女性特有の症状だと思われがちな更年期症状ですが、実は男性にもあるのを知っていますか?
男性更年期症状は、男性ホルモンの一種であるテストステロンの値が低い人に出やすいといわれており、その潜在患者はおよそ600万人いるといわれています。
最近からだの不調を感じているあなたも、そのなかの1人かもしれません。
これを機に、男性更年期について知識を深めておきましょう。
男性更年期はじまりのサイン
男性更年期症状とは、男性ホルモン、主にテストステロンの減少により、からだや心、性機能などに障害が生じることを指します。
テストステロンは、骨格、筋肉、体毛を作り、性欲や性衝動に関係している男性ホルモンです。
このテストステロンの値がもともと低い人は、男性更年期症状を発症しやすいといわれています。
初期症状としては、疲労感、発汗、ほてり、不眠、集中力や気力の低下・喪失、イライラ
などがあげられます。
しかし、男性更年期に関する情報がまだ少ないこともあり、上記の症状を訴えても加齢やただの不調と見逃されてしまうこともあります。
だからこそ、男性更年期についての知識をつけ、適切な対処法を学んでおくことが大切です。
男性更年期症状チェックリスト
原因不明のからだの不調を感じることが多くなったあなたは男性更年期かもしれません。
下記のチェックリストでいくつ当てはまる項目があるか確認してみましょう。
<チェックリスト>
- 性欲の低下がある
- 元気がなくなってきた
- 体力あるいは持続力の低下がある
- 身長が低くなってきた
- 「日々の楽しみ」が少なくなったと感じる
- もの悲しい、または怒りっぽい
- 勃起力が弱くなった
- 運動する能力が低下した
- 夕食後、うたた寝をすることがある
- 作業能力が低下した
3つ以上当てはまるものがあった場合は男性更年期の可能性が高いといえます。
男性更年期症状に悩んだらどこに相談する?
上記のチェックリストで男性更年期の可能性が高かった人は、一度病院を受診しましょう。
男性更年期に関しては、一般的に泌尿器科で相談することが多いといわれています。
とくに、性機能に関連した症状が目立つ場合は泌尿器科を受診しましょう。
身体症状が強い場合は内科、精神症状が強い場合は心療内科や精神科でも診察してもらえます。
主な治療方法は男性ホルモンの補充療法で、定期的にホルモン注射を打つことで症状の緩和や改善を目指します。
しかし、男性ホルモンの補充療法には副作用があることも忘れてはいけません。
治療を続けることで、「精子が減ってしまい不妊の原因になる」「肝機能障害を起こす」「赤血球が増えすぎて多血症になる」といったケースが報告されています。
男性ホルモンの補充療法を受ける際は、リスクがあることを理解したうえで治療を開始するようにしましょう。
男性更年期には漢方薬が役立ちます
ホルモン治療は男性更年期症状の代表的な解決方法のひとつですが、副作用やリスクに不安を感じる人は、漢方薬の服用を視野に入れてみるのはいかがでしょうか。
漢方薬は自然由来の生薬から作られており、一般的に副作用が少ないとされています。
男性更年期の症状には、「ホルモンバランスや自律神経の乱れを整える」「血流をよくし、生殖泌尿機能を回復させる」「消化・吸収の機能をよくして疲れをとる」などの作用がある漢方薬を選びましょう。
漢方薬は心とからだ全体の機能回復を目的とするため、男性更年期のさまざまな不調にも同時にアプローチできるのがメリットです。
<おすすめの漢方薬>
- 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
エネルギーを補うことで、胃腸機能を高め、からだを元気にします。倦怠感やだるさ、疲労に用いられます。沈んだ気を引き上げることで、疲労倦怠や内臓下垂にも働きかけます。
- 八味地黄丸(はちみじおうがん)
老化によって衰えた腎(漢方の考え方で、エネルギーが蓄えられているとされている場所)の働きをよくして生殖泌尿機能を回復させることで、加齢によるからだのだるさや男性更年期の不調にアプローチします。
男性更年期症状は、人によって出やすい症状もその程度も異なります。
そのため、漢方薬も自分の体質や症状に合ったものを選ぶことが重要です。
相性がよくないと、効果が得られなかったり、副作用が生じたりすることもあります。
最近では「あんしん漢方」のようなオンライン漢方サービスも便利です。
あんしん漢方は、漢方に詳しい専門家がAIを使ってそれぞれに合った漢方薬を選び、自宅まで郵送してくれるサービス。
忙しくて病院に相談に行く時間がない人や、相談できる薬局がない場合にもおすすめです。
スマホひとつで申し込めるので、気になる人はチェックしてみてください。
まとめ
男性にも更年期があります。
心身の不調は加齢やちょっとした体調不良として見逃されることがありますが、医療機関の受診や漢方の服用などでその症状を和らげることも可能です。
自分に合った方法で男性更年期と向き合っていきましょう。
公式|あんしん漢方
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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