夫の一挙一動にイライラする。
ついカッとなってきつい言葉をぶつけてしまう。
そんな悩みをお持ちの女性は少なくありません。
原因は、夫側にもあるかもしれません。
しかし、女性も感情をしっかりコントロールできるのが理想ですよね。
この記事では「夫にイライラしてキレてしまう」という悩みにどう向き合えばいいか、薬剤師の碇純子さんに教えていただきました。
夫に無性にイライラしてキレてしまう!
45歳の美和さんのお悩みです。
「最近、夫の些細な言動に腹が立ってしかたありません。
たとえば、朝食のときにパンくずをこぼしながら食べるとか、お風呂から上がると脱衣所に水滴がたくさん落ちているとか……。
家事は手伝ってくれますが、そのやり方もいちいち気に障ります。
優しくお願いすればいい話なんですが、それがどうしてもできません。
カッとなって、強い口調で責めてしまいます。
一度イラッとすると、最近気になったこととか、前々から言いたかったけど我慢していたことなどを、次々にあげつらってしまいます。
夫は私の顔色を伺っているようにも見え、そんな夫の態度にさらにイライラが止まらなくなるんです。
自分でも、なんでこんなに感情的になってしまうのかわかりません。
夫のことは嫌いではないのに、なぜか夫にだけ無性にイライラする……
どうしたらもっと落ち着いて過ごせますか?」
一緒に暮らしている以上、誰でも多少はイライラを感じることはありますが、それが過剰になって夫婦関係が悪化するのはつらいですよね。
イライラしたりキレたりしてしまうのは、何が原因なのでしょうか。
イライラして怒りっぽくなる原因は?
イライラしたりキレたりするのは、感情コントロールがうまくいっていない状態です。
感情のコントロールができなくなる要因は複数あるので、自分に当てはまっているものがないか振り返ってみましょう。
1.ストレスや疲労の蓄積
日ごろからストレスや疲労がたまっていると、イライラして怒りっぽくなることがあります。
仕事の疲れ、人間関係の問題、子育ての大変さ、日々の家事、さらにはSNSによる疲れなど、現代を生きる女性たちはさまざまなストレスや疲労と常に向き合っていることでしょう。
また、生活環境が大きく変わったときもストレスや疲労がたまりやすくなるため、イライラしたり怒りっぽくなったりすることがあります。
自分でも、ストレスや疲労がたまっていることに気づいていないこともあります。
ひとつひとつは小さなストレスでも、積もり積もって自分のキャパシティを超えていることもめずらしくありません。
2.考え方の癖
物事の考え方が、感情のコントロールに影響していることもあります。
「こうあるべき」「こうしなけれはならない」といった固定観念や、0か100かの白黒思考が癖になっている場合は、イライラしたり激高したりする頻度が多くなるのです。
また、いつも気分が落ち着かなかったり、焦っていたりすることでイライラしやすくなっているケースもあります。
「まぁいいか」「そういう考えもアリかな」とおおらかに考える余裕がないと、周囲のちょっとした刺激に不快感を抱き、言葉や音などに強く反応してしまいます。
3.ホルモンバランスの影響
女性は、ホルモンバランスの影響によってイライラしたり怒りっぽくなったりすることがあります。
たとえば、生理前になると心身のさまざまな不調があらわれる生理前症候群(PMS)はよく知られているでしょう。
イライラが日常生活に支障をきたす場合、PMSのなかでも心の不安定さが目立つ月経前不快気分障害(PMDD)に陥っている可能性もあります。
また、閉経前後の女性は更年期と呼ばれる時期に差し掛かります。
女性ホルモンの減少によって自律神経が乱れるため、イライラしたり、気分が落ち込んで憂うつになったりすることも。
ホルモンバランスからくる不調は、ストレスや疲労、個人の性格特性や環境の影響も強く受けるため、まずは自分の心身をケアし、労わっていくことから始めるといいでしょう。
激しいイライラの改善方法
イライラしたり怒りっぽくなったりするのを改善するには、からだと心の両方に注意を払うことが大切です。
今日から実践できる3つのイライラ対処法を試してみてください。
1.睡眠とリラックス
まず見直したいのは、睡眠時間とリラックスの方法です。
