毎日暑い夏休み。
子ども達は「楽しいことをいっぱいしたい!」と、カレンダーを見ながらワクワクしていることでしょう。
でもそんな予定も、体調を崩してしまえば台無しに…。
この記事では、子どもが夏にかかりやすい病気について、その原因や症状から予防策をご紹介します。
漠然と知っている『夏風邪』情報も含めて、どうぞ最後までお読みください。
夏になる病気=夏風邪の原因と3つの感染症
夏の体調不良の代表的なものに、『夏風邪』があげられます。
夏にひく風邪だから『夏風邪』、子どもの発熱などにも「夏風邪かな?」と考える方が多いでしょう。
しかしひと口に『夏風邪』といっても、実は200種類以上の原因となるウイルスがあるのをご存じですか?
その代表的なウィルスが、アデノウイルス・エンテロウイルス・コクサッキーウイルス。
夏の暑さから体力や免疫力が低下する時に、これらのウイルスが体内に侵入し、『夏風邪』になるのです。
そして子ども達にとって注意が必要なのが、場合により『夏風邪』では済まないやっかいな病気をもたらす点。
以下は夏風邪の原因となるウィルスと、それがもたらす3つの病気のリストです。
手足口病
主な原因となるウイルス | 感染経路 | 潜伏期間 |
---|---|---|
コクサッキーウイルス
エンテロウイルス |
飛沫・接触・経口感染 | 3〜6日 |
ヘルパンギーナ
主な原因となるウイルス | 感染経路 | 潜伏期間 |
---|---|---|
コクサッキーウイルス | 飛沫・接触・経口感染 | 2〜4日 |
プール熱
主な原因となるウイルス | 感染経路 | 潜伏期間 |
---|---|---|
アデノウイルス | 飛沫・接触・経口感染 | 5〜7日 |
コクサッキーウイルスとエンテロウイルス、アデノウイルスがもたらす3つの病気、きっと皆さんも聞いたことがおありでしょう。
実は厚生労働省も夏の子どもの感染症としてこの3つを指定し、「子どもの夏風邪」への注意喚起をしています。
詳しい情報はこちらからご覧ください。
子どもの夏の感染症 それぞれの症状
基本的に『夏風邪』は、発熱やのどの痛み、鼻水のほか、下痢や発疹など様々な症状がみられます。
ここでは、子ども達がかかりやすい3つの感染症ごとに、症状や特徴を見ていきましょう。
手足口病の症状
「手足口病」は口の中や手足に水疱のような発疹が出るのが特徴です。
38度程度の熱が数日続くこともありますが、高熱になることは少ないようです。
病名の通り手や足や口にできますが、お尻や膝の周り、顔にも発疹が出る子も中には見受けられます。
違う型の手足口病が流行することもあるため、ひと夏に2回かかる子もいます。
口の中や喉に痛みが出ると、ご飯が食べられなかったり水分を取れなかったりします。
そんなときは柔らかい食べ物にしたり、水分をこまめに摂るよう気をつけてあげましょう。
ヘルパンギーナの症状
「ヘルパンギーナ」は5歳以下の子どもに多い夏の病気です。
突然、38〜39度の高熱が出て1〜3日続き、喉や口の中に水ぶくれのような発疹ができます。
水ぶくれが数日後にはつぶれ、潰瘍になるとさらに激しい痛みが伴います。
問題は、かかりやすい年齢的にも、まだ自分の体調の変化を理解して大人に伝えることができない点にあります。
高熱に加え、食べられず飲めずで不機嫌になる、といった症状から発症に気づくことが多いのが、ヘルパンギーナの特徴とも言えるでしょう。
プール熱(咽頭結膜熱)の症状
だいたい幼児期から学童期の、活動的な時期の子どもに多く発症します。
39〜40度の高熱が4〜5日続き、目の充血や目やになどの結膜炎症状に、頭痛、喉の痛み、腹痛や下痢と症状はさまざまです。
「プール熱」はその昔、プールの水を介して感染が流行したことから名付けられましたが、最近のプール施設はしっかりと水質管理しているため、プール以外での感染が中心。
ちなみに正式名称は「咽頭結膜熱」と言います。
「咽頭結膜熱」は学校保健安全法で指定された学校感染症第2種に属し、保育園や幼稚園、学校へは登園・登校停止になるので、気をつけましょう。
症状がインフルエンザに似ていることから、「夏のインフルエンザ」という別名もあります。
補足 髄膜炎にも要注意
『夏風邪』の代表例である3つの病気とは別に、補足としてウイルスの型によって発症する「髄膜炎」の情報をお伝えします。
髄膜炎は、特に抵抗力の低い子どもや高齢者に多くみられます。
症状が悪化すると意識がなくなったり、けいれんを起こしたりと入院が必要になることも。
発熱・頭痛・嘔吐の強い症状が現れたときは、髄膜炎の可能性もありますので、早めに医療機関を受診しましょう。
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予防することはできる?
子どもが夏にかかりやすい病気と、その原因がウイルス感染であることがわかりました。
それでは、予防することはできるのでしょうか?
ウイルスによる感染の場合、まず感染経路を知ることが大切です。
感染経路は大きく分けて3つ。
- 飛沫感染・・・咳やくしゃみ
- 接触感染・・・タオルの共有など
- 経口感染・・・おむつ交換、唾液のついたおもちゃなどに触れる
このように、日常生活の中で感染しそうな状況を把握し、予防策として以下のことに気をつけましょう。
手洗い・うがい
手洗い・うがいは感染予防の基本中の基本。
帰宅後・食事前・トイレの後・おむつ換えの後・鼻をかんだ後など、こまめで丁寧な手洗いを忘れないようにしましょう。
安定した室内温度
室内にいるときは、クーラーの効いた部屋の温度はあまり下げず、26〜28度ほどを目安に設定しましょう。
室温と外気温との差があまりに大きいと、体力を消耗しやすくなります。
また、子どもは体温調整がうまくできなくなって体調を崩すこともあるため、室温管理はとても大切です。
おもちゃや食器を清潔に
乳幼児の場合、おもちゃの共有により接触感染や経口感染の可能性が高まります。
周囲で流行しているときは、家族への感染にも気をつけ、おもちゃ以外もタオルやコップの共有を避けると良いでしょう。
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まとめ
以上、夏に子どもがかかりやすい3つの感染症について解説してみました。
最近の夏は外気温が35度前後の日もあり、こんな時期に風邪を引いて高熱に苦しむ子どもの姿を見るのは、とても辛いものです。
大人にもうつってしまうこともあるため、子どもと一緒に感染対策はしっかりしておきましょう。
もし子どもに症状が現れた際は、躊躇せず小児科を受診してください。
通園・通学している時期であれば、早めに受診することで周りにも注意喚起をし、感染拡大を防ぐことができます。
この記事を参考に、皆さんが夏風邪のウィルスを回避して健康に過ごされますように!
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