子どもが発熱！インフルエンザに使える解熱剤は？大人のは使っちゃダメ？

子どもの急な発熱、インフルエンザかも？！…という時。

子どもがつらそうにしていたら、解熱剤を使って、早く楽にしてあげたいと思うかもしれません。

「家にあった解熱剤、これって使える？」「私（親）にはよく効いたから、子どもにも効くかな？」

ちょっと待ってください！

解熱剤には、大人に使えても、子どもには使えないものがたくさんあります。

特に、インフルエンザの時は要注意！

そこでこの記事では、インフルエンザの際に子どもに使える解熱剤・使ってはいけない解熱剤について、ママ薬剤師が解説します。

なお、インフルエンザを疑うときは、病院を受診し、必要な薬を処方してもらうことが基本です。

あくまで、何らかの事情で病院を受診できないケースなどの参考としてください。

インフルエンザに使える解熱剤

子どもがインフルエンザにかかった場合、「アセトアミノフェン」という成分の解熱剤が使われます。

日本小児科学会でも、インフルエンザや新型コロナ、風邪などの解熱剤として、子どもには「アセトアミノフェン」が推奨されています。

熱を冷ます働きの他、痛みを和らげる働きもあります。

病院で処方される薬としては、以下のような商品名のものがあります。

• カロナール（錠剤・細粒・シロップ・坐剤など）
• アセトアミノフェン（同上）
• アンヒバ坐剤
• アルピニー坐剤

なお、アセトアミノフェンは体重や年齢によって投与量が異なりますので、自己判断で服用せずに必ず医師や薬剤師に相談しましょう。

市販薬では、「小児用～」とついた熱冷ましはアセトアミノフェンのみを含むものが多いですが、やはり薬局・ドラッグストアの薬剤師に相談して薬を選んでもらうと安心です。

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子どもに使ってはいけない解熱剤

アセトアミノフェン以外はNG

子どもが発熱した場合、基本的には「アセトアミノフェン」以外の成分は、使用できません。

• ロキソプロフェン（商品名：ロキソニン）
• イブプロフェン

などの解熱鎮痛剤は、市販薬にも含まれる成分で、親が使ったことがあるかもしれませんが、子どもには飲ませないようにしましょう。

また特に、インフルエンザの場合には、

• アスピリン
• ジクロフェナク（商品名：ボルタレン）
• メフェナム酸（商品名：ポンタール）

などの解熱剤は、子どもには禁忌（服用してはいけない）です。

アスピリン

アスピリン（アセチルサリチル酸）は、「ライ症候群」という病気を引き起こすリスクを高めると言われています。

ライ症候群は、インフルエンザや水痘などの感染後、急性脳症や肝障害などがおこるもので、発症するのは非常に稀ですが、死亡率の高い病気です。

市販薬の「バファリンA」はアスピリンを含むため、子どもには使えません！

※「小児用バファリン」は、成分がアセトアミノフェンのみのため、子どもも服用できます。

また、市販薬・処方薬どちらにもあり、風邪薬としてよく処方される「PL配合顆粒」には「サリチルアミド」というアスピリンに似た成分が含まれており、こちらも子どもには飲ませてはいけません！

ジクロフェナク・メフェナム酸

ジクロフェナクとメフェナム酸は、インフルエンザ脳症を悪化させる可能性があると言われています。

インフルエンザ脳症は、インフルエンザに感染した後に脳の炎症が起こり、意識障害やけいれんなどがおこる病気です。

ジクロフェナクやメフェナム酸を服用していた人は、そうでない人に比べてこのインフルエンザ脳症によって死亡する確率が高いという報告があるため、原則的にインフルエンザには禁忌となっています。

ジクロフェナク（商品名：ボルタレン）は、解熱鎮痛剤の中では効果が高く、痛み止めとしてはよく使われますが、子どもはもちろん、大人もインフルエンザの際には使用を控えた方がよいでしょう。

まとめ

子どもがインフルエンザに感染したときは、基本的には自己判断で飲ませず、病院で薬を出してもらうことが大切です。

けれど、どうしても受診できないときに、親が飲んでいる薬を「良かれと思って」子どもに飲ませてしまうケースは、案外多いと聞きます。

子どもの場合には、飲ませてはいけない薬も多いということを、この記事を通じて一人でも多くの方に知っていただければ幸いです。

＜ 薬剤師 監修 ＞

薬剤師　ゆり

東京の薬科大学を卒業後、漢方メーカーのお客様相談室、病院勤務を経て、現在は調剤薬局に勤務。
小学生～幼稚園の子ども３人を育てる現役ママ薬剤師。
子育てをしている中で、自分自身、子どもの体調不良に悩んだことは数知れず…
自身の体験や、薬・健康・漢方など薬剤師としての知識が、一人でも多くのパパ・ママの役に立つことを祈っています。