家計の味方として親しまれてきたモヤシが、いま存続の危機に直面しています。
全国で生産者の廃業や倒産が相次ぐ中、二郎系ラーメン店ではモヤシの仕入れが止まり、看板メニューの「ヤサイマシ」を提供できない事態も発生しています。
モヤシ生産者が激減、二郎系ラーメン店にも広がる影響
2026年10月、全国でモヤシの安定供給を懸念する声が広がっています。
きっかけとなったのは、関東近郊の飲食店やスーパーにモヤシを供給していた、サイキ食品の事業停止です。
とあるラーメン店では、6月中旬に突然納品が途絶え、モヤシを確保できず1日休業する事態に追い込まれたと言います。
さらに、複数の二郎系ラーメン店が、ヤサイマシの提供を当面中止すると発表するなど、影響は各地に広がっています。
問題は、一部の企業の事業停止だけではなく、もやし生産者協会によると、2009年に235あった全国の生産者は、2026年度初めには86まで減少、約17年間で6割以上が姿を消した計算です。
生産者の減少には大手企業への集約も関係していますが、供給元が限られることで、一社の事業停止が多くの飲食店に影響する危険性も浮き彫りになりました。
安すぎるモヤシの裏側
モヤシは土や日光を必要とせず、豆を発芽させて工場内で大量生産できる野菜です。
天候の影響を受けにくく、一年を通じて安定した生産が可能なことから、スーパーでは安売り商品の代表格となってきました。
しかし、製造工程は決して簡単ではなく、栽培室では温度や酸素濃度を細かく管理し、発芽によって発生する熱を水で冷却する必要があります。
さらに、傷みやすいモヤシを新鮮な状態で店頭に届けるため、深夜から収穫や包装、出荷作業が行われており、原料価格が約10年間で3倍に上昇する一方、販売価格は下落していた実態が明かされています。
当時、担当者は1袋38〜40円程度が継続的な生産を可能にする小売価格の目安と説明していましたが、実際には18円ほどで販売されるケースもあったといいます。
そこへ追い打ちをかけたのが、燃料費や電気代、人件費などの高騰で、かつて生産者が警告していた経営危機は、いまや飲食店の営業にも影響する問題となっています。
その低価格を維持する裏側では、生産者が厳しいコスト負担に耐え続けています。
私たちがモヤシを買い続けられる未来のためにも、安ければ安いほどよい、という考え方を見直す時期に来ているのかもしれません。
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