美しい景観、静かな環境、高いプライバシー、「六麓荘町」は、そんな理想をすべて叶えた特別な場所。
どこか非日常的でありながら、住む人たちの間で厳格に守られているルールがあります。
今回は、日本一の高級住宅街「六麓荘町」での数々のルールを紹介します。
誰もが憧れる「六麓荘町」の魅力と独自ルール
兵庫県芦屋市に位置する六麓荘町(ろくろくそうちょう)は、日本でも屈指の高級住宅街として知られます。
六甲山の麓に広がるこの住宅街には、日本中の富裕層の憧れが詰まっています。
しかし、その美しい街並みや静かな環境は、住民同士がルールを守ることで維持されているのです。
六麓荘町の景観と街並みの保護
六麓荘町が特別な理由のひとつは、街全体の統一された美しさ。
ここでは、建物の高さやデザインに厳しい制限があり、派手な外観や奇抜な設計は認められていません。
また、敷地の広さは最低でも400㎡が必要とされ、余裕のある空間が美しい街並みを演出しています。
・ 1区画が400㎡以上の敷地であること
・ 個人の住宅(別荘)として使う一戸建てのみ建築可能
(マンションのような集合住宅や、商店・オフィス利用は不可)
・ 建築物の高さは、1階建または2階建まで
・ 敷地の4割以上(地区により3割)は庭として緑地にすること
・ 緑地部分10㎡につき、高木1本と中木2本を植えること
・屋外照明は反射光についても十分に配慮すること
・緑地率の最低限度は40%または30%とする
・工事施工時間は日曜・祝日を除く8時~17時まで
(引用参考:六麓荘町建築協定)
さらに、電線の地中化により、景観を損なう要素が排除されています。
商業施設の排除と静寂な生活空間
六麓荘町では、住民が静かに暮らせる環境を守るために、商業施設の進出を一切禁止しています。
これにより、住宅街内は一戸建ての邸宅のみが存在し、コンビニやマンションすらありません。
日常の買い物は芦屋市内の他のエリアで済ませる必要がありますが、それも六麓荘町が提供するプライベートな生活空間の一環といえます。
土地分割の禁止と住民のプライバシー
もうひとつ特徴的なルールが土地の分割の禁止です。
購入した土地は細かく分割することが認められておらず、大きな区画を維持することが求められます。
このルールによって、住民同士の家屋間の距離が保たれ、高いプライバシーが確保されています。
これが、富裕層が六麓荘町を好む理由のひとつです。
町内会による徹底した管理
六麓荘町では、住民が協力し合い、町の環境を守るための活動が盛んです。
例えば、新築の際には住民への説明会が行われ、地域のルールや景観維持の重要性を共有と住むことを希望する住人の判断します。
また、防犯対策として防犯カメラの設置も町内会が積極的に推進。
こうした住民同士の連携が、安心して暮らせる環境を実現しています。
■歴代町内会長
- 初代町内会長|大谷哲平(元満州大谷重工業社長、初代芦屋公安委員長)
- 第二代町内会長|豊田善右衛門(豊田産業社長、日本繊維製品輸入協会理事長)
- 第三代町内会長|中尾信雄(中尾工業・富士製缶・山陽座・ホテルブルー城崎社長)
- 第四代町内会長|山田六郎(くいだおれ社長)
住むための条件とその魅力
六麓荘町での生活は、決して手軽なものではありません。
まず、高額な不動産価格はもちろん、住民としてのルールを守る意識も重要です。
しかし、だからこそ、この街に住むことは一種のステータスともなります。
街並みの美しさ、静けさ、そして住民同士の信頼が築く環境は、他の地域では味わえない贅沢です。
まとめ
六麓荘町は、単なる高級住宅地にとどまらず、厳しいルールを通じて住民同士が協力し、美しい街を保っています。
一方で、その規律を守る責任もあり、入居には覚悟が必要です。
しかし、ルールのもとで築かれる信頼関係と街の調和は、誰もが一度は憧れるものといえるでしょう。
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