無人餃子販売所、冷凍庫に並ぶ餃子を取り出し、料金箱に1,000円札を入れるだけという独特の販売方法が話題になりました。
しかし、最近は以前ほど見かけなくなったと感じる人もいるのではないでしょうか。
人件費を抑えられる合理的なビジネスモデルとして注目された無人餃子店は、なぜ急速に失速してしまったのでしょうか。
無人餃子店が儲かるといわれた理由
無人餃子店が急増したのは、2020年以降のコロナ禍、人との接触を避けられる販売方式と24時間いつでも購入できる利便性も相まって人気を後押ししました。
最大の特徴は、徹底したコスト削減で、住宅街の小さな空き店舗を活用すれば家賃も抑えられ、冷凍食品のため廃棄ロスも少なく済みます。
商品代は料金箱に入れる仕組みでレジや釣り銭の管理も簡素化、こうした手軽さから2023年7月には全国の無人冷凍餃子店が約1,400店舗に達しました。
しかし、店舗側にとって合理的な仕組みが、必ずしも消費者にとって魅力的だったわけではありません。
スーパーの冷凍餃子に勝てなかった現実
無人餃子店の代表格「餃子の雪松」は、ピーク時に432店舗を展開していましたが、2025年10月の報道では143店舗まで減少し、約3分の2の店舗が姿を消したことになります。
一方、冷凍食品市場そのものは成長を続けており、2024年の国内消費額は過去最高の1兆3,017億円を記録しています。
では、なぜ無人餃子店だけが苦戦したのでしょうか?
大きな要因として考えられるのが価格競争で、餃子の雪松は36個入り1,000円ですが、大阪王将の冷凍餃子は当時のスーパー店頭価格で12個入り200円前後、36個分でも約600円と価格に大きな差がありました。
しかも、大阪王将には水や油を使わずに調理できる商品もあり、普段の買い物で手軽に購入できるうえに調理も簡単となれば、わざわざ無人販売所へ足を運ぶ理由は薄れてしまいます。
店舗側はコストを削減できても、消費者は価格や便利さを重視します。
人件費や設備費を削減する合理的な仕組みだけでは、消費者に選ばれ続けることは難しかったのでしょう。
無人販売そのものが失敗したわけではありませんが、ブームの終息は商売において本当に大切なのは安く運営することだけでなく、客にとっての価値を生み出し続けることだと教えてくれます。
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