小児糖尿病という言葉を聞いたことがあるでしょうか。子どもが発症しやすいⅠ型糖尿病と混同されがちですが、それとは違います。子どもに起こるⅡ型糖尿病である、小児糖尿病について、予防方法や治療方法を解説します。
目次
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小児糖尿病とは、子どもが発症する2型糖尿病です
1型糖尿病とは混同されがちですが、違います。
糖尿病には、1型糖尿病と2型糖尿病があります。1型糖尿病は生活習慣病ではなく、突発性の病気です。一般的に糖尿病と言ってみなさんがイメージするのは、生活習慣病を伴う2型糖尿病ではないでしょうか。 小児糖尿病とは、小児が発症する2型糖尿病のことです。この飽食の時代、小児でも生活習慣病になり、糖尿病を発症するような時代になってしまいました。
なぜ小児糖尿病を発症するの?
発症する理由は「食べすぎ」「運動不足」「遺伝」
日本人の小児2型糖尿病の70~80%が肥満を伴うことは先に述べましたが、肥満に伴い内蔵脂肪が貯まり、そのためインスリンへの抵抗性が高まり、さらにインスリン分泌の低下が起こり2型糖尿病を発症すると考えられています。
主に肥満が原因となります。
小児が2型糖尿病を発症する原因として、主なものに肥満が挙げられます。この部分は大人の糖尿病と同じですよね。そして、肥満の原因は食べすぎと運動不足です。 子どもの食事量は大人が管理するのが普通ですが、そうなるとかなりの部分で子どもの肥満は親の責任だと言えそうです。また、糖尿病を発症しやすい家系であるなら、なおさら注意が必要です。
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小児糖尿病の患者数は増加傾向にあります
ここ数年、増加傾向にあります
小児の2型糖尿病が増えています。小学生では10万人当たり6人ですが、中学生になると約19人、症例の9割には肥満ありとの報告でした。さらに、小児2型糖尿病のあるこどもの半数はメタボリックシンドロームを合併しているとも言われています。 さらに、肥満のある小児や青少年では、アトピーや食物アレルギーに罹患するリスクが高いといった研究発表(*)もあります。 (*)J Allergy Vlin Immunol2009;123:1163-1169
肥満は、生活習慣病以外にもいろいろなリスクをはらんでいます
小児糖尿病になる子どもの数は近年増加傾向で、特に中学生になると途端に増えます。 中学生になればある程度お菓子などを自由に食べられるようになるからでしょうか。子どもの食生活には、注意をしてあげなければいけませんね。
発症した場合の治療方法
インスリン注射を行うことも…
治療の基本は、食事療法と運動療法です。肥満の場合は肥満の改善も必要です。食事療法と運動療法で、血糖コントロールができない場合は薬物療法を行います。 食事療法/運動療法
食事のカロリーを計算し、総エネルギー量を標準エネルギー量に抑えます。食物繊維を含む食品を積極的に摂取し、甘いものを避けるようにします。
運動も積極的に取り入れ、部活動やクラブなどで運動することを勧めます。 薬物療法
食事療法、運動療法を行っても血糖コントロールができない場合は、経口の血糖降下薬の服用や、インスリン注射を行うこともあります。経口血糖降下薬にも様々な種類があります。 インスリン抵抗性が主体の場合、食後血糖値のみが問題の場合、インスリン分泌不全が進行している場合、それぞれに適応する薬がありますので、その子の状態によってどの薬が適しているか判断されます。
基本的には食事療法と運動療法が主となります。
大人の糖尿病患者と同じように、食事をコントロールし、適度な運動を心がけるようにすることで糖尿病の進行を遅らせます。 そして、それらが効果がない、もしくは薄い場合、薬を使ったり、インスリンへステップアップしていくのも大人と同じです。
小児糖尿病を予防するには
健康な毎日を送るために…
肥満、2型糖尿病を含めた生活習慣病は、家庭で食事を年令相当のカロリーにし、食事には後片付けのお手伝いをしたり、天気の良い日は外遊びをする等、ちょっと日常生活を見直す事で予防する事ができます。
小さなことですが、大切なことです。
小児糖尿病を予防する方法もまた、大人と同じです。育ちざかりとはいえ、カロリーの過剰な摂取は控えて、適度な運動をして過ごすことが大切です。 大人と違うのは、大人、特に年配者と比較して運動することが容易であるため、運動での予防をしっかりと行うことができるということです。