世界を震撼させた「ウィッタカー一族」の実話…近親婚を繰り返した家系に何が起きたのか?

世界を震撼させた「ウィッタカー一族」の実話…近親婚を繰り返した家系に何が起きたのか?

アメリカ・ウェストバージニア州の小さな村に暮らす「ウィッタカー一族」は、近親婚を何世代にもわたって繰り返してきた家族として世界的に知られています。

一族には知的障害や発達上の問題を抱える人が多く、その姿はドキュメンタリーによって世界中に衝撃を与えましたが、この出来事は単純に近親婚は危険という話だけではありません。

スポンサーリンク

ウィッタカー一族、世界を驚かせた近親婚

2004年、写真家でドキュメンタリー監督のマーク・ライタ氏は、ウェストバージニア州の人口800人にも満たない小さな村「オッド」を訪れます。

そこで出会ったのが、後に世界中で知られることになるウィッタカー一族でした。

初めて一家を訪れたライタ氏は、多くの家族が言葉をほとんど話せず、うなり声や身振りで意思疎通を図る姿を目にします。

突然逃げ出す人や、外部の人間を極度に警戒する様子は衝撃的で、近所の住民が銃を持って一家を守ろうとしたほどでした。

調査が進むにつれ、一族では何世代にもわたって近親婚が続いてきたことが判明します。

始まりは19世紀末、一卵性双生児の兄弟の子ども同士が結婚したことがきっかけとされ、その後も近い血縁者同士の結婚が繰り返されてきたのです。

近親婚は遺伝性疾患のリスクを高める

人は父親と母親から、それぞれ1セットずつ遺伝子を受け継いで生まれてきます。

分かりやすく例えるなら、父親と母親から1冊ずつ「体を作るための設計図」を受け取るようなものです。

実は、この設計図には誰でも多少の誤字や欠けたページがあります。

しかし片方の設計図にミスがあっても、もう一方が正常であれば補うことができるため、多くの人は健康に生活できるのです。

ところが、兄弟や姉妹の近い親戚同士は、同じ祖先から受け継いだ設計図を持っているため、同数ページに同じミスがあるというケースが起こりやすくなります。

その結果、子どもは父親・母親の両方から同じページのミスを受け継ぎ、正常な設計図で補えなくなってしまうのです。

これが、遺伝性疾患や先天性の障害が発症しやすくなる大きな理由です。

もちろん、近親婚をしたからといって必ず障害のある子どもが生まれるわけではありませんが、一般的な結婚と比べると、こうした遺伝性疾患のリスクが高くなることは医学的にも知られています。

また、ウィタカー一族の場合は、閉鎖的な地域社会の中で外部との交流が少なく、近親婚の危険性を知る機会そのものがほとんどなかったことも、大きな背景と考えられています。

写真家との交流が変えた人生

ライタ氏は、アメリカにも深刻な貧困が存在することを伝えるため、長年にわたり一家と交流を続けました。

彼の活動に共感した人々からは多額の寄付が集まり、壊れかけていた家の修繕やキッチンの改修、暖房設備の設置、中古トラックの購入など、生活環境は大きく改善されました。

しかし、2024年には家族の一人・ラリーが亡くなったという情報が流れ、世界中の支援者から寄付が集まりましたが、後になってラリーは生存が確認され、この情報が寄付を集めるための虚偽だったことが判明します。

この出来事にライタ氏は深く傷つき、一時は一家と距離を置くことを考えましたが、後にラリー本人から謝罪を受け、「私は理解することと許すことが得意なんだ」と語り、再び交流を続ける道を選びます。

この実話は、遺伝と社会環境の両方が人の人生に大きな影響を与えることを教えてくれる、現代にも通じる貴重な事例といえるでしょう。

あわせて読みたい|マタイク(mataiku)

世界を震撼させた「ウィッタカー一族」の実話…近親婚を繰り返した家系に何が起きたのか?
最新情報をチェックしよう!