海は平成の香りがする…そんな言葉が若い世代から聞かれるようになりました。
かつて夏のレジャーの定番だった海水浴ですが、現在は利用客が大幅に減少し、全国で海水浴場の閉鎖も相次いでいます。
その背景には猛暑や人手不足だけでなく、若者の価値観やライフスタイルの変化もあるようです。
海水浴場が次々と姿を消す…運営を苦しめる現実

7月20日の「海の日」は全国的に晴天となり、神戸市の須磨海水浴場や鹿児島市の磯海水浴場、お台場の海水浴イベントなど、多くの場所で家族連れや観光客が夏の海を楽しみました。
しかし、その一方で全国では海水浴場の閉鎖が相次いでいます。
日本観光振興協会によると、国内の海水浴場は2016年の1,111か所から2025年には966か所まで減少、わずか10年間で約13%減少した計算になります。
1985年には約3,790万人が海水浴を楽しんでいましたが、2024年には約440万人まで落ち込み、約40年間でおよそ9割も減少しました。
安全監視員や駐車場管理スタッフなど人材確保が難しくなり、さらに物価高による人件費や施設設営費の上昇で毎年数百万円規模の赤字を抱え、今夏の開設を断念した海水浴場も多くあります。
さらに、近年は猛暑も追い打ちをかけており、「暑すぎて屋外に長時間いられない」という人が増え、海よりも屋内プールやショッピングモールを選ぶケースも珍しくありません。
変わったのは自然との距離感
海水浴客が減った理由は、単純に若者が海へ行かなくなった、だけではありません。
実際には、自然そのものへの興味が失われたわけではなく、どんな自然を楽しみたいか?が変わってきたと考えられています。
かつて1980~90年代は、日焼けは健康的でおしゃれというイメージがあり、リゾートブームも重なって多くの若者が海へ足を運んでいました。
しかし現在は、美白志向の広がりや紫外線による健康リスクへの認識が浸透し、日焼けしたくないという人が増えています。
その一方で人気を集めているのが、キャンプやグランピング、森林浴、川遊び、サウナといったレジャーで、静かで落ち着いた環境の中で自然を楽しめることや、プライベート感を重視できることが支持されており、自然に触れたいという気持ちは昔も今も変わりません。
ただ、求めるものが賑やかさや開放感から、癒やしや快適さへと変化しているのです。
まとめ
海水浴客の減少は、猛暑や物価高、人手不足といった社会的な課題に加え、若い世代の価値観やライフスタイルの変化が重なった結果といえます。
一方で、自然を求める気持ちは今も変わらず、多くの人が森や川、キャンプなど別の形で自然と触れ合っています。
これからの海は泳ぐ場所だけではなく、景色や食、イベントなどを含めた新しい魅力を発信できるかどうかが、多くの人を呼び戻す大きな鍵となりそうです。
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