北海道日本ハムファイターズが去り、一時は約6億5,000万円もの最終赤字を計上した札幌ドーム、このまま赤字を垂れ流すのでは?と厳しい視線が向けられていましたが、最新の2025年度決算では営業利益2億1,100万円の黒字を達成しました。
しかも今回は基金による補填ではなく本業で稼いだ結果、年間数十試合を開催していたプロ野球を失った巨大ドームは、なぜここまで立て直すことができたのでしょうか。
日本ハム移転で6億円超の赤字、それでも札幌ドームは変わり始めた
札幌ドームにとって最大の転機となったのが、2023年の北海道日本ハムファイターズの本拠地移転でした。
球団は北広島市にエスコンフィールドHOKKAIDOを開業、これによって札幌ドームはプロ野球の試合という年間を通じた大きな収入源を失います。
移転後の2023年度には、最終赤字約6億5,100万円を計上し経営を不安視する声が相次ぎました。
そこで札幌ドームは、大規模イベントだけに貸すという従来の発想から転換し、展示会や就職関連イベント、地域行事などにも利用の幅を広げ、大規模イベントがない日にも施設を動かす方向へシフト、MICEの誘致や自主事業、新規事業などにも取り組み、プロ野球に依存しない施設を目指してきました。
2024年8月には大和ハウス工業とネーミングライツ契約を結び、名称を「大和ハウス プレミストドーム」に変更、イベント開催状況だけに左右されない安定収入も確保し、2024年度には最終損益で4,000万円台の黒字まで回復します。
ただし、札幌市のスポーツ振興基金による補填もあり、本業のもうけを示す営業利益では5,600万円の赤字、つまりこの段階ではまだ、自力で完全に黒字化したとはいえない状況でした。
日本ハムファイターズなしで初の本業黒字
大きな転換点となった2025年度、2026年3月期の売上高は前年度比24%増となり、営業利益は前年度の5,600万円の赤字から一転して、2億1,100万円の黒字となりました。
日本ハムが移転して以降、本業で営業黒字を達成するのは初めてです。
興味深いのは、イベント開催日数が前年度より10日少ない119日だったにも関わらず、売上が大きく伸びた背景には、イベントの量だけではなく稼ぐ力の改善です。
嵐やSnow Manなどの大型コンサートが開催され、会場利用に加えてグッズや飲食などの物販収入も好調、2025年4月からの施設利用料金の値上げや、ネーミングライツ収入を初めて通年で計上できたことも追い風となりました。
もっとも、これで完全復活したわけではありません。
だからこそ「ファイターズは戻ってくることはないので、きちんと独り立ちをして経営していく」という言葉が、現在の札幌ドームを象徴しているのかもしれません。
本当の意味で、ファイターズなしでも安定して稼げるドームになれるか…これからが本当の勝負となりそうです。
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