198円の弁当、100円のたこ焼き、63円の牛乳…こんな価格、関西や岡山を中心に展開する激安スーパー「ラ・ムー」は、物価高が叫ばれる令和の時代にあって低価格を実現しています。
ではなぜ、ここまでの低価格を実現できるのでしょうか?
自社製プライベートブランド&自社工場による原価破壊

ラ・ムー最大の武器は、自社ブランド「Dプライス」シリーズに代表されるプライベートブランド(PB)商品の圧倒的コストパフォーマンスです。
約1000品目を超えるPB商品を展開し、なかには容器すら自社製造するという徹底ぶりで、製造は岡山県や京都府に構える自社工場で行われ、仕入れから製造、物流、販売までを一貫して担う垂直統合モデルを構築しています。
この仕組みにより、中間マージンをカットしつつ大量生産が可能となり、他社製品より安く販売することができているのです。
しかも広告費も一切不要、全国流通を前提とするナショナルブランドとは異なり、「売るのはラ・ムーだけ」なので、宣伝コストゼロで価格に還元しています。
陳列も配送も最低限、徹底した店舗コスト削減
店舗を訪れた人なら一目でわかるのが、装飾を排したシンプルな売場、商品は段ボールごと棚に並べられ、常温品はパレットの上にそのまま陳列、これにより人件費や備品費が大幅にカットされています。
また、商品は深夜帯に納品され、店員が直接店頭へ運ぶことで保管用倉庫のスペースと管理コストも最小限に抑えられています。
郊外に大型店舗を構えることで土地代も抑え、24時間営業ながらもセルフレジ導入により少人数運営が可能になり、これらの細やかなコストカットが、あの「198円弁当、63円牛乳、100円たこ焼き」の低価格の実現につながっているのです。
さらに、ラ・ムーの棚をよく見ると、牛乳1種、ジュース1種など、取り扱い商品が絞り込まれていることに気づきます。
これは「売れる商品だけを集中して扱う」ことで、大量仕入れによる原価の引き下げと在庫管理の効率化を両立させる戦略です。
例えば、オレンジジュースで「なっちゃん」が売れるとわかれば、他の商品は扱わず「なっちゃん」一本に絞る、この「選択と集中」によって、仕入れ交渉力を強めつつ無駄な在庫も出さないという合理的な売場が実現しています。
加えて、商品のパッケージや見た目に費用をかけないことで、価格に直接跳ね返す工夫もされており、コスパだけでなく回転率と効率性も兼ね備えた商品構成が、ラ・ムーの安さを支える柱となっているのです。
現金オンリーで手数料ゼロ
多くの店舗がPayPayなどQRコード決済やクレジットカード決済を導入するなか、ラ・ムーでは現金払いのみという徹底ぶりです。
これは不便に感じる人も多いかもしれませんが、これもコスト削減のための戦略で、キャッシュレス決済には、導入費や運用コスト、そしてカード会社に支払う手数料が発生してしまいます。
ラ・ムーはこれらをすべてカットし、その分を商品価格に反映、結果的に他店より数十円〜数百円単位で安い価格設定が可能になっているのです。
もちろんその分、レジでは多少時間がかかることもありますが、「少しの不便=大きな節約」という考え方が、庶民の心をつかんでいるとも言えるでしょう。
大黒天物産独自のQRコード決済「大黒天Pay」が利用でき、事前チャージで対象商品を購入すると1P=1円で使えるポイント制となります。
まとめ
ラ・ムーの激安価格は、単なる値下げではなく、戦略的かつ徹底したコスト管理によって実現されています。
自社製造・簡素な陳列・現金主義など、すべての仕組みが「安さ」に直結しているのです。
これほどまでに価格にこだわるスーパーは、全国を見渡しても他に類を見ません。
物価高が続く今だからこそ、ラ・ムーのような存在が多くの家庭にとって救世主となっているのは間違いないでしょう。
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