子どもの咳が止まらなくて眠れない、鼻づまりで何度も起きてしまう、そんな夜に昔から家庭の常備薬として親しまれてきたのが「ヴイックス ヴェポラッブ」です。
胸やのど、背中に塗る塗る風邪薬として知られていますが、SNSでは「足の裏に塗って靴下を履くと咳が止まる」という意外な使い方まで広まっています…果たして本当に効果があるのでしょうか?
ヴェポラッブは何に効く?

ヴェポラッブは、指定医薬部外品の塗布剤で、公式に認められている効能・効果は「鼻づまり、くしゃみ等のかぜに伴う諸症状の緩和」、dl-カンフル、l-メントール、ユーカリ油、テレビン油などが配合され、胸・のど・背中に塗って使用します。
ポイントは、風邪そのものを治す薬ではなく、つらい鼻づまりなど、風邪に伴う症状を和らげるために使うものです。
生後6か月から使用できますが、年齢によって1回量が決められており、生後6か月未満には使用できません。
※参考「風邪の鼻づまりに効く。ヴェポラッブの特徴」大正製薬
塗るだけなのになぜ楽になる?
ヴェポラッブには、吸入と湿布という2つの作用があります。
皮膚に塗ると有効成分が体温で温められ、蒸気となって鼻や口から吸入されます。
あの独特のスーッとした感覚ですね。
実は海外では興味深い研究もあり、2010年に医学誌『Pediatrics』に掲載された研究では、風邪症状のある2~11歳の子ども138人を対象に、蒸気を発する塗布剤、ワセリン、何もしない場合を比較、保護者による評価では、塗布剤を使用したグループが夜間の咳や鼻づまり、睡眠のしにくさなどで最も良い結果を示しました。
一方、皮膚や鼻、目に灼熱感などの刺激症状を訴えたケースもあり、塗れば誰でも快適になるとまでは言えません。
SNSで拡散「足裏に塗ると咳が止まる」は本当?
そして気になるのが、SNSでたびたび登場する足裏ヴェポラッブ、「寝る前に足裏へ塗って靴下を履いたら咳が落ち着いた」「夜中の咳が楽になった」といった体験談がネット上では見られます。
しかし、足裏に塗ることで咳や鼻づまりが改善するという十分な科学的根拠は、現時点で確認されていません。
つまり、効いた!という体験談と、医学的に効果が証明されているは別の話、メーカーが示している使用部位も、あくまで「胸・のど・背中」です。
SNSで人気だからと自己流の使い方をするのではなく、まずは公式の用法・用量を守るのが基本です。
特に子どもの咳が長引く、呼吸が苦しそう、高熱が続くなどの場合、ヴェポラッブを塗ったから大丈夫!と判断するのは禁物で、必要に応じて医療機関を受診してください。
耳鼻科の先生に聞いてみた!

筆者の子供が2歳の頃、鼻水と咳が長引き、夜もせき込んだ勢いで嘔吐することが続いたことがありました。
処方されていた薬はきちんと飲ませていたのですが、いかんせん吐いてしまうので効果があったのかはわかりません。
そこで、家にあったヴェポラッブを塗ってあげようと思い付き、小児科の先生に「処方されている薬とヴェポラッブの併用は大丈夫ですか?」と聞きました。
「ヴェポラッブは、アロマオイルみたいなものだから特に薬と併用してはダメということはない。ただ、ヴェポラッブを塗ったから確実に安眠できる・風邪を治すために必須というわけではないので、本人が嫌がるようなら無理に塗らなくても良い。塗って気分が良くなるのなら、夜パジャマに着替えるタイミングで塗ってあげてね」という回答をいただきました。
※医師によって、考え方が違う場合や、処方されている薬の内容によっても異なる場合がありますので、参考程度にしてください。
まとめ
SNSで広がる、足裏に塗れば咳が止まるという方法は、口コミこそ多いものの科学的根拠は十分ではありません。
「昔からやっているから」「SNSでバズっているから」ではなく、薬は用法・用量を守って使うことが大切です。
知っているつもりの家庭薬も、改めて調べてみると意外な事実が隠れているものですね。
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