「作ったのに食べてくれない」
「園では食べるのにどうして家では食べないの?」
頑張って作った食事を子どもに食べてもらえないと、悲しくなってしまいますよね。
1日3度の欠かせない食事、「子どもの偏食が心配」という方も多いでしょう。
この記事では、看護師の筆者が保育園勤務時代にご相談頂いた、子どもの偏食の実際のケースとその対応方法をご紹介します。
偏食とは?
偏食とは「特定の食品を嫌う、反対に極端に好むために食事が偏ってしまうこと」と定義されています。
乳幼児期は様々な食材に触れて味覚を育て、成長発達に欠かせないビタミンやミネラルなどの栄養素を摂取する大切な時期です。
偏食の原因を知り、工夫することで偏食を減らせるようにしてきましょう。
せっかくごはんを作ったのに、お子さんが食べてくれないことがありませんか? 好きな食材を選び、味・形も工夫をして、頑張ったときに限ってまったく食べてくれない!なんてことも多いかと思います。 作った側としてはかなりのストレスを感じる[…]
きのこを食べないAちゃんの場合
さてここからは、筆者の実体験をご紹介します。
登場するのは保育園に通う3歳の女の子、Aちゃんです。
Aちゃんの偏食ケース
■Aちゃんの家族構成
- 母:Cさん
- 夫:Dさん
- Aちゃん:3歳、女の子、通園中
- Bくん:1歳、男の子、通園中
Aちゃんは「白ごはん」「きのこ」「野菜」が苦手で、家では食事が進まず食べないことが多いです。
特に「きのこ」を出すと癇癪を起してしまうことも。
でも今日の園の連絡帳で、「給食のきのこご飯、食べました!」と書かれていて驚きました。
家でも食べてもらうにはどうしたらよいでしょうか?
偏食の原因を考えてみる
「園では食べるのに家では食べない」というご相談は、実は珍しくありません。
まずは偏食の原因からみていきましょう。
■一般的な子どもの偏食の原因
- 舌触り・触感が悪い
- 甘いものが好き(甘くないと食べない)
- 味覚が発達し好みがはっきりしてくる
- かまってほしい・甘えたいなどの心因的要因
- 食事の環境が整っていない
- 食具(お箸やフォークなど)がうまく使えない
- おなかがすいていない(おやつの量が多い)
- 発達によるもの
例えば、舌触りの良いメニューを選んだり、味付けを工夫することで、解決できることがあります。
また食べない食事のパターン、食べない時はどんな状況かなどをよく観察してみると、子どもごとの偏食の原因も解ってきます。
Aちゃんの場合は、ご家庭の状況をヒアリングした結果、このような原因と判断しました。
- 食事時の環境が整っていない
- かまってほしい気持ちが強い
次の章からは、この判断の理由と具体的な対策をご説明します。
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対策1 食事の環境を整えてみよう
まずAちゃんの毎日の食事の環境に、改善の余地があるように思われました。
離乳食中のB君のためにCさんは多忙、そしてお父さんのDさんはお仕事帰りが遅く、食事に間に合わないことが多いとのこと。
致し方ないご事情ですが、できる対処法もあります。
食事前のルーティン(毎日行う同じ行動)を作る
園では食事の時間が近づくと、必ず行うルーティン動作が存在します。
- 食事の歌を歌う
- 食事の準備を園児と一緒に行う
- 食事の前にトイレに行って手を洗う etc
毎日同じ動作を行うことで食事時間が習慣化し、「食事モード」スイッチが入るようになります。
スイッチが入ることで自然に空腹を感じ、スムーズに食事に移行することが可能に。
最終的に食事への集中力がアップし、食事動作や意欲が高まります。
そこでおススメなのが、自宅でも食事前のルーティン動作を作ること。
3歳のAちゃんの場合は、「ご飯の前にお箸を出す」といった、保護者の負担にならない簡単なお手伝いをしてもらうことをお勧めしました。
Aちゃんの「これからご飯だ!」という意識づけに繋がるだけでなく、保護者もお手伝いしてもらって助かること間違いなし!
お手伝いができたらしっかり褒めてあげると、毎日はりきってお手伝いしてくれるようになりますよ。
食事中はテレビを消す
せっかく食事モードスイッチが入っても、意識がテレビに向いてしまうと食事動作や意欲が減ってしまいます。
Aちゃんのご家庭も、夕食時や朝食時に必ずテレビがついている環境だったようです。
テレビは情報も多く、視聴者が興味を持つように番組が構成されており、どうしても意識が食事からテレビに移ってしまいがちになります。
そこで、子どもの食事の時間だけでもテレビは消してみましょう。
食事をしながら楽しく会話し、家族のコミュニケーションの場にしてみてはいかがでしょうか。
子どもと一緒に食事をしよう
子どもと一緒に食事を食べていますか?
