毎日続く育児や家事、仕事。
子育て中の女性がさまざまな場面でストレスを感じてしまうのは、避けられないことかもしれません。
特に育児は慣れないことも多く、不安になったりイライラしたりすることも多いでしょう。
そんなとき、そのイライラを発散するために、食べ過ぎたりはしていませんか?
この記事では、ストレスによる食べ過ぎの原因と、その解決方法について解説します。
イライラすると食べ過ぎるメカニズムとは?
そもそも食欲は、ホルモンによって調整されています。
イライラなどのストレスを感じると、脳内ではこのようなホルモンの分泌が盛んになります。
- コルチゾール
- ノルアドレナリン
- ドーパミン
そしてこれらのホルモンにはすべて、食欲を盛んにする作用があります。
またコルチゾールには、食欲を抑えるホルモン「レプチン」「セロトニン」の放出を減らす作用もあります。
この結果、食欲が抑えられなくなり、食べ過ぎにつながってしまうのです。
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イライラによる過食を防ぐ方法
ストレス性の過食では、ストレスの原因になっている要素を取り除くことが一番の解決方法ですが、簡単に解消できない場合も多いかと思います。
ここでは、イライラやストレスによる過食を防ぐために役立つ方法をお伝えしましょう。
1. こまめに水分補給する
家事や育児をしている最中や、喉が渇いたと感じる前に、頻繁に水分を摂るようにしましょう。
水分摂取には鎮静効果があるといわれています。
また、しっかりと水分摂取ができていると、余分な老廃物を排出し血流を良くするといった、二次効果も期待できます。
2. 散歩などの軽い運動をする
散歩やストレッチなど、日常生活のなかですぐできる軽い運動は、気分転換になるだけではなく、食欲も抑えてくれるのでおすすめです。
育児中の方は子どもと一緒に公園に行って、積極的にからだを動かして遊びましょう。
軽い運動により食欲を抑えるホルモンが分泌されることがわかっています。
3. 歯磨きをする
イライラして食欲が抑えきれないようなときには、歯磨きをしてみましょう。
気分がすっきりするだけではなく、食欲が収まる場合があります。
なぜなら、歯磨きをすることで「せっかく綺麗に磨いたのに、また食べて磨くのは嫌だ」という心理が働き、脳に食事は終わったと伝えることができるからです。
また、刺激の強いミント系の歯磨き粉を使うと、食欲を抑える効果がより発揮されます。
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イライラしたときにおすすめの食材
イライラやストレスを減らすのに役立つ栄養素もあります。
ここでは、イライラを防ぐ栄養素を含んだ食材をご紹介いたします。
1. バナナ
バナナには、「トリプトファン」という成分が豊富に含まれています。
「トリプトファン」は抗ストレス作用のある、「セロトニン」という物質の材料となります。
「セロトニン」が十分な量で満ち足りている場合は、ストレスに対抗しやすくイライラが軽減されます。
またバナナには、「トリプトファン」が「セロトニン」に合成される際に必要な、「ビタミンB6」も豊富に含まれているのも魅力です。
これにより、効率良く「セロトニン」を合成することができます。
2. アーモンド
アーモンドには、「マグネシウム」が豊富に含まれています。
「マグネシウム」は、神経伝達や神経伝達伝導で重要な役割を果たしており、交感神経を抑制する働きがあります。
ストレスを感じている状態は、交感神経が優位に働きすぎていることが多く、イライラの解消では、副交感神経が優位に働くようにすることが重要です。
また、アーモンドに豊富に含まれる「ビタミンE」は、ホルモンバランスを整えるのに役立ちます。
ホルモンバランスが整うと、精神的にも安定しやすくなります。
3. マグロ
マグロには、精神伝達物質の伝達の合成に必要な「ビタミンB6」が多く含まれています。
「ビタミンB6」は、心を落ち着かせるときに必要な「GABA」「ドーパミン」「セロトニン」などの合成を促進させます。
4. 納豆
納豆にも、バナナと同じく「トリプトファン」が多く含まれています。
さらに「マグネシウム」や「ビタミンE」も豊富に含まれているので、バランス良くストレスに対抗できる食品といえます。
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イライラによる過食には漢方薬もおすすめ!
「どうしてもイライラして、食べ過ぎてしまうのを抑えられない」
「うまく気分転換ができず、食べ過ぎてしまうのを早くやめたい」
そうお悩みの方は、漢方の力を借りるのもおすすめです。
育児中は、慣れないことや分からないことも多くあり、ストレスがかかりやすい環境といえます。
さらに、休みたくても休めない状況が重なると、イライラが解消できず、過食でストレスを解消して、バランスをとろうとしている可能性もあります。
イライラ過食には漢方薬の活用もおすすめです。
過食の原因としては、ホルモンバランスの乱れやストレス、過剰な胃腸の働きなどが考えられます。
食欲を抑えるには、このような効果を持つ生薬が有効です。
- ホルモンバランスや自律神経の乱れを整えて、過食を軽減する。
- 過剰な胃腸の働きを抑える。
有効な生薬を含む漢方薬を選び、根本改善を目指してみましょう。
自律神経が整うと、心が穏やかになり、睡眠の質が上がるというメリットもあります。
ストレスを解消したり、イライラを抑えたりする効果のある漢方薬をご紹介します。
■抑肝散(よくかんさん)
イライラしがちで興奮しやすく、怒りっぽい方に用いられる漢方薬です。
イライラや怒りによって高ぶった肝(かん)の働きを抑えます。
女性特有のホルモンの変化に伴う症状や、更年期障害などにも使われます。
■加味逍遙散(かみしょうようさん)
疲れやすく、肩がこり、イライラや不安などの精神症状がある方に用いられる漢方薬です。
気(エネルギー)の流れを整えることで、自律神経に働きかけイライラを抑えたり、肝の興奮を抑えたりする働きがあります。
ホットフラッシュなどののぼせや、冷えのぼせにも使われます。
まとめ
育児や家事は精神的にも肉体的にも、負担が大きいですよね。
イライラやストレスがたまったときに、食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。
ですが、食べ過ぎをどうしても抑えられなかったり、食欲をコントロールできずに悩んでいる場合は、漢方の力を借りることもひとつの手段です。
そんなときは、ぜひ薬剤師をはじめ、身近な信頼できるひとに相談してみてくださいね。
食べ過ぎに悩まず、穏やかに毎日をすごしましょう!
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師 山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘル-youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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