今は法律や規制で食べられなくなった…昔は当たり前のように食べていたあの絶品食材とは?
懐かしさを感じつつも、今だからこそ見直すべき背景とその魅力とは…。
今は規制で食べられない、昔の絶品食材
牛レバー(生食)
かつて「レバ刺し」として焼肉店の定番だった牛レバーは、2012年に厚生労働省の規制により生食が禁止されました。
その原因は、牛レバーに含まれる腸管出血性大腸菌(O157など)やE型肝炎ウイルスの感染リスクです。
特に、2011年の食中毒事件では死者が出るほど深刻な事態となり、食品衛生法の改正を招きました。
あの濃厚な味わいと特有の食感を懐かしく思う人も多いですが、健康を守るための措置として、現在では中心温度75℃以上でしっかり加熱されたものだけが安全に提供されています。
代替品として「こんにゃくレバ刺し」や加工食品が登場しているものの、本物のレバ刺しを味わったことがある世代にとっては、どこか物足りないと感じるかもしれません。
バラムツ
脂がのった美味しい魚として知られていたバラムツ。
しかし、この魚の脂肪には「ワックスエステル」と呼ばれる消化不可能な成分が多く含まれており、食べるとオイリー下痢や消化不良といった健康被害を引き起こすことが判明しました。
1970年代には高級魚として市場に出回っていましたが、健康被害が多発したため、現在では食品衛生法により販売や提供が禁止されています。
刺身や焼き魚で食べた際の濃厚な旨味を懐かしむ声もありますが、消費者保護の観点から再び食卓に上がる可能性は低いと言えます。
クジラの一部の種類
かつては給食や日常の食事にも登場していたクジラ肉、特に脂ののった「ベーコン」や「赤身」は多くの日本人に親しまれていました。
しかし、国際捕鯨委員会(IWC)の規制によって絶滅危惧種の捕獲が禁止され、特定の種類のクジラ肉は市場から姿を消しました。
日本では商業捕鯨が一部再開されていますが、規制の対象外の種類に限られているため、昔のように自由に味わうことはできません。
給食世代にとって、あの懐かしい味がもう一度楽しめないことは少し寂しいですね。
イルカ肉
和歌山県太地町などの沿岸地域では、イルカ肉が伝統的な食文化の一部でした。
濃厚な味わいと栄養価の高さから、日常のタンパク源として重宝されていたのです。
しかし、国際的な動物保護の観点や、イルカ肉に含まれる高濃度のメチル水銀のリスクが問題視され、消費は大幅に減少しました。
現在では一部地域で文化的な意味合いを持って食べられていますが、世界的な批判を受けてその需要は低下しています。
「濃厚な赤身の味が忘れられない」と語る地元の人々もいる一方で、環境保護と伝統のバランスが議論の的となっています。
まとめ
時代の変化とともに、私たちの食卓は大きく様変わりしてきました。
牛レバーやバラムツ、クジラの一部の種類、イルカ肉など、かつては当たり前だった食材が規制によって消えた背景には、健康や環境、国際的な価値観の変化があります。
「もう一度食べたい!」と思う一方で、これらの規制が私たちの安全や未来のために必要なものであることも理解しなければなりません。
懐かしむだけでなく、その背景を知り、今後の食の在り方を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
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