることも。
切れ痔
硬い便などが原因で肛門の皮膚が切れたり裂けたりした状態で、主な症状は排便時の強い痛みと出血です。
女性は便秘気味の傾向にあり、妊娠・出産でお尻に負担がかかりがちなため、切れ痔になりやすいといわれています。
女性は痔になりやすい!? その理由とは
実は女性はさまざまな要因から痔になるリスクが高いとされています。
ひとつずつ解説していきますね。
1.便秘になりやすい
女性は無理なダイエットで極端な食事制限をしがちなため、便の量が減り便秘になりやすいといわれています。
また、女性は男性に比べて腹筋が弱いため便を押し出す力が弱く、便が腸内にたまりやすくなります。
2.冷えやすい
女性に多い冷え性は肛門周辺の血流を悪化させ、痔の発症リスクを高めてしまいます。
3.妊娠・出産・生理などの影響
妊娠中や生理前後に分泌される黄体ホルモンは腸の働きを低下させます。
そのため、女性は便秘になりやすく、結果、痔を引き起こしやすくなってしまうのです。
また、妊娠により大きくなった子宮が肛門を圧迫し血行不良になることや、出産時の強いいきみで肛門に負荷がかかることでも痔になりやすいとされています。
痔は放置しないで早めに受診を!
痔を放置したままにしておくと、激しい痛みや大きな腫れが起こることがあります。
また、いぼ痔が肛門の外に出たまま戻らなくなり、緊急手術が必要になることもあるため「痛みがないから大丈夫」と放置したままにせず、早めに受診しましょう。
診療科としては肛門内科や肛門外科がありますが、最近では女性専門外来を設けているところもあるので気軽に受診してみてくださいね。
肛門科が近くにない場合は外科や消化器外科でも問題ありません。
痔は予防も大事! 3つの具体策
痔は日常生活の心がけで、ある程度予防することができます。
すでに痔になっている方も以下の注意点を守ることで症状の悪化を防ぐことができますよ。
1.排便時に強くいきまない
過度のいきみは出血を起こしたり肛門の血流を悪化させたりして、痔の原因になります。
いきむ時間が長ければ長いほど痔のリスクが高まるので、便意があったらなるべく早くトイレに行き、長時間いきむことは避けましょう。
2.長時間座り続けない
デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けていると、肛門が圧迫されて血流が悪くなり、痔のリスクが高くなります。
こまめに休憩をとり、立ち上がったり歩いたりしてからだを動かすようにしましょう。
3.お尻や腰を温める
足腰の冷えは肛門の血流悪化につながり、痔のリスクを高めます。
お風呂に浸かるなどしてからだを温め、肛門周辺の血流も改善しましょう。
冬の寒い時期に痔が悪化することも多いため、冷え対策をしっかり行うことが痔の発症予防にもつながります。
痔の予防や改善には漢方薬も役立ちます
痔の予防や改善には漢方薬の力を借りるのもおすすめです。
漢方薬のなかには「痔」に効果が認められており、泌尿器科や婦人科で処方されているものもあります。
痔の改善には以下のような働きのある生薬を含んだ漢方薬を選びます。
- 血行をよくして、肛門の機能を回復し、痔の原因となるうっ血をとる
- 肛門周囲の出血を抑える
- 痔の原因となる便秘や下痢を改善する
漢方薬は根本からの改善を得意としているので、痔になりにくい体質を目指すことも可能です。
<痔の対策におすすめの漢方薬>
- 乙字湯(おつじとう)
血流をよくしてうっ血をとり、腫れや炎症を抑えることで痔の治療に役立ちます。
便が硬い、慢性的な便秘に悩まされているといった方におすすめの漢方薬です。
そのほか、切れ痔の改善に用いられることもあります。
- 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
「気(エネルギー)」「血(けつ)」の流れをよくします。
痔の改善や便秘、ストレスによる精神不安などに用いられます。
漢方薬は自分の体質に合ったものを選ばなければ、十分な効果を得られないどころか、副作用が生じる恐れもあります。
漢方薬に精通した薬剤師とAIがあなたに合った漢方薬を選び、自宅まで届けてくれる「あんしん漢方」のようなオンライン漢方サービスを試してみるのもいいでしょう。
まとめ
お尻の悩みは恥ずかしさや不安から受診をためらいがちですが、少しでも出血や痛みがある場合は早めに病院に行きましょう。
毎日の生活習慣を整えて予防に努め、元気に過ごしましょう。
公式|あんしん漢方
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師|碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
YouTube|Medical Health CH
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)