不安やイライラは腸から?腸内フローラとメンタルの意外な関係

不安やイライラは腸から?腸内フローラとメンタルの意外な関係

「最近、ちょっとしたことでイライラする」

「理由もなく不安になる」

こうした心の不調は、ストレスや疲れのせいだけだと思っていませんか?

実はその背景に「腸内フローラ」が関わっている可能性があります。

腸と脳は密接につながっていて、腸内環境の乱れがメンタルに影響を与えることが研究でも示されているのです。

ここでは、腸と心のつながりから、腸内フローラの乱れによって起きるメンタル不調、さらに心を整えるためにできる腸活習慣までわかりやすく解説します。

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腸と心はつながっている

まずは、腸と心の関係について基本を押さえていきましょう。

腸は「第二の脳」と呼ばれる

腸は単に食べ物を消化して栄養を吸収する器官ではありません。

腸の壁には「腸管神経系」という神経ネットワークが広がっており、その神経の数は脊髄と同じ程度といわれています。

そのため腸は「第二の脳」と呼ばれ、心とからだの両方に大きな影響を与えているのです。

腸の働きが乱れると、脳にストレスが伝わりやすくなり、気分の落ち込みや不安感を感じやすくなると考えられています。

腸内フローラと幸せホルモンの関係

腸の中には100兆個以上の細菌が住んでおり、この集まりを「腸内フローラ」と呼びます。善玉菌・悪玉菌・日和見菌のバランスが健康のカギです。

この腸内フローラは、気分を安定させる「セロトニン」という神経伝達物質の働きとも深く関わっています。

セロトニンは別名「幸せホルモン」と呼ばれ、気持ちを前向きにしたり、集中力を高めたりする役割を担います。

驚くことに、セロトニンの約9割は腸でつくられているのです。

腸内環境が整っているかどうかが、心の安定に直結しているといえます。

ストレスは腸内環境を乱す

一方で、ストレスは腸内環境を乱す大きな要因です。

仕事や人間関係などで強いストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、腸の動きが鈍ったり、逆に過敏になったりします。

これが便秘や下痢といった不調を招くだけでなく、腸内フローラのバランスも崩すのです。

「不安でおなかが痛くなる」「緊張するとトイレが近くなる」という経験は、腸と心がつながっていることを実感できる例といえるでしょう。

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腸内フローラの乱れとメンタルの関係

腸内フローラのバランスが乱れると、心にどんな影響が出るのでしょうか。

詳しくみていきましょう。

不安やイライラが増える

腸内環境が悪化すると、善玉菌が減って悪玉菌が増えやすくなります。

その結果、腸の中で有害物質がつくられ、血液を通じて脳に伝わることで、不安やイライラが強くなる可能性があります。

「理由もなく落ち込む」「気分が安定しない」という人は、腸内フローラの乱れが影響しているかもしれません。

集中力ややる気の低下

腸内フローラの乱れは栄養吸収にも悪影響を与えます。

脳のエネルギー源となる栄養素が不足すると、集中力が続かなかったり、やる気が出なかったりします。

睡眠の質が悪くなる

セロトニンは夜になると「メラトニン」という睡眠ホルモンに変わり、眠りをサポートします。

腸内環境が乱れてセロトニンの量が減ると、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。

「寝ても疲れが取れない」「朝から気分が重い」と感じる人は、腸内フローラの状態を見直す必要があるかもしれません。

心を整えるためにできる腸活習慣

腸とメンタルの関係がわかったところで、次は実践できる腸活の工夫を紹介します。

発酵食品と食物繊維を意識する

腸活といえば、まずは食事からです。

ヨーグルトや納豆、味噌、キムチなどの発酵食品には善玉菌が含まれています。

毎日の食事に少しずつ取り入れるだけでも腸内環境をサポートできます。

さらに大切なのが、善玉菌のエサとなる食物繊維。

野菜や果物、海藻、豆類、全粒穀物などを意識的に摂りましょう。

腸内フローラは多様性が重要なので、できるだけさまざまな食品を組み合わせるのがおすすめです。

睡眠と運動で腸を動かす

腸の働きを整えるには、生活リズムを安定させることも大切です。

ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は腸の動きを活発にし、同時にストレス解消にも役立ちます

また、十分な睡眠をとることも腸内フローラを守るポイントです。

夜更かしやスマホの見すぎを控え、腸と心を休める時間をつくりましょう。

サプリメントを活用する

忙しい毎日の中では、食事だけで腸内フローラを整えるのが難しいこともあります。

そんなときはサプリメントの力を借りるのもひとつの方法です。

乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクス、オリゴ糖や食物繊維といったプレバイオティクスを含むサプリメントは、腸活をサポートしてくれます。

あくまで補助的な手段ですが、腸から心を整える習慣づくりに役立ちます

まとめ

不安やイライラ、集中力の低下、睡眠の質の悪化。

これらの心の不調は、腸内フローラの乱れが影響している可能性があります。

腸は「第二の脳」と呼ばれるほど心とつながっており、腸内環境を整えることがメンタルケアの第一歩になるのです。

発酵食品や食物繊維を意識した食事、十分な睡眠、適度な運動、そしてサプリメントの活用。

こうした腸活習慣を日々の生活に取り入れることで、心とからだのバランスを整えることができます。

「なんだか不調が続く」と感じている方は、ぜひ腸内フローラに注目し、今日からできることを始めてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー。総合病院の糖尿病病棟での勤務経験を活かし、発酵食品や野菜を積極的に取り入れる生活を実践。牛角・吉野家他薬膳レストランなど15社以上のメニュー開発に携わった経歴を持つ。

手作りの味噌や毎食欠かさずキムチを食べるなど、腸活を意識した食習慣を心がけている。季節の食材や薬膳の知識を活かした料理にも関心があり、日々の食卓で腸にやさしいレシピを探求中。

【今日から腸活】
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