園と自宅の食事環境の一番の違いは、同学年の子どもがたくさんいて、みんなで一緒に食事すること。
「〇〇ちゃんも食べるから頑張ろう!」と、刺激をもらえるのです。
自宅で園と同じ環境は作れませんが、大人も一緒に食事をして、例えば子どもの苦手なものをおいしそうに食べてみせましょう。
「ひとりで」だと難しいけど、「一緒に」だったら乗り越えられることもあります。
Aちゃんの場合、1歳になるBくんがちょうど離乳食後期で手がかかる時期。
子どもたちだけ先に食事をして、CさんはAちゃんと一緒に食事ができていなかったと話してくれました。
食事作りは工程も多く、働きながら幼児食と離乳食を作って食べさせるCさんの労力は、大変なものです。
ただ、家族と一緒に食べる食事は子どもにとって楽しい時間であり、偏食を減らす絶好の機会となります。
時にはそのまま出せる加工品やお助け時短キットなども活用し、食事の準備時間を短くしてはいかがでしょう?
子どもと一緒に食事を取れれば、子どもの「かまって欲しい」というストレスを解消できるうえ、大人も片付けの手間を減らして、少しゆっくりできる時間を作れます。
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解決策2 偏食を減らす対策を実践しよう
ここからは日常的にできる偏食対策をご説明します。
Aちゃんにも有効な対策がありました。
苦手な食材も食卓に出そう
特定の苦手な食べ物があると、「どうせ食べないから」と、その食材を出さなくなるご家庭も多いのではないでしょうか。
食べてくれないとわかっているものを出すのは、保護者にとってもストレスですよね。
しかし、食べないから出さないことを繰り返していくと、「偏食」が「食わず嫌い」の域に達します。
親が嫌いな食べ物を子どもも嫌いなことが多いのは、これが原因です。
親の嫌いな食べ物は、どうしても食卓に出ることが少なくなりますから。
人は誰でも食べられないものを避ける傾向があります。
ずっと食べていない(目にしていない)ものを急に「食べなさい」と言われても、子どもは強い抵抗を感じます。
偏食を減らしたい、食べてほしいと考えるなら、「食べなくてもいい」と割り切って、苦手な食材も工夫をして食卓に出してみてください。
大切なのは出したからには絶対に食べさせる!と頑張りすぎないこと。
「食べなくてもいい」と心に唱えながら、まずは保護者がおいしそうに食べてみてくださいね。
苦手な食べ物は「まず1つ!」から始めよう
園では苦手な食材があってもアレルギーではない限り、個々の食の好みまで配慮することはできません。
筆者はその環境をとても良いものだと感じています。
Cさんが驚いていた「きのこご飯、たべました!」と書かれた連絡帳。
その日に何が起こっていたのでしょうか。
実は園では、嫌いな食べ物を「減らして(数を少なくする)」食べてもらうようにしています。
1 まずはじめは、きのこたっぷりのごはんを見せます。
Aちゃんは苦手な食べ物を、当然「いらない」といいます。
大丈夫です、想定内です。
2 次に、先生がきのこの数を減らしていきます。
減っていくきのこ、お友だちもみんな応援しています。
3 最後に、大量にあったきのこが1つになります。
1つだけ!なんだかいけそうな気がしてきます。
4 1つになったきのこをAちゃんは食べました!
お友だちと先生からの「おめでとう」「頑張ったね!」の言葉に、嬉しそうなAちゃんでした。
結局その日、Aちゃんは3つの小さなきのこを食べることができました。
完食はできませんでしたが、嫌いなものも食べてみる・チャレンジする姿勢が出たことが大切です。
それが子どもの自信につながり、達成感を得て、偏食克服の第一歩になります。
また子どもの味覚は成長段階、成長に伴いある日突然、苦手なものも食べられるようになることもあります。
しかし食べる機会がなければ、食べられることに気づくこともできません。
味付けや調理方法が変わることで、食べられるようになることもあるでしょう。
偏食も成長のひとつの証、焦らずゆっくり見守ってあげてくださいね。
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Aちゃんのその後
今回のケースのAちゃんは、卒園まできのこを好きになることはありませんでした。
しかし、出されたきのこを減らさず、自ら食べることができるようになりました。
つまり偏食を克服することができたのです。
Aちゃんは「先生!きのこ食べたよ!」と、嬉しそうに報告してくれるようになりました。
頑張りましたね、涙が出るほどうれしいです。
おうちでもCさんはアドバイスしたことを、すべて実践してくれました。
その結果
- 量は少ないが家でもきのこを食べるようになった(泣いて暴れなくなった)
- 以前よりも食事の一回量が増えた
- ふりかけなどは必要だが、白ごはんにもチャレンジする姿勢が見えてきた
- 袋入りのカット野菜を活用し、調理の時短に成功した
- 離乳食も作り置きやメニューを工夫して、家族で食事ができるようになった
- 夫の帰宅が遅いことにイライラしなくなった
- Aちゃんが夜よく眠るようになった気がする
子どもの頑張る姿は見ている大人も元気をもらえます。
偏食を減らすだけでなく、Cさんの精神的負担、Aちゃんの睡眠の質にも良い影響を与え始めたのも何よりでした。
まとめ
いかがでしたか? 今回のケースでは環境を整え、食事時の関わり方を変えただけです。
でも、Aちゃんは苦手な「きのこ」を克服し、偏食を減らすことができました。
偏食の原因は一つではありません。
保護者の方はひとりで悩まず頑張りすぎないで、まずは園の先生や看護師さん、栄養士さんに相談して対策を考えてみましょう。
食事がみんなの楽しいひと時となりますように。
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