春になり暖かくなると、体調が悪いわけでもないのにからだがだるく感じたり、日中眠くなったりする人も多いのではないでしょうか。
集中力も低下して、仕事に支障が出ることも……。
その症状、春先特有の「春だる」かもしれません。
今回は、春だるのメカニズムと症状、そして、春の眠気やだるさを乗り切る方法をご紹介します。
「春だる」に陥っていませんか?
春だるとは、春特有の気候や身の回りの環境変化によって起こる、さまざまな不調のことをいいます。
ここでは春だるが発生するメカニズムや症状についてお伝えします。
春だるのメカニズム
春だるの主な原因は、気温の変化によって自律神経が乱れやすいことが考えられます。
自律神経は体温調整をおこなう重要な役割を担っていますが、日中の寒暖差が大きい春先は1️日に何度も体温調整をしなければいけません。
その結果、自律神経の切り替えがうまくできず、バランスを崩してしまうことがあるのです。
たとえば、副交感神経が優位になりすぎると、だるさや眠気が起こり、交感神経が過剰に優位になると、血圧が上昇し頭痛が起きやすくなります。
また、花粉症による睡眠不足やストレスなども、自律神経が乱れ春だるを引き起こす要因のひとつにあげられます。
春だるの症状
春だるの症状には、以下のようなものがあります。
(1)昼間の強い眠気
(2)頭痛
(3)だるさやめまいや疲労感
(4)集中力の低下
(5)気分の落ち込み
(6)寝つきの悪さ
体調を崩しているわけでもないのに、これらの症状にひとつでも当てはまる場合、春だるを引き起こしている可能性があります。
一方で、我慢できないほどの眠気や、意識を失うように寝てしまう場合には、睡眠障害などの病気が隠れている可能性もあるため、一度病院を受診することをおすすめします。
春の眠気・だるさの乗り切り方
春だるの症状を乗り切るために効果的な方法を3つ紹介します。
1.仮眠をとる
春の眠気を防ぐには、日中の20分程度の仮眠が効果的です。
適度な仮眠は、脳の疲労を一時的に改善する効果が期待できます。
個人差はありますが、睡眠時間が20分を超えると眠りが深くなり熟睡状態に入るといわれています。
そのため、仮眠をとる場合には、熟睡状態に入る前の20分程度を目安におこないましょう。
2.からだを動かす
ここでは、眠気や頭痛の予防におすすめの頭痛体操を解説します。
頭痛体操のやり方は以下の通りです。
(1)からだの軸を意識してまっすぐに立つ
(2)ひじを曲げて手を胸の位置まで上げる
(3)正面を向いたまま頭を動かさないよう固定し、腕の力を抜いて両肩を大きく回す
(4)1回あたり2分間を目安に続ける。
この頭痛体操によって、首や肩の筋肉をほぐすことができます。
さらに、脳の痛みを調節する経路を刺激することで、片頭痛の予防と緊張性頭痛の症状の緩和が期待できるのです。
一方で、頭痛が起きているときにこの体操をすると逆効果になるため、注意しましょう。
3.就寝前にリラックスする習慣をつける
質のいい睡眠は、春だるの対策に重要です。
就床前のカフェイン摂取や喫煙は避け、軽い読書や音楽、入浴、アロマオイルの使用、筋弛緩トレーニングなど、就寝前にリラックスする習慣をつけるといいでしょう。
筋弛緩トレーニングとは、肩やつま先にぎゅっと力を入れて10秒程度キープし、息を吐きながらすっと力を抜く、意識的に筋肉を緊張させてゆるめる方法です。
お気に入りのリラックス方法を探してみるといいですね。
春の眠気・だるさには漢方薬も役立つ
春の眠気やだるさの対策には、漢方薬もおすすめです。
漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に西洋薬に比べて副作用が少ないとされています。
眠気やだるさのような症状の改善には、自律神経を整える働きや睡眠の質を向上する働きのある漢方薬を選ぶとよいでしょう。
【春だる対策におすすめの漢方薬】
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
疲れやすく、イライラや気分の落ち込みがある方におすすめです。
自律神経の乱れを整え、精神不安や不眠の改善に働きかけます。
- 酸棗仁湯(さんそうにんとう)
心身ともに疲れているのに眠れない方におすすめです。
ストレスや過労による神経の興奮や緊張を和らげて、睡眠の質の向上に働きかけます。
ただし、漢方薬は体質に合わないと効果が発揮されなかったり、副作用が起こりやすくなったりすることがあります。
そのため、医師や薬剤師などの専門家に相談し、体質に合った漢方薬を選んでもらうのがおすすめです。
スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のようなオンライン漢方サービスを活用してみるのもおすすめです。
漢方のプロがあなたに合った漢方薬を見極め、自宅に郵送で届くため、忙しい人でも簡単に利用できますよ。
まとめ
春の眠気やだるさ、いわゆる「春だる」は、主に気温変化による自律神経の乱れが原因で起こります。
春だるの症状を軽減するためには、20分程度の仮眠や運動、就寝前のリラックス習慣、漢方薬などで対策できます。
これらの対策を組み合わせて、春だるを乗り切り元気に春を過ごしましょう!
公式|あんしん漢方
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師|山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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