皆さんは、子どもの頃の記憶を、たとえ時間的にはかなり昔のことであっても、昨日のことのように思い出せたりしませんか?
この記事では心理学的立場から、そうした「忘れにくい記憶」に着目。
「忘れにくい記憶」と子どもの価値観形成の関わりについて、ご紹介したいと思います。
忘れにくい記憶とは?
比較的忘れにくい記憶のことを、心理学では「結晶性知能」と呼びます。
これは、教育や経験などの文化的要因を受けて獲得していく「結晶」のような知識のことで、一般的に忘れにくいとされています。
それまでの経験によって蓄積された知識を反映するものであり、体験の記憶である「主観的な思い出」とは意味合いが異なります。
言語に対する理解や経験に基づいた判断は、この「結晶性知能」によって行われます。
言い替えれば、言語能力や理解力・洞察力が高い人は、「結晶性知能」のレベルが高いとも言えるでしょう。
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忘れやすい記憶とは?
忘れにくい記憶があるのであれば、当然、忘れやすい記憶も存在します。
これは、心理学用語では「流動性知能」と呼び、「結晶性知能」のような文化的な要因ではなく、生理学的な要因に影響を受けて形成される知能を指します。
新しい環境への対応や処理スピード、図形・文字系列の推測に関する知能とされています。
分かりやすいのは、必要に応じて覚える仕事や家事、日常生活の技能などが「流動性知能」に当たります。
最近の研究では、人は高齢になることでこの「流動性知能」が衰えると考えられています。
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結晶性知能と価値観形成
子どもの時の教育や遊んだ経験は、やがて「結晶性知能」となり、「価値観」を形成する要因となります。
「価値観」とは、どんなことに価値があるのか?という、人それぞれの感じ方・考え方のことをいいます。
人それぞれなのは、「何を大切にしたいか」という捉え方が異なるためです。
例えば、子どもの時に絵をたくさん描いた経験から、将来の夢が画家となった場合を考えてみましょう。
この場合、人生の中で大切にしたいのは「絵を描くこと」です。
そこから、「絵を描くことに価値がある」と考えるようになり、ひとつの「価値観」が形成されます。
つまり、子ども時代の経験がその後生まれた価値観に、直接結びついています。
そして、「価値観」は人生を捉える「人生観」とも関係していると言われています。
何が良くて何が悪いかという判断の基準や、優先すべきことが何かという、「生きていく上で大切なこと」を考える材料となるのです。
まとめ
子どもの時の経験が「結晶性知能」を育み、その後の価値観形成、そして人生にどのように影響するかについてご紹介しました。
誰もが多くの経験を経て、素敵な人生を歩むために、何をすれば良いのか。
私たち一人一人が日頃から考えていくことで、私たち自身、そして子ども達の人生を豊かにすることにも繋がるかもしれませんね。
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