睡眠時間は子どもへの成長過程において大きな影響があると言われています。涼しくなって、暑い時期と比べると眠りにつきやすい季節になります。ゆっくり家族みんなの睡眠のことを考えてみませんか。
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毎日の睡眠
毎日ゆっくり眠れていますか。 国際的な調査では、日本人は睡眠の量が少なく、質の面でも良いとは言えない傾向があるのだそうです。睡眠は生活の3分の1、つまり人生の3分の1が睡眠時間なのですが、何かあれば真っ先に削られるのも睡眠時間。 とくに育児中、共働きの時、それを痛いほど実感することがあると思います。
睡眠の影響
2014年厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針」では、子どもの不規則な睡眠や遅い就寝・起床が学校の成績の低さと関係している点が指摘されています。 成績が上位の子ほど早い時刻に就寝しているようで、就寝時刻が遅くなるほど、テストの平均点が低くなることも判明しているとのことです。
望ましい睡眠時間はどのくらい?
アメリカ睡眠医学会が推奨している睡眠時間
生後4カ月〜18歳までの子供たちが必要としている睡眠時間は以下の通り。 ・生後4〜12カ月:12〜16時間(昼寝を含む) ・1〜2歳:11〜14時間(昼寝を含む) ・3〜5歳:10〜13時間(昼寝を含む) ・6〜12歳:9〜12時間 ・13〜18歳:8〜10時間
乳児期だけでなく幼児期も、おおよそ1日の半分眠ることが推奨されているようです。 「え?みんなそんなに眠っている?」と思いますよね。ここで、「日本の赤ちゃん」の睡眠時間の短さを実感するデータがあります。
via news.aol.jp
日本の赤ちゃんが世界の中でも睡眠時間が短いことが分かります。周囲を見て、これくらいが普通と思っていても、世界的に見てみるとかなり時間が短いことが分かります。 年間の累積や数年後、学童期と考えていくと、いかに日本人全体が眠りが足りていないかが分かります。
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睡眠と記憶力
子どもと睡眠に関する調査で、睡眠不足は子どもの脳の「海馬」部分の成長を妨げることが明らかになっています。脳の細胞は子どもの時に急激に成長した後、年齢に応じて右肩下がりで減っていきます。その中で「海馬」はいつも新しい細胞を生み出していることが最新の脳医学研究で分かっています。海馬は小さな器官ですが、私たちの記憶を担当している重要な器官です。 大人であっても、海馬部分の細胞は新しく生まれ変わっているため、睡眠のリズムの改善でも脳トレでも、いつ始めても効果が出てくる、ということになります。
「記憶」は
海馬部分が活躍する「記憶」は、テストの点数につながるような暗記物だけではありません。人間は日常、何気なく、短時間の記憶をフル活用して生きています。 数秒から数分程度の「ワーキングメモリ」記憶や、その日または翌日くらいまでは覚えている「短期記憶」、長期間覚えている「長期記憶」があり、自然に使い分けることで人間としての生活が成り立っているのです。
自然に使いこなしている記憶力
「ワーキングメモリー」は、それほど多くの容量を覚えることはできませんが、電話で会話したり、人の話を聞いて指示に従ったり、道を教えてもらって目的地に向かったり、短時間の記憶を次々に使いこなす能力で、人とのコミュニケーションに深くかかわります。 もし、お子さんがすぐ話を忘れてしまう、忘れ物が多い、人の話を聞いても理解が追いつかない・・・「話を聞いてないなあ」と感じることがある場合、睡眠部分をチェックしてみませんか。お昼寝や就寝のリズムを一度メモして確認してみると改善につながるかもしれません。 よりよい睡眠をとることで脳の成長を促し、日中の不注意などの面が改善する可能性があります。
幼児期の臨界期も
良い睡眠が脳の発達に良い影響を与えるということは、乳幼児期にやってくる「脳の臨界期」にも良い影響を与えてくれると考えられます。 臨界期については絶対音感や身体運動面が有名ですが、良い睡眠が習慣化されていないとせっかくの発達が阻害されてしまうことになります。また、活動中の注意力や平衡感覚にも影響するため、睡眠が毎日の生活そのものにとっても重要だと分かります。 充分な睡眠は子どもにとってさまざまな発達につながるようですね。
お昼寝は昼間のうちに終了
夜間の深い睡眠を確保するためにも、お昼寝は早めに終了しましょう。目安はおやつの前です。たっぷり遊んでスヤスヤ眠り始めると起こすのもかわいそうな気がしますが、遅めの時間までのお昼寝は、夜の睡眠の先取りにつながり就寝時刻も遅くなってしまいます。 そのため乳幼児期は、午前中になるべく外出して、太陽の下で遊べるようにします。日光は体内時計のずれを調節してくれる効果があります。
寝やすい寝具やパジャマ
おむつがむれていたり、アレルギーなどで皮膚にかゆみがあったり、セキや鼻水が出ている状態など、何らかの不快感があると、寝付きにくかったり睡眠が浅くなったりします。 寝具は快適に、パジャマも室温やお子さんの体調に合わせて体温がこもらないように工夫して、快眠につなげてあげましょう。
眠る前のお話
眠る前の時間、ゆったりお話ができるといいですね。お父さんやお母さんのあたたかさや声で安心できます。絵本をお布団に持ち込まなくても、物語を聞かせてあげたり、その日一日のことを振り返って話してあげるなど、お話の話題は意外にあります。ゆっくりしたリズムで、驚かしたりせず、低めの声でお話してあげましょう。 その日のことを思い出しながら話してあげると、説明してあげることもでき、より強い記憶につながっていきます。また日中、親子でケンカしてしまった時も「この時はこういう気持ちだった」ことをお互いが話い合えるゆったりとした時間にもなります。 眠る前の時間は、親子で一日をリセットする時間としても活用できます。