次世代テレビとして大きな期待を集めた4Kテレビ、フルHDの4倍という高精細な映像を武器に2000万台以上が販売され、近い将来のテレビ放送はすべて4Kになると考えられていました。
しかし、現実には地上波4K放送は実現せず、2027年には民放各局がBS4K放送から撤退する方針も報じられています。
地上波4K化が進まなかった最大の理由
4Kテレビが期待された一方で、最大の壁となったのが日本の放送インフラ、4K映像はフルHDよりはるかにデータ量が大きく、現在の地上波放送で使われている電波帯域では、その映像を十分な品質で送ることができません。
そのため、多くの地上波番組は従来のHD映像を4Kテレビ向けに拡大表示しているだけで、本来の4K画質ではありません。
テレビ本体は4K対応でも、放送そのものが4Kではないため、期待したほど画質の違いを感じられないケースも少なくありません。
さらに、地上波を本格的に4K化するには、放送局側もスタジオカメラや中継車、編集システム、送信設備まで大規模な更新が必要になります。
しかし、テレビ離れが進み広告収入も減少する中、数千億円規模ともいわれる設備投資を回収できる見込みは乏しく、民放各局にとっては現実的な選択肢ではないです。
加えて、視聴スタイルも大きく変化しており、若い世代を中心にYouTubeやTVer、Netflixなどをスマートフォンやタブレットで楽しむ人が増え、4Kテレビがなければ見られないコンテンツが少ない現状では、高価なテレビを買い替える理由も薄れているのです。
BS4K撤退が示したテレビ業界の現実
こうした状況を象徴する出来事が、民放5局によるBS4K放送撤退の方針です。
表向きは広告収入の減少やコスト増加が理由とされていますが、制作現場からは「終わってよかった」という安堵の声も聞かれています。
実際、民放BS4Kでは4K制作番組は限られ、多くの時間帯はドラマの再放送や通販番組が占めていました。
一方、NHKは現在も4K・8K番組を制作していますが、これは受信料という安定した財源があるからこそ可能な面もあります。
自然番組や紀行番組では4Kの美しさが発揮される一方、多くの視聴者は画質よりも番組内容を重視しているのが現実です。
結局のところ、4Kは優れた技術でありながら、視聴者が本当に求める価値と放送業界の採算が一致しませんでした。
これからの高画質映像は、地上波放送よりもNetflixやYouTubeなどのネット配信サービスを中心に発展していく可能性が高く、テレビ業界も画質競争からコンテンツ競争へと軸足を移しつつあるのです。
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