春が近づくと悩まされるのが花粉症。
目がかゆくなり、鼻水が垂れ、くしゃみがとまらなくなり、日常生活に支障をきたしてしまうこともあります。
花粉症対策はたくさんありますが、何が効果的かわからないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、つらい花粉症の症状を軽減させる対策をご紹介します。
花粉症対策は1月中旬~2月スタート
花粉症対策は寒いうちから行うのがいいことを知っていますか?
アレルギー反応を起こす花粉は今日までに約50種類発見されていますが、花粉症患者がアレルギー反応を起こす原因のほとんどがスギ花粉によるもの。
スギ花粉の量や飛散時期は、天気や気温によって決まっています。
スギの雄花は7月~8月に作られ、この時期の日照時間が長く気温が高いと雄花が多くなり、反対に雨の日が多く冷夏の場合は雄花が少なくなります。
その後、雄花は11月頃までに完成し、中に大量の花粉が作られ、冬になると開花準備期間に入ります。
この開花準備期間の気温が高いと早めに開花し、低温だと開花が遅くなるため、花粉の量や飛散時期はその年によって変わるのです。
花粉の量や飛散時期の予想は、毎年1月頃からテレビやウェブサイトなどで公開されはじめるので、それらの情報を活用し、花粉が飛ぶ前から対策しておくことが肝心です。
これだけは絶対やっておきたい花粉症対策
インターネットで検索すれば、花粉症対策はたくさんヒットしますが、じつは民間療法で効果が認められているものは多くありません。
そのため、花粉症対策は、花粉に接触しない工夫と家に持ち込まない工夫をすることが鍵となります。
外出時の対策
外出時にはマスクと眼鏡、そして花粉が付着しにくい服の着用を心掛けましょう。
マスクには、約70%~80%の花粉を減少させる効果があるといわれています。
隙間から花粉が入ってこないよう、自分の顔の大きさにあったものを選びましょう。
眼鏡は、普通のものでも花粉症用のものでも、着用しているだけで目に入る花粉の量が減少します。
服は、綿やポリエステルなど花粉がつきにくい服を選び、ウールなど花粉がつきやすい服は避けましょう。
また、帽子をかぶることで頭につく花粉の量を抑えることができます。
帰宅後の対策
外出時に花粉対策をしていても、服や肌には花粉がついていたり、わずかな隙間から花粉が体内に入っていたりするかもしれません。
家に入る前には服やからだに付着した花粉を落とし、家に入ったらうがいでのどについた花粉を取り除きましょう。
可能であれば、洗顔と鼻のうがいをするのもおすすめです。
鼻のうがいは水道水で行うと粘膜を痛めてしまう可能性があるため、市販の鼻うがい用の薬剤か生理食塩水(食塩を0.9%の濃度に溶かした蒸留水)を使用するようにしてください。
家の中での対策
花粉症の季節でも換気をしなければならないときもあります。
その際は、換気時に室内に入ってくる花粉の量を最低限に抑えることが大切です。
たとえば、開ける窓の幅は10cm程度だけにする、レースのカーテンを閉めて部屋に入る花粉を減らす、窓を開けたあとはカーテンや付近の床の掃除をするなどが効果的です。
また、室内はドアや窓の開け閉め、人の往来により、花粉が持ち込まれやすく残りやすい場所でもありす。
残った花粉を取り除くためにも、こまめに掃除をするようにしてください。
花粉症には漢方薬も役立つ
花粉症対策のひとつの選択肢として漢方薬を服用するのもおすすめです。
漢方薬は医薬品として効果が認められており、実際に耳鼻咽喉科などでも処方されています。
花粉症対策には、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状を抑えるだけでなく、次のような作用のある漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。
- からだを温め体内の巡りをよくする
- 水分の循環をよくしてアレルゲンや老廃物を排出する
- 消化・吸収機能をよくして免疫力や抵抗力を高める
<花粉症におすすめの漢方薬>
- 葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
からだを温め、鼻の通りをよくすることにより、鼻づまりや副鼻腔炎などを緩和します。
花粉症による鼻水や鼻づまり、鼻の炎症などにおすすめの漢方薬です。
- 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
からだを温めて水分循環をよくする働きがあり、体内の余分な水分の排出を促して、花粉症などアレルギー性鼻炎の症状を改善します。
透明で水っぽい鼻水やくしゃみなど、花粉症の典型的な症状に適している漢方薬です。
漢方薬は、自分の体質や症状に合ったものを服用することが大切です。
体質や症状との相性が悪いと、効果が得られなかったり副作用が生じたりすることもあります。
選び方がわからないという人も大丈夫。
専門の薬剤師が、AIを使って漢方薬を選んでくれる「あんしん漢方」のようなサービスもあるのでチェックしてみてください。
まとめ
今や約3人に1人は花粉症だといわれています。
花粉症対策は、花粉を付けないことと花粉を持ち込まないことです。
花粉症対策グッズを使ったり、いつもの生活に新しい習慣をプラスしたりして、症状の軽減をしていくのが最善策です。
花粉症対策はまだ寒い冬から始まります。
今からしっかり準備をして、晴れやかな気分で春を迎えましょう。
公式|あんしん漢方
<参考サイト>
花粉症で悩む皆さま! 早めの治療や予防行動を!|政府広報オンライン
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師|碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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