性行為中やヨガの最中に膣からおならのような音がなる症状に、一度は悩まされたことがある方も多いのではないでしょうか。
膣からのおならは、我慢することも、音をならさないようにすることも難しいものです。
音が出ても「おならじゃないです!」なんて弁解するわけにもいかないし、なにより恥ずかしい……。
今回は、膣からおならのような症状があらわれる原因や改善方法について、薬剤師の碇純子さんに解説していただきます。
人前で膣のおなら……!恥ずかしすぎて隠れたい
33歳のあゆみさんは、膣のおならが出てしまう症状に悩む1児の母です。
あゆみさんは3年前に出産しましたが、産後からときどき膣のおならが出てしまい悩んでいるのだそうです。
ある日、恥ずかしく隠れてしまいたいと思うほどの経験をしてしまいました。
4月ごろに訪れたヨガ教室でのできごと。
静かな空間で、ヨガの体験レッスンを受けていました。
次のポーズのために仰向けに寝た姿勢から起き上がる際、膣から「ブーッ」と音が出てしまいました。
しかし、誰も反応するわけでもなく淡々と次のポーズへ移っていくなか、あゆみさんは恥ずかしくて今すぐにでもこの場から立ち去りたいと思ったそうです。
結局、気まずさと恥ずかしさから、ヨガ教室への入会はしませんでした。
膣のおならの原因は?
膣からおならのような音が出る症状は「膣なら(ちなら)」「クイーフ現象」とも呼ばれ、骨盤底筋が筋力低下しているために起こると考えられています。
骨盤底筋の筋力低下によって膣がゆるむと膣内に空気が入りやすくなります。
そのため、膣圧がかかると一気に空気が排出され、おならのような現象が起きるのです。
骨盤底筋の筋力低下による膣のゆるみの主な原因は、妊娠出産や更年期、肥満などですが、なかには「膣ろう」という病気が関係していることもあります。
膣ろうとは、本来あるはずのない穴が膣壁にでき、消化液や尿や便などが侵入して悪臭や膣のおなら、性交渉に痛みを感じるなどの症状があらわれる病気です。
膣ろうと思われる症状がみられる場合は、なるべく早く総合病院や婦人科を受診しましょう。
膣のおならを改善するには?
膣のおならを改善するための方法を2つご紹介します。
膣トレ
膣圧の低下で膣からおならのような音がなる場合は、膣や子宮周りの筋肉を鍛える膣トレが有効です。
骨盤底筋を鍛えることでゆるんだ膣が締まり、空気の侵入を予防できます。
加えて、加齢による尿もれや排便トラブルの予防にもつながるので、将来のことも見据えて今から鍛えておくことをおすすめします。
今回は「ケーゲル体操」という膣トレ方法をご紹介します。
<ケーゲル体操のやり方>
- ゆっくり息を吸いながら引き上げるように膣や肛門に力を入れ、その状態を5~15秒間キープする
- ゆっくり息を吐きながら力を抜いていく
- 1〜2を、4回〜5回程度行う
いつでも好きなタイミングでできるので、起床後や寝る前などタイミングを決めてやってみましょう。
漢方薬を飲む
膣から出るおならのような症状の対策には、漢方薬もおすすめです。
漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に副作用が少ないとされています。
膣のおならのような症状の改善には、筋肉の緊張や張りを解消することで骨盤底筋の強化にアプローチする漢方薬を選ぶとよいでしょう。
おすすめの漢方薬
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
筋肉の緊張を調整し、骨盤底筋の筋力低下に働きかける漢方薬です。疲れやすく食欲が落ちた方に向いています。
ただし、漢方薬は体質に合わないと効果が発揮されなかったり副作用が起こりやすくなったりします。
そのため、使用する前にプロに体質を見極めてもらい、ご自身に合った漢方薬を提案してもらうのがおすすめです。
もし、もっと気軽に体質の診断をしたい方は「あんしん漢方」などのオンラインサービスもあります。
WEB上で体質を診断し、薬剤師がAIを駆使して漢方薬を提案して自宅に届けてくれます。
まとめ
膣のおならのような症状は、骨盤底筋の筋力低下により膣の締まりがゆるくなったために起こります。
そして、骨盤底筋の筋力低下は周辺の筋肉の緊張や張りが原因で起こるとされており、膣トレや漢方薬で対策できます。
膣のおならのような症状にお悩みの方は、ぜひ生活に取り入れていきましょう。
公式|あんしん漢方
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師|碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
YouTube|Medical Health CH
あわせて読みたい|マタイク(mataiku)