リフォームや注文住宅をテーマにしたテレビ番組は、2000年代を代表する人気ジャンルの一つでした。
しかし現在では、リフォーム需要が減ったわけではないにもかかわらず、なぜテレビから消えてしまったのでしょうか。
テレビ業界で人気ジャンルだったリフォーム番組
リフォーム番組が最も盛り上がったのは1990年代後半から2010年代前半にかけてでした。
流れを作ったのは、1992年にスタートした「TVチャンピオン」で、2002年にスタートした「大改造!!劇的ビフォーアフター」が、その人気を決定的なものにします。
こうしたリフォーム番組は、単なる住宅紹介ではなくドラマ性のある番組構成で、完成後に家族が涙を流すシーンも名物となり高視聴率を記録、出演した施工会社には工事依頼が殺到するなど、番組と建築会社の双方に大きなメリットがありました。
また、テレビ東京の「完成ドリームハウス」は、注文住宅をゼロから建てる様子を追う番組で、変形地や崖地など難しい土地に個性的な住宅を建てる内容が話題となりました。
当時は住宅関連番組が複数放送され、リフォーム・DIY・注文住宅というジャンルがテレビの人気コンテンツとして定着していた時代だったのです。
なぜ人気番組が次々と終了したのか?
高視聴率だった住宅番組ですが、2016年には大改造!!劇的ビフォーアフターのレギュラー放送が終了、続けて完成ドリームハウスも終了し、現在はリフォーム番組を地上波で見る機会は大きく減っています。
最大の理由は、建築業界の環境が大きく変わったことで、東日本大震災の復興工事や東京オリンピック関連の建設ラッシュにより、多くの職人や建設会社が一般工事へ集中、テレビ番組に協力できる施工会社を確保することが難しくなり、工期も予定通り進まないケースが増えていきました。
さらに制作費の問題もあり、スタッフや出演者の拘束期間が長くなったり、解体後に想定外の補修などが発生したりで、当初の予算を大幅に超えることもありました。
実際、劇的ビフォーアフターでは追加工事費をめぐる訴訟が発生し、建設会社が番組側を提訴したこともあります。
またSNSが普及しだすと、話題になった住宅に見物客が集まり、SNSやネット掲示板で拡散されるなど依頼者の生活に影響が及ぶケースも増え、依頼者・施工会社・テレビ局のすべてがリスクを抱えるようになりました。
一方で、建築会社にとってテレビ出演のメリットも以前ほど大きくなく、現在ではYouTubeやInstagram、自社サイト、検索広告などで直接集客できるため、テレビに出演しなくても効率よく顧客へアピールできる時代になったのです。
つまり、リフォーム需要そのものは現在も拡大していますが、その発信の場がテレビからインターネットへ移ったことが、住宅番組減少の大きな理由と言えるでしょう。
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