「最近ちょっとED気味」「性欲の低下を感じる」
その不調は、男性更年期かもしれません。
男性更年期の症状は、早い方は30代後半から始まるといわれています。
今回は、男性更年期の具体的な症状や簡単に判別できるチェックリスト、そして、今日から始められるセルフケアを併せてご紹介します。
性欲低下の原因は「男性更年期」かも
まずは、男性更年期とは何か、そして、性欲や勃起力の低下との関係から解説していきます。
そもそも男性更年期とは
更年期というと「女性特有の悩み」と誤解されることもありますが、それは誤りです。
最近の研究では、男性にも更年期があることがわかってきました。
男性更年期の原因は、加齢やストレス、そして、男性ホルモンのテストステロンの減少です。
加齢によるテストステロンの分泌量の低下は比較的緩やかといわれますが、性ホルモンの分泌量の減少のスピードは個人差による影響も大きく、30代後半で更年期を発症するケースもあります。
男性更年期の主な症状は、性欲低下やEDなどの性機能症状などです。
もちろん、男性更年期の症状はそれだけではありません。
男性更年期にはこんな症状も
男性更年期は、性機能症状だけでなく、関節痛・筋肉痛、疲労感・倦怠感、発汗などの「身体症状」、イライラやうつ、記憶力の低下といった「精神症状」が起こることもあります。
以下は、男性更年期のチェックリストです。
ご自身が当てはまるものをチェックしてみましょう。
- 性欲が減退してきた
- 勃起力が落ちた
- 体力や持久力がない
- 運動能力が落ちた
- 元気がない
- 毎日がつまらないと感じる
- 作業能力の低下を実感する
- 些細なことで感情的になる
- 夕食後に眠くなってしまう
- 身長が昔より低くなった
チェックリストで3つ以上該当する場合、もしくは性欲や勃起力の低下を感じる場合は、男性更年期の可能性があります。
まずは泌尿器科を受診するといいでしょう。
男性の性欲をとり戻す方法
ここからは、テストステロンを増やすセルフケアをご紹介します。
筋トレ・運動
筋肉トレーニングやウォーキングなどの運動で血流をよくすると、性腺刺激ホルモンが分泌され、テストステロンも増えます。
腕立て伏せで大胸筋を、スクワットで大腿四頭筋を鍛えましょう。
最初は無理のない範囲で行い、徐々に増やしていくのがおすすめです。
ただし、フルマラソンなど激しすぎる運動はかえって逆効果になる場合もあるので、運動はあくまでもほどほどにしておきましょう。
生活習慣の見直し
テストステロンの分泌量がもっとも増加するのは睡眠中です。
とくに午前1~3時は分泌量が一番多いので、夜ふかしせずにしっかり休息をとりましょう。
心身ともにリラックスすることでストレスも軽減できます。
また、テストステロンを増やすにはアミノ酸のカルニチンの摂取もおすすめです。
カルニチンはラムやマトンなどの羊肉に多く含まれています。
そのほかには、赤貝や牛肉、鶏レバーもカルニチン含有量が豊富でおすすめです。
そして、エネルギーの源になる糖質も重要です。
糖質が足りないとテストステロンの分泌量が減ってしまうので、食事のバランスを意識して、脂質や食物繊維も摂取しましょう。
適度な競い合い
テストステロンは「社会性ホルモン」とも称され、集団のなかでのコミュニケーションや、競争といった要素にも深く関わっています。
たとえば、野球やサッカーなどのチームスポーツは、競争心を刺激し、テストステロンの分泌を促せるためおすすめです。
また、スポーツだけでなく、音楽や絵などで自己表現して発表するのもおすすめです。
他者に認められることでもテストステロンの分泌量が増えます。
男性更年期には漢方薬も試してみて
漢方薬は、植物や鉱物といった自然由来の生薬をもとに構成されており、一般的に副作用が少ないとされています。
医療機関でも男性更年期の治療に漢方薬が使用されています。
男性更年期の生殖器機能や体力の低下には、「ホルモンバランスの乱れを整える」「血流をよくして、生殖機能を回復する」「からだを温めて内臓機能を高める」「消化・吸収機能をアップして疲れをとる」といったはたらきを持つ漢方薬を選び、根本改善を目指しましょう。
<男性更年期の症状改善におすすめの漢方薬>
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
低下した胃腸機能のはたらきを高め、気力やエネルギーを補って、疲労・倦怠感を緩和します。
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
からだを温め、泌尿器、生殖器のはたらきを高めます。
足腰の痛みにも用いられます。
漢方薬は、体質との相性がとても大切です。
体質に合わない漢方薬を使うと、効果が出にくく、副作用が起こりやすくなる場合もあります。
医師や薬剤師などの専門家に相談して、体質に合った漢方薬を選んでもらいましょう。
最近は、オンラインで利用できる「あんしん漢方」も話題です。
体質診断から適切な漢方薬の処方、お薬の受け取りまで、すべてご自宅で済ませることができます。
忙しくて時間のない方にもおすすめです。
まずは泌尿器科を受診しましょう
男性更年期は性欲や勃起力の低下を始め、倦怠感やうつなどさまざまな種類の症状が起こります。
気になる場合は、まずは泌尿器科を受診してみましょう。
公式|あんしん漢方
<この記事を書いた人>
あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師|碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・元漢方薬生薬認定薬剤師 / 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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