「もともと便秘体質ではないのに最近便がスッキリ出ない」
「思い当たる原因もない」と悩んでいませんか?
もしかすると冬特有の便秘かもしれません。
今回は冬に便秘になる原因と解消方法についてご紹介します。
冬は便秘になりやすい! その理由とは
ここでは冬に便秘が増える3つの原因についてお伝えします。
1.寒暖差と冷え
排便を促す腸のぜん動運動には自律神経が関わっていて、自律神経が乱れると便通リズムも乱れ便秘の原因になります。
冬は暖房の効いた室内と外気との寒暖差が大きくなりやすいため、自律神経が乱れ便秘に陥りやすくなります。
また、気温の低下でおなかが冷えると腸の血流が悪くなり、ぜん動運動が低下し便秘を引き起こしてしまうのです。
2.水分摂取量の低下
気温が下がる冬は喉の渇きを感じにくくなるため、水分摂取量が減る傾向にあります。
からだが脱水状態になると便中の水分量が減って便が硬くなり、便秘傾向になります。
3.運動不足
冬はからだを動かすのが億劫になり、運動や外出の機会が減ることで運動不足になってしまいます。
運動は腸の働きや血流を改善する効果があるため、運動不足によるぜん動運動の低下や血行不良などから便秘になりやすいのです。
「トイレ習慣」を見直して便秘解消
便秘解消のためには以下の2つのポイントを意識しましょう。
1.毎日決まった時間にトイレに行く
起床時は腸がよく動いて便が出やすい状態になっています。
朝食後は腸のぜん動運動が活発になるので、朝食後のトイレが日課になるよう習慣づけるといいでしょう。
便意がなくてもいいので、毎日決まった時間にトイレに行くのがおすすめです。
からだが徐々に排便するリズムを覚え、決まった時間に排便しやすくなります。
トイレでは、つま先を立てて少し前かがみの姿勢にすることで腸がまっすぐになり、便が出やすくなりますよ。
2.便意を逃さない
便意を感じたらすぐにトイレに行く習慣をつけましょう。
便意は、腸のぜん動運動によって便が下りてくるときに腸の壁が刺激されることで起こります。
しかし、便意を我慢することを繰り返していると腸の神経が鈍くなってしまうため、徐々に便意を感じなくなってしまうのです。
便意を感じてから15分以内にトイレに行くのが理想的とされているので、タイミングを逃さないようにしましょう。(※1)
スッキリ! 便秘を解消する4つの方法
便秘を解消するためには生活習慣や食生活を整えることが大切です。
ここでは便秘を解消する4つの方法をご紹介します。
1.朝一番の水分補給とストレッチ
起床時に水を飲むことで腸が刺激され、便意を促してくれます。
また、ストレッチで腸を直接動かして刺激することにより、血流が促されるのでからだも温まります。
2.水分はこまめにしっかり摂る
便は6〜8割ほどが水分で構成されているため、水分不足になると便が硬くなり、スッキリとした排便がしにくくなります。
1日に必要な水分量は「体重(kg)×0.04(L)」だといわれています。(※2)
コーヒー、お茶、紅茶などは利尿効果が高いので、水、白湯、麦茶などで水分補給するといいでしょう。
ついつい忘れがちな水分補給ですが、最近では1時間ごとの飲む量がわかる目盛り付きのウォーターボトルや、水分補給記録アプリなどもあるので上手に活用してみてくださいね。
3.便秘解消によい食材を摂る
便秘解消につながる以下の食材を積極的に摂るようにしましょう。
- 良質な油(オリーブオイル・アマニ油・えごま油など)
腸内の潤滑油として働くので、たまった便の滑りをよくする効果が期待できます。 - 発酵食品(ヨーグルト・納豆・味噌・キムチなど)
腸の働きを整える善玉菌が豊富に含まれています。 - 食物繊維(海藻・果物・豆類・根菜・芋・きのこ)
便を柔らかくしたり、便のかさを増やし便秘を解消したりする効果が期待できます。 - オリゴ糖
整腸作用や腸内細菌を増やす作用があります。
4.便秘対策には漢方もおすすめ
便秘解消には漢方薬の力を借りるのもおすすめです。
漢方薬のなかには便秘に効果が認められており、病院で処方されているものもあります。
便秘の改善には
- 腸の動きをスムーズにして便を出しやすくする
- 便の水分バランスを整える
- 整腸作用
などの働きがある生薬を含んだものを選ぶといいでしょう。
漢方薬は根本からの改善を得意としているので、便秘になりにくい体質へと導いてくれます。
バランスのいい食事を毎日続けるのは難しいという人でも、漢方薬は毎日飲むだけなので無理せず続けられますよ。
<便秘でお悩みの人におすすめの漢方薬>
- 大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
大黄と甘草だけでできたシンプルな構成の便秘薬で、比較的効き目が早いのが特徴です。
胃腸の動きを正常化し、便秘や腹部膨満感を改善します。
- 麻子仁丸 (ましにんがん)
腸を潤して便をやわらかくし、腸を刺激することで排便を促します。
水分不足でコロコロした便が出やすくなるように働きかけます。
漢方薬は自分の体質に合ったものを選ばないと効果を感じられなかったり、副作用が生じたりすることもあります。
自分に合う漢方薬が知りたい人は、漢方のプロにオンラインで個別相談できる『あんしん漢方』というサービスもおすすめです。
スマホひとつで完結し、お手頃価格で利用できるのでチェックしてみてくださいね。
まとめ
便秘の予防や解消のためにできることはたくさんあります。
便秘はさまざまな原因で引き起こされるので、自分に合った対策方法を日々の生活に取り入れて、便秘解消を目指しましょう。
公式|あんしん漢方
参考サイト
(※1) 肛門をいたわろう|高岡駅南クリニック
(※2)便秘を考察する その7 便秘と水分不足・気温の関係|福岡天神内視鏡クリニック
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師|中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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