一般的に、成人に推奨される睡眠時間は7~8時間ですが、個人によって必要な睡眠時間には差があります。
そのため、より多く眠らないと疲労が回復できないこともあります。
日々リラックスする時間を持てているか、ぜひチェックしてみてください。
テレビやスマホを眺めてなんとなく過ごすのではなく、心身をリラックス状態に持っていけるよう意識して行動するのが大事です。
心身をリラックスさせるために、次のような方法を生活にとり入れてみましょう。
- 腹式呼吸をする
- 軽いストレッチやヨガをする
- アロマをたく
- 思いきり笑う
- 蒸しタオルで目や肩を温める
- 音楽を聴きながら湯船に浸かる
これらは一例ですが、心身が心地よくなることに目を向け、自分のために時間や手間をかけるのが重要です。
2.ジャーナリング
特定の関係性のなかでイライラが強まる場合、相手に対して心のわだかまりや課題を抱えている可能性も否定できません。
そこでおすすめなのが、ジャーナリングです。
ジャーナリングとは、紙に自分の気持ちや考え、思い浮かぶことなどを自由に書き出すこと。
「書く瞑想」とも呼ばれています。
頭の中にあることを紙に書き出すと、客観的になれたり、不安や焦りを落ち着かせて物事を冷静に考えられたりするのです。
「これが不安だったのかな」「思っていたより我慢やストレスを抱え込んでいたんだな」など、隠れていた自分の気持ちを知ることができるかもしれません。
文字を書くのが苦手な場合は、イラストや落書きでも構いません。
書きなぐるだけでも効果があるといわれています。
3.漢方薬
あまりに症状がひどい場合は、心療内科や精神科、婦人科などで相談することも視野に入れてください。
しかし、病院に行くことに抵抗がある人や、自分でできることから試したい人には、漢方薬が役に立つかもしれません。
漢方薬は、実際に心療内科で処方されることもありますが、ドラッグストアや通販などでも販売されている身近な医薬品です。
イライラやストレス対策には、自律神経の乱れを整える、過剰な興奮を鎮める、鎮静作用で心を穏やかにするといった働きをする生薬を含む漢方薬を選び、根本改善を目指します。
<イライラ・ストレスにおすすめの漢方薬>
- 抑肝散(よくかんさん)
神経が高ぶりやすく、怒りやイライラといった精神症状に悩まされる方に向いています。
興奮を抑えて、怒りっぽい、イライラするなどの精神症状を抑えます。
- 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
抑肝散に陳皮と半夏を加えることで、胃腸の調子を整える効果が加わった漢方薬です。
そのため、胃腸の弱い方でも安心して服用できます。
カッとなりやすい、イライラしやすいなどの興奮を抑えることで、精神の安定に働きかけます。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
上半身にこもった熱を冷ますことで精神を落ち着かせて、気分の落ち込みやイライラなどの症状に働きかけます。
のぼせ感があり、疲れやすい方に向いています。
漢方薬は、体質との相性で選ぶのが重要です。
自分の体質に合っていないと副作用が生じることもあるので、初めて飲むときは、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談しましょう。
オンラインで漢方薬の相談から購入、郵送まで完結できるあんしん漢方のようなサービスもおすすめです。
スマホから個別相談ができるので、近くに相談できる薬局がない場合や、忙しくて病院へ出向く暇がない人にも便利です。
まとめ
夫にイライラする根本的な原因を突き止めて、解決に向けた一歩を踏み出しましょう。
まず自分のからだと心の声に耳を傾け、大切にケアしながら、夫婦関係の改善を目指してみてください。
公式|あんしん漢方
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師|碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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