「秋は気分が沈みがち」と感じていたら、「秋うつ」の兆候かもしれません。
「すぐに回復する」と思って過ごしていると、うつの初期症状を見逃してしまう可能性もあります。
うつ病は、兆候を見逃さず、早めに対策することが大切です。
この記事では、秋うつの症状や対策についてご紹介していきます。
秋の季節性うつ(SAD)とは
秋の季節性うつ(SAD)とは、秋から冬にかけてあらわれるうつ症状のことで、春先の3月ごろになるとよくなるというパターンを繰り返す(周期性)のが特徴です。
一般的なうつとは異なり、病気の発症時期として季節性があるほか、明らかな心理的原因がないことが診断のポイントとなります。
秋うつの症状
秋うつでも、気分が落ち込む、不安や焦燥感がある、思考力や集中力の低下など、うつでよくみられる症状があらわれます。
一方で、過眠や過食、体重増加などもみられるのが、秋うつの特徴です。
とくに、炭水化物を摂りたいという欲求が高くなり、白米やパン、チョコレートなどの菓子類を食べたくなるといわれています。
秋うつの原因
秋うつの原因は、日照時間の変化であると考えられています。
日照時間が減少すると「セロトニン」と呼ばれる脳内物質が生産されにくくなります。
さらに、ストレスによってセロトニンの働きが弱まると、秋うつを発症しやすくなるのです。
秋うつは早めの対策が大事
うつは、ストレスなどの原因があって発症すると思っている人も多いでしょう。
しかし、秋うつははっきりした心理的要因がなくても発症するため、「自分はうつかも」と気づけないまま症状が進行してしまう可能性があります。
一般的に、うつ病は治療開始が遅れるほど回復にも時間がかかるとされているため、うつ病の改善には早期発見と早期治療が大切です。
日常生活に支障が出ている場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
秋うつの予防方法
秋うつは誰でもなる可能性があるため、たとえ症状を感じていなくても、早めの予防が大切です。
秋うつの予防には、セロトニンを補い、ストレスを解消していきましょう。
朝の光を積極的に浴びる
目が覚めたら、まずはカーテンを開けて朝の光を浴びるようにしましょう。
朝の光を浴びることで、セロトニンの産生を促せるだけでなく、体内時計をリセットする効果も期待できます。
また、日中も散歩したり、窓際に座ったりして、できるだけ太陽光を浴びるようにしてください。
トリプトファンを摂取する
トリプトファンは、必須アミノ酸の一種で、セロトニン生成の材料になります。
秋から冬にかけて、積極的に摂取しましょう。
トリプトファンは、大豆、牛乳、卵、魚、肉などに含まれます。
感情の整理をする
ここまではからだへのアプローチを紹介してきましたが、秋うつの予防には心のケアも大切です。
誰かに話を聞いてもらうだけでも、感情が整理され、気持ちが落ち着くかもしれません。
また、それ以外にもジャーナリングと呼ばれる方法もあります。
ジャーナリングは書く瞑想ともいわれています。
用意するのは紙とペンのみです。
一定時間の中で頭に浮かんだことを紙に書いていくことで、自己理解が深まり、ストレスの軽減が期待できます。
秋うつ対策には漢方薬もおすすめ
秋うつ対策には、漢方薬もおすすめです。
漢方薬は、西洋薬のような対症療法ではなく、根本からの体質改善を得意とするので、季節の変わり目でも秋うつが起きにくい体質へと導いてくれます。
秋うつ対策には、「気分の落ち込みや不安感を軽減する」「精神の高ぶりを鎮める」「血流をよくして自律神経のバランスを整える」といった働きのある漢方薬を選ぶといいでしょう。
秋うつの対策におすすめの漢方薬
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
エネルギーを巡らせ、からだにこもった熱を冷ますことで、ストレスを和らげます。不安、動悸、不眠、イライラや抑うつ症状がある人におすすめです。
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
からだにこもった熱を冷まして精神を安定させ、イライラや神経症に働きかけます。疲れやすく、肩がこりやすい人におすすめです。
たくさんの漢方薬のなかから、自分の体質に合った漢方薬を選ぶなら、「あんしん漢方」というオンラインサービスを使うといいでしょう。
スマホひとつで漢方薬に精通した薬剤師に相談でき、最新のAIを用いて選定したあなたにぴったりな漢方薬を提案してくれるので、誰でも安心して服用できますよ。
まとめ
秋の季節性うつ(SAD)は、日照時間の減少によりセロトニンが不足することが原因で発症するとされています。
日常生活に支障をきたす前に、朝の光を浴びる、トリプトファンの摂取、心のケアなどをして秋うつを予防し、毎年の悩みを軽減しましょう。
公式|あんしん漢方
<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発にも携わる。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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