「乳酸菌はからだにいい」とよく耳にしますが、具体的にどういいのか、どんな変化があるのかは、詳しく知らない人もいるかもしれません。
実は乳酸菌は、おなかの調子を整えるだけではなく、肌、体型、免疫力など、年齢とともに気になってくる悩みにも深く関係しています。
40代からのからだをやさしく整えるパートナーとして、乳酸菌の力に改めて注目してみましょう。
なぜ40代から乳酸菌を意識すべきなのか
乳酸菌というと、まず思い浮かぶのは「腸内環境を整える」というイメージですよね。
しかし、それだけでは終わらないのが乳酸菌のすごいところ。
腸を整えることが、全身のバランスを整えるきっかけになると考えられているのです。
腸は全身とつながっている
腸は、食べたものを消化・吸収し、不要なものを体外に出すという重要な働きを担っています。
さらに最近では「腸は第二の脳」とも呼ばれ、脳・肌・免疫など、全身に影響を与える存在だという考え方が広がっています。
腸が整えば、心やからだのバランスにも変化があらわれやすくなるのです。
年齢とともに変わる腸内環境
40代を過ぎると、腸内にいる善玉菌の割合が徐々に減っていくといわれています。
ストレスや睡眠不足、偏った食事などが続くことで、腸内のバランスが崩れやすくなり、悪玉菌が増える原因にも。
便秘や肌荒れ、疲れやすさなど「なんとなく不調」の背景には、腸内環境の変化が潜んでいることもあるのです。
乳酸菌が関わる3つのからだの変化
腸内環境を整えることで得られるメリットは、便通の改善にとどまりません。
乳酸菌を意識して摂ることで、次のような変化があらわれる可能性があります。
肌の調子が整いやすくなる
腸と肌には密接な関係があります。
腸内環境が乱れると、老廃物の排出がうまくいかなくなり、肌に影響が出やすくなるのです。
「最近、吹き出物が増えた」「乾燥が気になる」と感じているなら、肌表面だけではなく腸を見直すタイミングかもしれません。
乳酸菌を摂ることで腸内細菌のバランスが整い、肌の状態も改善されるでしょう。
脂肪がつきにくくなる
肥満や糖尿病といったからだの変化にも、腸内環境の乱れが関係していることがあります。
腸の中には、脂肪の分解や代謝を助ける働きをもつ菌がいて、これらの菌が元気に働いていると、からだに脂肪がつきにくくなるといわれています。
ところが、肥満や糖尿病などの人では、こうした菌が腸内に少なくなっているケースがあるのです。
乳酸菌を摂ることで、腸内のバランスが整い、脂肪をためこみにくい環境づくりに役立つと考えられています。
免疫バランスが整いやすくなる
腸には、からだの中の免疫細胞の多くが集まっているといわれています。
つまり、腸内の状態がよくなることで、ウイルスや菌に負けにくいからだづくりにつながるということ。
「風邪をひきやすくなった」「季節の変わり目に体調をくずしがち」という人にも、腸内環境を整えるメリットは大きいのです。
乳酸菌をとることで、腸のバランスが整い、からだを守る力も働きやすくなるでしょう。
乳酸菌を摂るにはどうすればいい?
ここまで読んで「乳酸菌を意識して摂ってみたい」と思ったら、どうぞ始めてみてください。
では、どんな方法で摂るのがいいのでしょうか?
毎日の暮らしに取り入れやすい2つの方法をご紹介します。
発酵食品から摂る
ヨーグルト、チーズ、キムチ、ぬか漬け、味噌などの発酵食品には、乳酸菌が多く含まれています。
とくにヨーグルトは種類が豊富なので、自分の体調や味の好みに合うものを選んで続けてみるといいでしょう。
また、乳酸菌は種類によって働きが少しずつ異なるため、いろいろな発酵食品をローテーションで摂るのもおすすめです。
サプリメントで手軽に摂る
忙しい日々のなかで毎日発酵食品を食べるのがむずかしいという人には、サプリメントという選択肢もあります。
最近のサプリメントは「複数の乳酸菌を配合している」「飲み物や食事に混ぜやすいパウダータイプ」など、工夫されているものが多く、手軽に続けやすいのが魅力です。
乳酸菌だけでなく、オリゴ糖や食物繊維など、腸内での働きをサポートする成分が一緒に含まれているものもあります。
「まずは試してみたい」「忙しくて食事だけだと不安」という人は、サプリを上手に活用するのもいい方法です。
まとめ
乳酸菌は、おなかの調子を整えるだけではなく、肌・脂肪・免疫など、からだのさまざまなバランスに関わっています。
とくに40代以降は、加齢や生活習慣の影響で腸内環境が乱れやすく「なんとなく不調」が増えてくる時期。
そんなときこそ、乳酸菌を意識して摂る生活を始めてみましょう。
毎日のごはんに発酵食品を加えたり、手軽にサプリメントを摂り入れたり。
小さな習慣でも、続けていくことでからだの内側から変化があらわれるかもしれません。
「調子がいいな」と感じる日が増えていくよう、自分のからだをいたわる一歩を踏み出してみてください。
<この記事の監修者>
一般社団法人日本サプリメント協会理事長|後藤 典子(ごとう のりこ)
同志社大学文学部を卒業後、編集プロダクションを経て、医療・健康ジャーナリストに。
Youtubeチャンネルで健康リテラシー向上のための情報を発信している。
2023年よりSフードプロジェクトのリーダーとして、機能性表示食品ののぞましい発展を支援する活動をしている。
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