数日後、私は再び匿名の手紙を受け取った。
今回の手紙には「公園のベンチで夕方6時に待っている」とだけ書かれていた。
私は莉子さんにこのことを伝え、二人で指定された場所に向かった。
別れと新たな始まり
公園に到着すると、ベンチには中年の女性が座っていた。
彼女は莉子さんの顔を見るなり、涙を流し始めた。
「莉子…美紀よ。」
驚く莉子さん。
涙を流し始めた美紀さんは、莉子さんの姉で、まさか彼女が手紙の送り主だとは思いもよらなかった。
美紀さんは、莉子さんの夫とは昔からの友人で、夫から莉子さんの様子がおかしいと相談を受けていた。
そして、私と莉子さんの関係を知り、手紙を送ったのだった。
「莉子、あなたがこんなことをするなんて思ってもみなかった。でも、あなたの幸せを願っているから、正直に話してほしい。」
美紀さんの言葉に、莉子さんは涙を流しながら、私との関係を語り始めた。
修羅場のような場面が続いたが、最終的には美紀さんも私たちの関係を認めてくれることになった。
しかし、莉子さんは「私たちの関係を続けることは、家族や周りの人たちに迷惑をかけるだけ。だから、私たち、別れよう。」と言い出した。
私は莉子さんの決断を尊重し、涙を流しながら彼女の手を離した。
そして、私は今のマンションからの引っ越しを決意した。
数ヶ月後、私は新しい街で新しい生活を始めていた。
ある日、街中で偶然、莉子さんと再会した。
彼女は、夫との関係を修復し、新たな生活を始めていた。
「ありがとう、あの時のことは私の宝物。」
莉子さんの言葉に、私も微笑みながら「俺も、ありがとう。」と返した。
二人は、それぞれの人生を歩むことになったが、心の中には互いの存在がいつまでも残っているのだった。
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