「5月8日から、新型コロナウイルス感染症を5類に引き下げる」
ニュースなどで、この言葉をよく耳にします。
でも皆さんは、その「5類」の意味をどこまでご存じですか?
また現時点では「2類相当」の扱いなのですが、「相当」ってずいぶんあいまいですよね。
この記事では、ちょっと難しい感染症法の話をわかりやすく解説します。
今後の感染症対策のため、ぜひ最後までお読みください!
※難しい言葉を簡単に、長い文章をよみやすく解説するため、一部内容を簡略化していますのでご了承ください。
そもそも感染症法とは
よくニュースで出てくる「感染症法」とは、正式には「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」と言います。
内容を平たく言えば、その名の通り、感染症を予防するための法律です。
- 感染症の拡大を抑える
- 適切な医療を提供する
- 患者の人権を尊重する
こうした目的を明確に記した、国民の健康を守るための重要な法律が「感染症法」です。
感染症の分類は計8種類
2類だ5類だと話題になるため、「感染症の分類は5種類」と思っている方も多いのですが、実は違います。
感染症の分類には、「1類~5類」と「新型インフルエンザ等」「指定感染症」「新感染症」の計8つがあります。
簡単に見ていきましょう!
1類~5類
世界中で既に確認されている感染症は、基本的に感染力やかかったときの重篤性などにより、危険性が高い順から「1類~5類」に分類されています。
1類が一番危険で、5類になるにしたがって危険性は下がります。
インフルエンザや感染性胃腸炎など、より身近な感染症は5類です。
1類~4類の感染症では、すべての医療機関から保健所に対して患者数を全数報告する義務があります。
1類~5類以外の3つの分類
1類~5類とは別に分類されている感染症は、以下の3つです。
ざっくり言えば、「新しい感染症」「1類~5類に分類しきれない感染症」のこと、と覚えておくといいかもしれません。
「新型コロナウイルス感染症」の分類は、この3種から始まり、途中で見直しも入りました。
- 2020年2月 「指定感染症」に指定
- 2021年2月 感染症法の改正により「新型インフルエンザ等感染症」に
- 2023年5月 「5類」に分類予定
2023年2月時点では、新型コロナウイルス感染症は「新型インフルエンザ等感染症」であり、「2類」ではありません。
よく言われる「2類相当」とは、あくまでも行政の対応のことで、次の章でご説明します。
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行政の対応はどう変わる?
感染症はその分類によって、行政がとれる措置や対策が異なります。
目安となる表をご覧ください。
危険性が高い感染症に関しては、病気がまん延しないように強い対策を取ることができるようになっています。
表を見てわかる通り、新型コロナは、2023年2月時点では2類以上に相当する対応が取れるということで、「2類相当」と言われているのです。
5月8日のGW明けから5類になれば、行政が特別な対応をとることはほぼなくなります。
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新型コロナの今後は?
今までは「新型インフルエンザ等感染症」に分類され、「2類相当」の扱いだった新型コロナ。
国や自治体は患者を入院させ、患者・濃厚接触者に外出自粛を要請したりできましたが、それらは「5類」になるとできません。
同じ5類である季節性インフルエンザのように、患者の報告も定点把握になります。
※定点把握:あらかじめ指定した医療機関から定期的に患者数を報告する方法
また、医療費は全て国が負担していましたが、それも段階的に自己負担になっていく方向とのこと。
現時点でその金額の目安が示されていない点は、不安要素と言えるでしょう。
まとめ
ニュースでよく聞く「5類」や「2類相当」という言葉の意味、お分かりいただけたでしょうか?
今までは感染拡大防止のため、法律に基づいて様々な制限がかけられてきましたが、今後はそれらがゆるくなり、特別な感染症としては扱われなくなっていくと思われます。
ただし、制限がゆるくなるからと言って、新型コロナウイルス自体が大きく変わるわけではありません。
基本的に感染力がとても高く、更なる変異株の発生、感染拡大の波を繰り返す可能性も残ります。
コロナ前の生活に戻しながらも、手洗い・うがいなど基本的な感染対策は、家族の感染予防のためにも続けていくことが大切でしょう。
< 薬剤師 監修 >
薬剤師 ゆり
東京の薬科大学を卒業後、漢方メーカーのお客様相談室、病院勤務を経て、現在は調剤薬局に勤務。
小学生~幼稚園の子ども3人を育てる現役ママ薬剤師。
子育てをしている中で、自分自身、子どもの体調不良に悩んだことは数知れず…
自身の体験や、薬・健康・漢方など薬剤師としての知識が、一人でも多くのパパ・ママの役に立つことを祈っています。
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