「階段を上ると息が切れる」「以前より歩くのが遅くなった」「椅子から立ち上がるときに力が必要になった」このような変化を感じていませんか?
40〜50代以降になると、足腰の衰えが気になっても「年齢のせいだから仕方がない」と考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、足腰の状態には年齢だけでなく、日頃の運動量や食事の内容も関係しています。
これからも自分の足で歩き続けるために、まずは毎日の過ごし方を見直してみましょう。
今回は、足腰の衰えを感じたときに取り入れたい運動や食事、冷え対策についてご紹介します。
「階段がつらい」は足腰の衰えのサインかも

階段の上り下りがつらい、歩く速度が遅くなった、立ち上がるときに手をつくようになったといった変化は、足腰が衰え始めているサインかもしれません。
歩く、立つ、階段を上るなどの動作には、筋肉だけでなく、骨や関節、神経なども関わっています。
これらの働きが低下し、立つ・歩くといった移動する力が弱くなった状態を「ロコモティブシンドローム」といいます。
足腰の衰えを放置すると、外出がおっくうになり、さらにからだを動かす機会が減ってしまうことも。
「まだ生活には困っていないから」と見過ごさず、気づいたときから対策を始めることが大切です。
足腰が衰えるのはなぜ?年齢以外にも目を向けよう

足腰の衰えには加齢による変化だけでなく、運動不足や食生活も影響します。
普段の過ごし方を振り返り、思い当たる習慣がないか確認してみましょう。
運動不足で筋肉を使う機会が減っている
足腰が衰える原因のひとつは、筋肉を使う機会が減ることです。
仕事中は座りっぱなしで、移動には車や電車を使い、休日も家の中で過ごすことが多いと、脚を動かす時間は短くなります。
筋肉は使わない状態が続くと少しずつ衰え、歩く、立ち上がるといった日常動作にも負担を感じやすくなるのです。
さらに、動くことがつらくなると外出を避けるようになり、活動量がいっそう減るという悪循環に陥る可能性もあります。
食事量の減少や偏りで必要な栄養が不足している
食事量が少なかったり、栄養が偏ったりしている場合も、筋肉を維持しにくくなります。
筋肉の材料となる栄養素はたんぱく質です。
ただし、たんぱく質だけを摂ればいいわけではありません。
食事から摂るエネルギーが足りないと、からだは筋肉をつくるたんぱく質をエネルギー源として使ってしまいます。
そのため、肉や魚などのおかずだけでなく、ごはんやパンなどの主食、野菜を使った副菜も組み合わせることが大切です。
体重を増やしたくないからと食事を抜いたり、パンや麺だけで済ませたりしている人は、普段の食事内容を振り返ってみましょう。
足腰を支えるために始めたい生活習慣5選

