高校を中退して妹を育てた兄が、妹の婚約者から「中卒のお兄さんは結婚式に来ないでほしい」と言われます。
それでも妹の晴れ姿をどうしても見たかった兄は、ある決断を下します。
兄と妹の感動秘話
兄の名前はタケル、高校3年生の時に、彼の両親が事故で突然亡くなってしまいました。
タケルには中学生の妹、ユリがいて、彼は両親の代わりに妹を育てるために高校を中退し、働くことを決めました。
親戚に頼ることもできたけど、自分の手で妹を育てたいと強く思ったんです。
タケルはバイトを掛け持ちして、家事も全部やって、毎日必死に頑張っていました。
ユリに不自由な思いをさせたくなかったんですね。
でも、そんな彼の努力にもかかわらず、ユリは反抗期に入り、高校も行きたがらなくなります。
「は?お兄ちゃんも高校中退したじゃん!私には行けっていうの?」
それでもタケルは諦めず、ユリに高校に行くように説得しました。
「俺が中退して働くのがどれだけ大変か知ってるだろ?お前にはもっと楽な道を歩んでほしいんだ」と。
ユリは渋々ながらも高校に通い始め、何度か辞めそうになりながらも、なんとか卒業しました。
高校を卒業したユリは、キャバクラで働くことを選びました。
タケルは反対しましたが、ユリの意思は固く、彼女は家を出て行きます。
それでもタケルはいつもユリのことを気にかけ、メッセージを送り続けました。
返信はなくても、既読がつくだけで満足していたんです。
しかし、そんなある日、ユリから珍しく会いたいと連絡が来た…。
すると、婚約者を紹介された。
婚約者はエリートサラリーマンで、お義兄さんは「結婚式には来ないでほしい」と婚約者から言われました。
理由は、「自分の妻の身内に中卒がいると恥ずかしいし困るから」と…。
タケルはショックを受けましたが…
「わかりました。後で写真だけでも見せてくださいね。」
「はい、その時はこちらから連絡しますので、今後そちらからの連絡もお控えください。」
妹の幸せを優先し、結婚式には行かないことにしました。
でも、どうしてもユリの花嫁姿を一目見たかったタケルは、式当日にこっそり会場に忍び込みました。
警備員「おい、お前、そこで何してる!」
兄「あ、すみません!怪しい者ではありません、新婦の兄でして…」
婚約者「お義兄さん、約束が違いますよね?馬鹿な真似してアホな兄がいるとバレたらどうするんですか!?」
兄「すみません…でもどうしてもドレス姿を一目でいいから見たかったのです…中学の時から一人で妹を守り育ててきました。そんな妹の結婚式を兄として…祝いたかったのです…お願いです…末席で構わないので参列させていただけませんか…?」
タケルの思いは届かず、そのまま式場から追い出されました。
すると、その夜…ユリが家を訪ねてきた。
「ユリ…どうしてここに?」
「結婚するの…辞めてきた…お兄ちゃん今までごめん…一生懸命頑張ってくれていたのに素直に感謝できなくて…お兄ちゃんを式に呼びたかったのにあいつに言えなかった…こんな馬鹿な妹…許せないよね…」
「そんなことないよ…ユリはいつだって大事な妹だと思っている。それはこれからも変わらない…」
それから、再び一緒に暮らし始めることになりました。
しばらくすると、元婚約者が復縁を迫るようになり、完全にストーカー化します。
日に日に酷くなる行為…堪らず警察に連絡すると、元婚約者の親が平謝り、慰謝料と口止め料を払って二度と近づけないことを約束して解決しました。
その後、ユリは天職だという、キャバ嬢に復帰して毎日楽しそうに過ごしています。
そして、ユリは新しい素敵なパートナーを見つけ、再び結婚を考えています。
タケルも、キャバクラで働くユリの同僚と恋愛関係になり、幸せな日々を送っています。
まとめ
家族の絆はどんな状況でも強く、互いを思いやる気持ちがあれば困難を乗り越えられるということです。
皆さんも、大切な人との絆を大切にしてくださいね。
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