赤ちゃんの皮膚トラブルの代表的なものと言えば「おむつかぶれ」。
ちょっと油断すると炎症を起こしてしまい、ひどくなるとなかなか治りにくいですよね。
あまり知られていませんが、そのおむつかぶれのような皮膚炎に使える漢方の塗り薬があります。
今回は、漢方薬剤師が自らの子育ての中でも使ってきた塗り薬、「紫雲膏(しうんこう)」をご紹介します。
おむつかぶれとは
おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)とは、接触性皮膚炎の一種で、おむつをしている場所に起こる皮膚の炎症です。
おしっこやうんち、またはおむつ自体が皮膚に当たることで刺激になり、おしりやおむつのギャザーが当たっている太もも・お腹などが赤くなったり、ぶつぶつができたりします。
ひどくなるとただれてしまうこともあるため、早めに治してあげることが大切です。
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紫雲膏(しうんこう)とは
おむつかぶれのような皮膚炎に使える漢方の塗り薬に、「紫雲膏」があります。
紫雲膏は、江戸時代に華岡青洲(はなおか せいしゅう)という医師が考え出した塗り薬です。
材料は、紫根(シコン)、当帰(トウキ)、ゴマ油、ミツロウ、豚脂の5つ。
一般には世界初の全身麻酔を用いた外科手術で知られる華岡青洲ですが、紫雲膏を含む漢方の軟膏も複数考案しています。
紫雲膏の効能
- 皮膚の炎症を鎮める作用
- 新しい皮膚の再生を助ける作用
- 抗菌作用
- 血行を良くする作用
これらの働きをもつ生薬の効果に定評が高く、約200年以上前から「傷、やけど、あかぎれ、皮膚炎、痔」などに使われてきました。
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紫雲膏を使うときの注意点
赤色が衣服に付くと落ちにくい
紫雲膏は、赤い色をした軟膏です。
紫根に含まれる有効成分が赤色をしており、昔は染料としても使われていました。
そのため、紫雲膏が衣服に付くと落ちにくいので、塗る際には注意してください。
また、生薬独特のにおいもあります。
じゅくじゅくしている皮膚には使わない
ゴマ油など油がベースの薬ですので、浸出液が出ているような状態には適していません。
少し赤みがあるくらいの初期のおむつかぶれには全く問題ありませんが、症状がひどい場合や、使っていても改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。
ゴマアレルギーには注意
ゴマ油が含まれているため、念のためゴマアレルギーの方は注意が必要です。
また、どんな薬にも言えることですが、含まれている成分に対してアレルギー症状を起こす可能性はゼロではありません。
使い始めて症状が悪化した場合や、アレルギー反応などがある場合は、やはりすぐに医療機関を受診してください。
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紫雲膏の製品紹介
各社から紫雲膏の製品が販売されていますが、ここでは代表的な3つをご紹介します。
各製品のホームページのリンクも載せていますので、用法用量や使用上の細かい注意点などはそちらをご参照ください。
塗る際には清潔な手やへらにとり、患部を擦らないよう優しく塗布してください。
患部に直接塗らず、ガーゼに厚めに塗ったものを貼ってもOKです。
クラシエ クラシエ紫雲膏
手軽に使いやすいチューブタイプの紫雲膏です。
14gと30gがあります。
オースギ漢方 紫雲膏ダイコー
軟膏壺に入った紫雲膏、50gの大容量でたっぷり使えます。
できるだけ指で直接とらず、清潔なへらなどを使ってください。
剤盛堂薬品 赤色ワグラス軟膏
紫雲膏をもとに、軟らかく塗りやすいように改良された製品です。
まとめ
紫雲膏は、炎症を鎮め、新しい皮膚の再生を助けてくれる塗り薬です。
おむつかぶれのような皮膚炎の他にも、やけど、小さな切り傷、ひびやあかぎれなど、使える場面はたくさんあります。
江戸時代から使われてきた漢方の塗り薬、お子さんやご家族みなさんにお役立てください。
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