足腰を守るためには、特別な運動を一度だけ頑張るよりも、無理なく続けられる習慣をつくることが重要です。
日常生活に取り入れやすい5つの方法をご紹介します。
座りっぱなしの時間を減らす
長時間座っている人は、途中で立ち上がる機会をつくりましょう。
仕事の区切りに飲み物を取りに行く、テレビの合間に立ち上がって足踏みをするなど、短い時間でも構いません。
「1時間仕事をしたら一度立つ」のように、自分でタイミングを決めておくと実践しやすくなります。
立ち上がることが難しい場合は、座ったまま足首を動かしたり、ひざを伸ばしたりするだけでも、からだを動かすきっかけになります。
散歩などで少しずつ歩く時間を増やす
歩く習慣がない人は、短い散歩から始めてみましょう。
最初から長い距離を歩こうとせず、家の周りを5〜10分ほど歩くなど、無理のない範囲から取り組みます。
慣れてきたら、近所の買い物に歩いて行く、いつもより少し遠回りするなど、生活のなかで歩く機会を増やしてみてください。
歩数の目標を達成することにこだわらず、体調に合わせて続けることが大切です。
椅子からの立ち座りで脚の筋肉を使う
椅子からの立ち座りは、太ももやお尻など、歩行を支える筋肉を使う動作です。
日本整形外科学会も、スクワットが難しい人には、椅子に腰かけて机に手をつきながら立ち座りを繰り返す方法を紹介しています。
動かない安定した椅子を使い、足の裏を床につけた状態から、ゆっくり立ち上がって再び座りましょう。
息を止めず、まずは数回から始めます。
ひざや腰に痛みを感じた場合は、すぐに中止してください。
毎食たんぱく質を取り入れる
筋肉を維持するために、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などを毎日の食事に取り入れましょう。
朝食がパンだけなら、卵やヨーグルトを加えるだけでも食事の内容が整います。
昼食に麺類を選ぶときは、鶏肉や卵、豆腐などを組み合わせるといいでしょう。
夕食だけでまとめて摂ろうとせず、朝・昼・夕のそれぞれでたんぱく質を含む食品を食べることがポイントです。
入浴や服装で足腰の冷えを防ぐ
寒い環境では熱を逃がさないように血管が収縮し、血液の流れが悪くなります。
その結果、筋肉が硬くなったり関節の動く範囲が狭くなったりして、歩く、立ち上がるといった動作をしにくくなることがあります。
足腰が動かしにくい状態が続くと、外出や運動を避けるようになり、筋肉を使う機会も減りかねません。
寒い日は靴下やレッグウォーマー、ひざ掛けなどを活用し、足腰を冷やさないようにしましょう。
シャワーだけで済ませることが多い人は、体調に合わせて湯船につかり、からだを温めるのもひとつの方法です。
足腰の冷えや痛みが気になるときは漢方の相談も

生活習慣を見直しても足腰の冷えや痛みが気になる場合は、根本改善を目指す漢方薬を取り入れる方法もあります。
漢方薬は、同じ腰痛や脚の痛みでも、冷えの有無や疲れやすさ、胃腸の状態などを踏まえて選ぶことが大切です。
たとえば、八味地黄丸(はちみじおうがん)は、体力が中等度以下で疲れやすく、手足が冷えやすい人の腰痛や下肢痛、しびれなどに用いられます。
ただし、胃腸が弱い人には適さない場合があるため、症状だけを見て自己判断で選ばないようにしましょう。
漢方薬には体質との相性があり、合わない薬を服用すると、十分な効果を得られなかったり、体調を崩したりする可能性があります。
どの漢方薬を選べばいいかわからないときは、漢方に詳しい医師や薬剤師へ相談してください。
オンラインサービスの「あんしん漢方」では、スマホから相談でき、自分の症状や体質に合った漢方薬を自宅で受け取れます。
服用中の不安やほかの薬との飲み合わせについても薬剤師に相談できるため、漢方薬を継続して取り入れたい人にも利用しやすいサービスです。
まとめ
階段や立ち上がりが以前よりつらくなったと感じたら、年齢のせいと諦めず、毎日の過ごし方を見直してみましょう。
座る時間を減らす、少しずつ歩く、椅子からの立ち座りを行うなど、日常生活のなかで脚を使う機会を増やすことが大切です。
食事では、たんぱく質だけに偏らず、主食や野菜も組み合わせて必要な栄養を補ってください。
冷えや痛みが続くときは、医療機関への受診や、体質に合った漢方薬についての相談も検討しましょう。
今から無理なく続けられる習慣を積み重ね、これからの歩く力を守っていきましょう。
<この記事の監修者>

山形 ゆかり(やまがたゆかり)|あんしん漢方薬剤師
薬剤師・薬膳アドバイザー・フェムケアサポーター。糖尿病病棟での経験から予防医学と食事の重要性を痛感し独立。エビデンスを軸に薬膳・発酵・フェムケアの視点でレシピ監修や執筆、講師活動を通じ「食から整える健康」を提唱。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。
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